デスパライアはココと出会わない未来ののぞみだった衝撃の最終回
プリキュアを見たことないアラサーおじさんが『YES!プリキュア5』全49話を見た。令和にお疲れさまでしたと言ってくれる人もいないのでブログに感想をしたためようと思う。
何歳までが「女子」なのか?と問われれば、私の答えは「女は生涯、いち女子」であります。かわいらしいものを見てテンションが上がったり、とりとめもない話を延々続けたり、明確な根拠なくなにかを嫌悪したりする。
説明不要の「なんとなく」が根拠。「うっせ、知らねーわボケェ」でいいのです。世間で女子特有の行動とされているものは、合理性と無縁の地に存在しています。
女子魂は死なず。
ラスボスのデスパライアとの最終決戦。アベンジャーズエンドゲームくらいの乱戦です。
しかもインフィニティストーンは奪われ壊され打つ手なし。
「私はココの夢を絶対叶えてみせる!」とのぞみは全くひるむことがありませんでした。
メンタル超合金にデスパライアは目を見開いて「ぇぇー・・・」と激しく動揺します。
のぞみは悲しい気持ち思い出を抱えています。私は自信がない。才能がない。九九を覚えるのが私は人より何倍もかかったと彼女はココ語るエピソードがありました。教室でみんなが元気に手を挙げている中で泣きながら首を下に折る小学生ののぞみの姿がありました。
ココと出会い、のぞみは頑張ることと夢を見つけました。あきらめずに戦う気合い、キャプテンアメリカ並の強い意志は夢を与えた側のココすらも勇気付けられるほどでした。
他方でデスパライアです。
彼女は常に「あきらめろ」「絶望しろ」「アンチクショウ」とデンプシーロールを食らわせます。のぞみたちと敵対していました。
『銀河鉄道999』のメーテルのようにデスパライアは老いない身体と不死を手にいれるためにドリームコレットを求めました。
組織を作り尖鋭チームを部下として雇います。のぞみがプリキュアとして一緒に戦う四人を集めたように彼女も仲間を集めました。
たった一人では夢を叶えることができないと思ったからでしょう。
絶対に叶えたい夢がある。
そうです。よく考えてみればデスパライアだって自分の夢を必死で叶えようとしているんですね。
「私は自信がない!」と人はよく言いますが、なんで自信がないことを自信満々に言えるのか。矛盾していませんか?実は自信はあるんです。あるけどやって上手くいく自信がないということなんですね。
例えば格闘ゲームで自分のコントローラーが動かないままに有段者と対戦させられたら「自信がない!」とは言わないでしょう。なぜならやる前に負ける結果が目に見えてるからです。バカバカしくてトイレタイム一択ですよ。
勝てる可能性を見るから自信は無くなるのです。
「自信がない」という言葉には「もしかしたら俺って上手くいくかもしれない」という希望が隠れているのです。
つまりネガティブな気持ちはポジティブさを足掛かりにしています。「(成功したいなァ……)」そんなポジティブさからネガティブな領域展開は生まれます。
希望も持ってなかったらそもそも絶望すらしないのです。言い換えると、絶望とは夜中に書いて渡せなかったラブレターです。
絶望をばら撒くデスパライア。届けようとする時点で前を向いています。後ろ向きなら行動せず頭の中で魔法陣グルグルかき混ぜるだけです。
具体的な行動とは前向きさです。前向きとは希望の言い換えです。彼女は実は人より何倍も希望を心に抱えていた者なのです。
のぞみは他人が褒めてくれるような夢だった。デスパライアは他人が褒めてくれる夢じゃなかった。その程度の差しかありません。自分の夢を叶えるために一生懸命という意味では両者はまったく同じです。
のぞみは運が良かった。ココと出会ってパルミア王国を復活させるという誰もが褒めるような夢を見つけました。彼と出会わなければドリーミーのぞみはありません。
夢も無く勉強も頑張ることもない。教師になる望みもないままです。
ココの助言がなければ彼女のグリーフシードを真っ黒に爆進していたかもしれまん。
のぞみとデスパライアは驚くほど似ています。
夢のために爆進する折れない心。叶えるために必要な仲間を集める具体的な実行力です。
キュアドリームとデスパライア。希望vs絶望といってお互い対立してるように見えます。ですが、先に書いたように希望だろうと絶望だろうと具体的な行動をするには前向きを踏み台にしまです。その時点で二人ともポジティブさガンジョーダXです。
両者を分けるのはココたちと出会ったか出会わなかったかの差しかありません。そのたった一つの偶然。それがなければ自信を喪失したまま夢見る自意識だけ膨らんで魔女化です。のぞみは暗黒面になりかねません。つまり平たくいうとデスパライアはのぞみが暗黒面に落ちた未来の姿なのです。
そう考えると合点が付きます。デスパライアがドリームコレットのないままに戦い続けるキュアドリーム興味を示しました。割とすぐ「お前の話を聞こう!」と言ったことも納得できます。
キュアドリームの中に共感できるものを発見してしまったんです。まァ、お互い目的に向かって頑張りまくる前向きマンなんですよね。
世界中を絶望に叩き落すためにムチャクチャ頑張るじゃん、デスパライア。私には初登場からそう見えました。彼女は人々を絶望させたい。同じ話を何度もしますが、行動を起こすとき絶望はガソリンとして使えません。絶望+後ろ向きはただ落ち込むだけです。
「絶望を叶えるぞー!」と立ち上がるには結局のところ前向きさ。希望の力を使っているのです。
終盤ではココに謝ってのぞみに自分を封印してくれと頼みます。これ一見するとデスパライアの手の平返しが早ええー。しかし、のぞみの言葉からすぐ考えを改めるその姿は、手の平返しというより自分の中に元々あったもの。知っていたけどアウトオブ眼中にしていたもの。
不安でギュッと握りしめていた拳の中を開けば実は望んでいたものが手にあった。希望を思い出したといえます。
のぞみが絶望しなかったのは自分が強いからでも、もしてやアンガーマネジメントでもありませんでした。考えるな、感じろ!「Don't think! Feel.」です。
これは大人になると忘れるやつです。歳をとっていくと何か得るものがあるからそれをやる、となりがちです。楽しいより先に得るものがあるかどうかを、まず頭で考えてしまいます。
デスパライアは考えすぎていたのです。何かを手に入れようとしていました。ところが、のぞみは仲間と楽しいことに向かってると不安はなくなったと言います。自分が楽しいことをやること。
つまり、答えは外側に論理にあるのではなく自分の内側の感情にある「Don't think! Feel.」です!
合理性とは無縁の地へ行け!
誰も彼もを説得する必要もないし納得させる必要もない。
自分が楽しいと感じるものならそれでいい。
やりたいことをやれ。
寝たかったら寝ろ。
食いたいものを食え。
説明不要の「なんとなく」が根拠。変身を説いた夢原のぞみの中学生の姿を見てデスパライアは気が付きます。
女子魂!
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