更年期の乗り越え方:普段と違うことをする
今回も更年期の乗り越え方について。
私たちは身の回りの状況に対し瞬発的に快・不快の『情動』から自律神経反応を振り分け生体内のホメオスタシス(恒常性)を保っています。
それは野生生活を送っていた時代からの名残が大きく、生命危機に見舞われた際に瞬発的に『闘争・もしくは逃走(もしくは凍りつき)』可能な身体状況を整えるために必要な生理的反応です。
ある時の情報は大脳辺縁系にて記憶に蓄積され、再度似た状況に陥った時に例えば「ああ。あれは怖かった。」と記憶を頼りに反応が生じ、徐々に個々の経験に応じた自律神経的な反応特性が構築されていきます。
また大脳辺縁系を中心に構築されたそれらの『情動反応』を元として、大脳皮質(特に前頭前野)と連携をとることで『認知』を構築し、その後の行動選択もパターン化・オリジナル化されていきます。
生きていく上ですべての状況にイチから反応していたらとても非効率ですので、脳の反応は意識しなければ成長に伴い、どんどんパターン化され効率的になっていくのですね。
ただ効率的な脳の働きのおかげで、私たちは大人になるにつれ突拍子もないことは思いつき難くなりやすいようです。
時に、幼い子どもとの会話で「あれはなんでなの?」と問われ「当たり前でしょ?だってこうだもの。」と返答しそうになるかもしれません。
でも、その『だってこうだもの』は『認知』のオリジナル化から生じた自身のバイアス(色眼鏡)も含まれている可能性もある。
更年期の乗り越え方の話から脱線した感が否めませんが・・・
話をテーマに戻します。
更年期症状の悪化しやすい性格要因として、
・真面目で頑張り屋さん
と挙げられることが多いですが、真面目なタイプの方は日々決めたことをきっちりこなしがちです。
そして、普段のルーティーンと異なることに恐怖感・不安感を抱きやすい傾向があるようです。
けれど脳は効率的でもあると同時に異なる刺激を求めているようで、普段と違う行動選択により脳の神経細胞はつながりを増やし、その働きも活性化されることが最近の研究で分かっています。
パターン化されていない脳の使い方(普段と違う行動選択)は、特定の脳局在に依存しがちな脳の疲労軽減効果も期待できます。
そして『普段と違う行動選択』による神経細胞のつながりを増やす効果は日常生活での小さなことでも得られるようです。
例えば
・普段と違う道順で帰ってみる
・髪型を変えてみる
・頼んだことのないメニューを食べてみる
など・・・
子どもの用事や仕事上での責任など、何かと環境要因での制限が多くなりがちな更年期ではありますが『少し普段と違う行動選択』により慢性疲労傾向にある脳局在に休息を与えるとともに、新たなルート開拓で脳機能を活性化し、『モヤモヤ』した気分に距離をおくことが出来るかもしれませんね。
まずは取り組みやすい物事で、脱ルーティーン行動にチャレンジしてみませんか?
最後まで読んでいただき有難うございます。
以下のオープンチャットでは、自律神経についての知識を持つ専門家(理学療法士・作業療法士・栄養士)が無料で定期配信を行なっています。私の記事もこちらで紹介させていただいています。
ご興味のある方は、登録してみてくださいね。
また、自律神経についての学びを深めた理学療法士・作業療法士6人で『自律神経を整えるライフスタイルの実践』という講義とボディワークの研修会を行います。
開催地は神奈川県ですが、後日アーカイブ配信もありますのでご興味のある方は是是非のご参加をお待ちしています。
『自律神経を整えるライフスタイルの実践』概要
『自律神経を整えるために必要な身体の使い方』 理学療法士 及川文宏
『下肢から整える自律神経』〜トレーニング種目で組み立てるセルフケア戦略〜 理学療法士 石井りえ
『自律神経と体内水と入浴』 理学療法士 後藤和樹
『山登り理学療法士が伝える 歩行と自律神経』 理学療法士 寺島佑
『自律神経を整えるための睡眠の知識』 理学療法士 本塚貴裕
『自律神経を整える ヨガ的生活』 作業療法士 高橋志帆
私は、今回触れた『情動』や『認知』といった要素も含めた自律神経反応を整えるためのヨガの生活への取り入れ方についての提案と、その実践に繋がるボディーワークを行います。
自身の経験より実感した内容をご紹介することで、現在自律神経症状の不調和にお悩みの方や、その周囲の方々に分かりやすくお伝え出来るかと思います。