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デフォルトモードネットワーク(DMN)の二面性

前回の記事では『DMNを活かす』ために『ぼーっとする時間を作る』ことを提案しました。

ただ、DMNは脳内の情報処理やひらめきの役割を担う一方で、過去や未来のネガティブな感情と結びつきやすい一面もあります。

『過去の失敗や未来への不安が頭の中を反復して繰り返される状態』のことを精神医学では、うつ傾向の特性として『反芻思考(はんすうしこう)と呼びますが、心理学では『マインドワンダリング(以下MW』と表現され、現行課題と関係のない過去や未来についての不安などといったネガティブな思考を彷徨う状態を指します。

MW状態に陥りやすい『認知』の傾向、つまり『不安・怒り・妬み』といったネガティブな『心理状況』へつながりやすい思考癖のある場合、『ぼーっとする時間』は『ひらめきの時間』ではなく、『おひとり様エンドレス反省会・朝まで悶々怒り心頭会』となってしまう危険性があるということです。


では、DMNを『ひらめき時間』として活用できるようになるには、どうしたら良いのでしょうか。


ヨガでは瞑想やアーサナ・呼吸法・日々の暮らしにおいて『今、この瞬間の体験へ意図的に意識を向け、評価をせずニュートラルに捉える。ただ気づく・眺める。』ことを繰り返し練習します。

・瞑想では主に思考の状態について
・アーサナでは主に自身の身体状況について
・呼吸法では主に呼吸の状態について
・日々の暮らしではその時々で直面する出来事に対しての自分の反応について。
(アーサナの中で呼吸について意識したり呼吸法で体の緊張状態について、その時の心の状態を意識したりと複合的な要素もあります。)


上記の練習により自己内面・外面に起こる情報をニュートラルに『認知』できることで、DMNは『ひらめき』が生じやすいネットワークとして有効に力を発揮することができるようになるようです。

大切なことは、『ニュートラルに物事を捉え、状況に心を奪われない自己を作る』ことであり、手段は人それぞれだと思います。

著名な科学者といった新しいものを作り出す方々は、それぞれに合った手段でDMNを『ひらめきネットワーク』として活用できるスキルを身につけているのでしょうね。


私も『ひらめきネットワーク』を活用できるように精進の日々です。
より良い暮らしのヒントになりましたら幸いです。

参考文献:https://www.jstage.jst.go.jp/article/ises/4/1/4_16/_pdf



本日のやわらかなアーサナ

●合蹠(がっせき)のポーズ
 副交感神経の働きを高めてくれる前屈のポーズです。
 ゆったりとした呼吸を深めながら全身の緊張をほぐしましょう。

①両脚を前に伸ばして座った姿勢から立て膝→左右に開く→左右の足底を合わせる。※この時、出来るだけ骨盤は起こして座りましょう。難しい方は、お尻の下にクッションなどを敷いて無理なく骨盤を起こした姿勢を作りましょう。

②一度、息を吸って頭頂から天井へ糸で釣り上げられるような意識で背中を伸ばし、息をゆったり長く吐きながら出来るだけ骨盤を起こしたまま前屈しましょう。首・肩はリラックスしておきます。

③両手は無理のない範囲で前方へ伸ばし、そのままの姿勢で呼吸を数回続けます。吐く息に合わせてすこ〜し手を前に歩かせ、前屈を深めましょう。

④吸う息に合わせてゆっくりと体を起こし①の姿勢に戻り、全身の緩みを感じましょう。




最後まで読んでいただき有難うございます。

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