#3 やってくれたな「溺れるナイフ」…
私は普段からSpotifyやYouTubeでいろんな音楽を聴いています。
そこで先日、すごくドキドキする曲に出会ったので紹介します。
溺れるナイフの挿入歌たち
これはYouTubeで曲漁りをしていた時に、大森靖子の「ハンドメイドホーム」と、おとぎ話の「めぐり逢えたら」を違う人が歌っているものがある…?と不思議に思って検索をして発見したものです。
両者かなりクセが削ぎ落とされており、とても聴きやすい仕上がりです。
個人的には、爽やかで少しノスタルジックな感じが好きですね。
原曲を知るとより楽しめます。
かなり曲調を変えていますが、真逆の路線に走ったりはしていなくて、イメージから外れすぎていないのが良いポイントです。
そしてそんな中出会ってしまったこの曲…
息が詰まりそうになる曲
もう久々に心臓がドキドキしました!
めちゃくちゃかっこいいです。
まずこの曲には歌唱がついていないんです。
それによって際立つこの爽快感のある鋭いギター…最高で涙が出そう(ため息)。
美しい音が洪水を起こしています…
それを聞き手側が全て受け止めるので、一気に波が押し寄せてきて、ハッとさせられてしまいます。頭が目覚めます。
なのになぜか懐かしいような曲になっていて不思議です。あんまり押し付けがましい曲ではなかったです。
これに歌がついていたらどうなっただろうという考えを持つ余地もないくらいに完成されています。
そして続け様に出会ったのが
美しいピアノの中に…
ピアノが美しいことはそうなのですが、私が一番かっこいいと思ったのは途中から入ってくるゴリゴリのベースです。
先ほど紹介した「ふたたび」はカッと大きな波が自分の目の前に現れた瞬間のような曲調でしたが、この曲はジリジリと迫ってくるような感じです。
焦った時に頭の中に流れてきそうだなと思ったりもしました。(怖い)
しかしこの曲は存在感の強いギターが出てこないにも関わらず、かなりエッジの効いたベースの音が入っているので、攻めた曲だなあとも思いますが、うまく調和されているのを聞くと、本当にかっこいいですよ〜…。
水の表現すんごい
本当に水の表現が上手な人がいるなあ…と度々アーティストの皆様に感謝しています。
古くは枯山水などで、人間は水を使わずに水を表現しようと試み出したわけですよね。
音楽だと、椎名林檎の真空地帯と呼ばれているライブで披露された「浴室」はすごく水感あるなと思ったのを覚えています。
この「溺れるナイフ」の挿入歌たちも、すごく「水感」を感じました。
こういう、対象物を使わずに人間の感覚に明確なイメージを打ちつけてくる作品は、見つけるとドキドキします。
じわじわとテーマの周りを固めてくる感じがするものが好きです。
バランスの良い音楽
予備校の先生に教えてもらったことの一つに、「人間が写真という便利なツールが生まれても絵(写実的系)を学ぶ理由は、その人の視点が入るからだ!」というものがあります。
音楽も、散々回りくどく長々と歌詞が書かれていますが、曲の作り手が一生懸命に頭の中のイメージを自分視点で伝えようとした結果なのかなと思っています。
それを歌詞無しで行ったのが「ふたたび」なのかな、という感じです。
伝えることは大切だけど説明的になりすぎてはいけない、かといって見る側に寄り添わない自分勝手な作品もいけない…まるで受験美術ですね。
やはり全ての芸術の基礎がそういうところにあるのだろうと考えています。
その基礎をしっかりと押さえた聴き心地の良い曲が、この「溺れるナイフ」に揃っているなと思いました。
おわり
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