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天気頭痛等気圧の変化に効く漢方:五苓散の解説
爆弾低気圧発生か
朝方の強い風と雨は現在止んでいますが、どんよりした空が広がっています。
つい先日の3連休などきれいな青空、秋空が続いていたのに、天気はまったくわかりません。
この天気のせいかそれとも勉強疲れのせいなのか、どうにも頭が重い。
私だけなのかと思って調べてみたところ、興味深いデータを見つけました。
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こうしたデータを見ると、
・生理痛
・生理前のPMS
・そして天気痛の各症状
女性の平穏は一体いつ訪れるのだろうか。
少なくとも医療を勉強、あるいはそれに現在携わっている人は女性にやさしくしなければなりません。
私も今日から改めるよう、心がけます(今までもやさしくしてはいましたが、改めて)。
天気痛のメカニズム
天気痛とは気圧の変化、特に気圧が下がると現れる体の不調です。
飛行機に乗ると離発着のときに耳がキーンとなりますよね。あれは耳の「内耳」という耳の奥の部位が、急激な気圧の変化に対応できずに悲鳴を上げている状態です。
飛行機ほどの急激な気圧の変化でないにしても、やはり変化というものは人の体にストレス等負荷がかかります。
以下天気痛のメカニズムです。
1.気圧が下がる、変化する
2.耳の内耳が気圧の変化を感知して、脳に信号を送る
3.信号を受け取った脳がそれをストレスと感じると自律神経が乱れる
4.自律神経が乱れると血管、精神、胃腸等に体の各所に影響が出る
ストレスは人を興奮状態や緊張状態にします。
この「興奮」や「緊張」が自律神経の「交感神経」と呼ばれるものです。
例えば大勢の前での発表やプレゼンだったり、合否を分ける試験だったりは緊張しますよね。
その状態が「交感神経が優位にはたらいている状態」です。
それが一時的なものであれば問題ないし、人と関わる以上ストレスはどうしたってかかります。
ストレスが過剰にかかると自律神経が乱れて体の様々な箇所に影響して症状が現れる。
自律神経が乱れるとは自律神経のオンオフがうまくはたらかなくなります。
ずっと興奮状態が続けば体に良いわけがありません。
自律神経が乱れると血管に影響すると前述しましたが、興奮状態は筋肉を硬くして血管を収縮させ、血行が悪くなります。
血行が悪くなると酸素が運ばれない、栄養が運ばれないなど体に影響が出ます。
それが天気痛の症状である頭痛やめまい、肩こり等です。
ストレスの対処法は先日解説した二つの漢方、
・加味逍遙散
・柴胡加竜骨牡蛎湯
これらを使って気持ちを鎮めてもいいし、血管が収縮して体に影響が出るのなら「運動」をして血管を広げるという方法もあります。
運動といってもジムでアスリートがやるようなトレーニングでなく、休憩時間のちょっとした時間でできる「ストレッチ」で十分効果があります。
幸い、現在は昭和でなく令和なのでネットで探せばいくらでも、それこそ処理できないくらいに大量のストレッチがヒットします。
その他にも「伸び」をするとか「エレベータでなく階段を使う」とか、そんな身近なものから始めてみれば少しは楽になるかもしれません。
天気痛のもう一つの要因
天気痛の要因は「気圧変化による自律神経の乱れ」だと前述しました。
しかし調べてみると、どうやらもう一つ要因があるようです。
天気痛の要因は水滞、だと?
そして天気痛に有効な薬は二日酔いに効くとされる「五苓散」だというのです!
天気痛についてなかなか執筆が進まなかったのはこの、
自律神経の乱れと水滞との関係
たしかに天気痛の頭痛も体のだるさ、重さも二日酔いのそれと似たようなものだけど、自律神経の乱れと水滞が一体どう関わりがあるのか。
調べてもわかりません。
ただし調べる過程において、
低気圧がもたらす外界の湿気や水分が、体内の水分に何らかの影響を与える
ということまではわかりました。
実際に大学と製薬会社の実験で、五苓散に使われる蒼朮(そうじゅつ)が気圧変化による血管の拡張に影響を与えたとの報告もあります。
蒼朮とは利水作用のある生薬です。
そして水滞とは、おさらいですが体内の余分な水が流れずに滞って血管や精神、胃腸など体の各所に不調をもたらします。
あれ?自律神経と水滞が今、つながった!
気圧変化に敏感な人は日本から何千キロも離れて発生した台風でも影響を受けるようなので、単純にストレスによる自律神経の乱れ以上に何らかの要因があると考えたほうが自然です。
それが水滞です。
以下キアガードという名の五苓散の成分(構成生薬は同じです)
成分成人1日服用量12錠中
・タクシャ4.0g
・猪苓(ちょれい)3.0g
・茯苓3.0g
・蒼朮3.0g
ここまですべて利水作用
・桂皮1.5g:気をめぐらす作用、各生薬の司令塔
キアガード 24錠1430円(参考価格)
・用法用量その他
次の量を1日3回、食前又は食間に服用
・15歳以上1回4錠
・5歳以上15歳未満1回2錠
体力にかかわらず使用できます
1ヶ月くらい(急性胃腸炎、二日酔に服用する場合には5~6回、水様性下痢、暑気あたりに服用する場合には5~6日間)服用しても症状がよくならないときは服用を中止して、医師や薬剤師にご相談ください
そして大事な五苓散を使ってはいけない人たち
・なし
その他注意事項は各自でご確認ください
天気痛と五苓散
さきほどエックスで「五苓散」と検索してみると、
・五苓散が手放せない
・五苓散があってよかった
・五苓散はよく効く
タイムリーな話題だったので、好評な意見が多く散見されました。
なぜ何千キロも離れた低気圧が人の体に影響を与えるのか、そして外気の水がなぜ体内の水に影響を与えるのか、それについてわかりやすく解説した記事は見つかりませんでした。
しかし、アセトアミノフェンなど150年以上経った現在でもその作用機序が解明されていないのに、世界中で幅広く使われている実例もあります。
自律神経の乱れと水滞の症状が同じである以上、気圧の変化で体調を崩す人は試しに使ってみてはいかがでしょうか。
しかも五苓散は漢方なので副作用もそれほど心配する必要はありません。
あと最後に気圧の変化についてニュースを見なくても事前にわかる、
頭痛ーるというアプリが好評なようです
今日のエックスの検索でも度々頭痛ーるが紹介されていました。
これも天気痛で体調を崩す人は使わない手はない!
五苓散があなたにとって効果がありますように。