鷸井 湍輝

しぎい・せき=1994年生。SFファンジン『火浦功研究』刊行(2017, 2023)/文芸同人誌『Dumeril』主宰(2020 - )。

鷸井 湍輝

しぎい・せき=1994年生。SFファンジン『火浦功研究』刊行(2017, 2023)/文芸同人誌『Dumeril』主宰(2020 - )。

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【自分用メモ】ライトノベル関連論文目録【途中、適宜補填】

※主に自分用メモです。 ※分類は主観による大雑把なものです。それぞれに補完し合い、かつ複数の分類に跨っているものもあるとご理解下さい。 ※サブタイトルの表記法は統一されてません。 ※情報取得の大部分はCinii Research(国立情報学研究所)によりました。 ※英、韓語、中文(台湾)論文の情報取得はGoogle Scholarによりました。 ※中華人民共和国での発表論文情報は早稲田大学図書館「WINE」により取得しました。 ※単著単行本は割愛しています。 ※原則出版年昇順

    • 小野塚力氏『武井武雄刊本作品逍遥』(武江 我刊我書房、2024.7.7)に対する一読者の所感。

       8月に入って日常が落ち着いたので、同人出版活動の先輩にあたる小野塚力さん(1973-)の私家版評論集『武井武雄刊本作品逍遥』(2024.7)を読んで考えたことを書き留めておきたい。この本は美術家・童話作家の武井武雄(1894-1983)が作成・流通させていた「刊本作品」139冊に焦点を当て、それらの実物に当たって観察することを通じて考察を試みたものである。  もちろん、読み物としては非常に楽しく読める。しかしこれを研究のための資料や考察として見做すとなると、いくつか疑問点が

      • どうしてあなたは〈学生時代を語〉らなければならないのか? あるいは、そのためにできる1つのこと。

           『幻詩狩り』(創元SF文庫、2007)の「あとがき」のなかで、川又千秋が「アンドレ・ブルトンの尊大さに、いささかの反感を覚えていた」と述べているのを読んだ際、少なからず驚いたのを思い出す。  私はそれまで(そして今になっても)ブルトンが「尊大」だとは感じないし、むしろ川又の方にややその気を感じていたからだろう。ブルトンの文は訳の印象もあるかもしれないが、たしかに気取っている感じはある。とくに川又が参照した『シュールレアリスム運動の歴史』(大槻鉄男訳、昭森社、1966)

        • 〈みみずくの会〉関連事項年表

          まえおき  現在、私が維持し、愛知県名古屋市・長久手市・春日井市で活動している〈みみずくの会〉(旧『みみずく』編集部)という文学集団について、その成立や関連事項を概観できる資料として編年体形式で年表を編んでおくことにしました。  同会は、もともと長久手市に存在する愛知淑徳大学という大学に在学していた久納美輝・染よだか・竹輪太郎の3人が計画した『みみずく』誌からはじまりましたが、現在ではその内の久納だけが残り、私(鷸井)とともに『みみずく』別冊である『デュメリル』誌を発刊して

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        【自分用メモ】ライトノベル関連論文目録【途中、適宜補填】

        • 小野塚力氏『武井武雄刊本作品逍遥』(武江 我刊我書房、2024.7.7)に対する一読者の所感。

        • どうしてあなたは〈学生時代を語〉らなければならないのか? あるいは、そのためにできる1つのこと。

        • 〈みみずくの会〉関連事項年表

          『デュメリル(Dumeril)』第2号(2023.9)正誤表

           以下に公開するのは、『デュメリル』第2号(Vol.1 No.2、みみずくの会、2023年9月7日発行)の正誤表です。入手後にお気づきの点がございましたら、ご一報いただけますと幸いです。  頁 |  段・行  |   誤   |   正   |  15 | 上・4行目 |  派遣国家  |  覇権国家  |  22 |上・16-17行目| 「蚯蚓の恐怖」(『探偵実話』一九五五年九月号) | 「蛞蝓妄想譜」(『宝石』一九五四年一〇月号) |  217 | 上・4行目 |

          『デュメリル(Dumeril)』第2号(2023.9)正誤表

          『デュメリル(Dumeril)』創刊号(2020.10)正誤表

           以下に公開するのは、『デュメリル』創刊号(みみずくの会、2020年10月31日発行)の正誤表です。入手後にお気づきの点がございましたら、ご一報いただけますと幸いです。  頁 |  段・行  |   誤   |   正   |  3 |   なし  | Iroha Sea | Iroba Sea  |  91 | 上・10行目 |「パリの夜」いう|「パリの夜」という|  同上 | 下・10行目 | 自信のない | 自信がない |  93 | 上・12行目 | 血のよ

          『デュメリル(Dumeril)』創刊号(2020.10)正誤表

          『閃光のハサウェイ』を観て考えたこと

           こんにちは。  劇場作品『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(2021年6月公開、8月現在上映中)が、興行収入20億円を超えたのだそうです。ガンダム映画では興行額の歴代最高も狙えるとのこと。  ところで以前、自分は ↓ こんな記事を公開していました。  ふつう、こういう場合は観た後も記事を出すものなんですけれども、なにせ、映画やアニメにかんする専門的なことはなにひとつ知らないので、「このくらいのこともう誰かが言ってそうだなぁ」ってことばかりが浮かんでは消えていきました

          『閃光のハサウェイ』を観て考えたこと

          短歌供養(2016~2017)

           大学生のとき、短歌をやっていた。  でも、短歌を詠もうとすると頭が痛くなるので辞めてしまった。  この記事は短歌を辞めるまでの顛末および、短歌詠の供養だ。 ◆「短歌会」の思い出:短歌詠供養までの経緯  大学生のころ、当時交際していた後輩から「大学に短歌会を作りたいんですけど、名前だけ貸して下さいません?」と相談を受けたことがあった。2010年代の半ばというのは、学生短歌会が全国で創立されしのぎを削っていたころで、今に比べると大学の短歌会には高い訴求力があった(現在でもある

          短歌供養(2016~2017)

          『光瀬龍ジュヴナイルSF 未収録作品集』(盛林堂ミステリアス文庫、2021.5)の紹介と、蛇足として光瀬龍「同業者」(1960)試論。

           こんにちは。  SF作家・光瀬龍(みつせ・りゅう、1928~1999)の単行本未収録作品集が書肆盛林堂から発売されました。値段もそれほどではなかった(本体3500円)こともあって(ぎりぎり)私でも入手できたので、紹介していきます。 『光瀬龍ジュヴナイルSF 未収録作品集』(2021) 本書は、2021年5月16日(日)に開催された第32回文学フリマ東京で頒布されました(「書肆盛林堂」(タ-27・28)にて)。  私は通販で入手したのですが、まだ在庫があるようです。  監

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          漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』を読んで興味を持ったので、作画している方について調べてみただけ。

           こんにちは。  タイトル通りです。  スマホゲームを中心として、複数のメディアを横断している大型プロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames、2016~)に連なるコミック作品『ウマ娘 シンデレラグレイ』(2020~)が人気となっています。  この作品群では実在の競走馬を擬人化しており、その点に関しては哲学的にもさまざまな問題提起ができそうですが、大方のメディアコンテンツ愛好者および競馬ファンからは、比較的好意的に受け取られています(私はPCの性能が悪すぎて

          漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』を読んで興味を持ったので、作画している方について調べてみただけ。

          笠置山「六畳城とトランジスタ」(『小筆生活』第3号(2020.9)掲載)についての感想と試論。

          まずは『小筆生活』の紹介からはじまる。 さて、今回は後輩が出している同人文芸誌掲載作について書きたいと思う。雑誌名は『小筆生活』。書道のメイン・ウェポンである大筆でも、さまざまな絵の具を乗せる絵筆でもなく、敢えて選ばれたのが〈小筆〉である。  初心者には大筆より小筆で書く方が難しい。力の入れ具合に慣れないと、すぐに字が崩れてしまう。  大きな主題の〈文学〉を描くよりも、自分の生を見つめながら細やかに筆を進めていくことの方にこそ、技術が必要になる――そんな理念が感じられるタイ

          笠置山「六畳城とトランジスタ」(『小筆生活』第3号(2020.9)掲載)についての感想と試論。

          同人文芸誌『Pan』と、謎の作家?「森のぶ子」について。

           戦後期の同人文芸誌『Pan』と「森のぶ子」。  1949(昭和24)年に創刊された『Pan』という同人文芸誌がある。京都大学構内で編集・発行された雑誌で、京都大学だけでなく、関西圏に存在したさまざまな大学・専門学校の在学生や教員が寄稿していた。  ”Pan”というのはギリシア神話の牧神「パーン Πάν」のこと。  第2号巻頭には、のちに京大で教鞭をとることになる(が当時はまだ大学生であった)小島衛(1928~2001)による、ステファヌ・マラルメ「半獣神の午後 L'Apr

          同人文芸誌『Pan』と、謎の作家?「森のぶ子」について。

          『閃光のハサウェイ』を観る前に考えていること。

           劇場作品『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が、2021年5月7日に公開される予定だ。まだ少し先のことなのだが、原作小説を読んだり、YoutubeでPVを観たりしていて考えたことが、すでにいくつか出て来た。  まだ本編を観てさえいないわけで、もちろん印象批評の誹りを免れ得ない。なので、これは「論」と呼びうるほどのものではなく、単なる「見る前に考えていること」以上のものではないということだけ、留意していただきたいと思います。 ◆ハサウェイの年齢 主人公のひとりであるハサ

          『閃光のハサウェイ』を観る前に考えていること。

          プロフィール・活動一覧

          本が好きです。エンタメ小説、とくに、小説の「同人誌」を最近よく手に入れるようになったのですが、まとまった量の感想を書く場所がなかなかみつからずにいたところ、友人にここを薦められたので、感想を投稿して置いて行こうと思って始めました。 ■プロフィール1994年、名古屋市生まれ。 読書好き(が高じて文芸部)と過酷な運動部(陸上部)がたたり(兼部)、志望していた国公立大に全落ちする。小学校教諭の一種免許状が取得できると知り、2013年に愛知淑徳大学という私立大に進学する。2017年

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