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リモートワーク考。

筆者は元々フリーランス歴が長くて、会社員として仕事してた期間が4年くらいしかなくて、しかもその社員時代後半も出社不要のコンサルティング会社だったので、リモートワークって普通に誰でもできるものだと思ってた。
でも、業務経験が少ないのに新しい仕事に駆り出されてる若手の社員からすると、右も左もわからない状態で放り出されてる厳しさがあるのだと最近やっとわかってきた。

これっておそらくプログラミングとかデザインワーク、設計の仕事のようにプロセスやスキルが見えやすい仕事ならばもう少し楽なのだろう。
しかし弊社が生業とするビジネスコンサルティングのような、
非定型で問題解決代行業に近い仕事だとそもそも自分がぶち当たった問題への解決方法で詰まってしまう。
経験を積んで歳取ってくると、その難題や難問が快感に感じるようなマゾ(笑)になってきて、『俺に容易に解けないような難題持ってこい!』くらいの勢いなのだが、確かに自分も20代後半のコンサル会社の社員だった時代は、出社しても周りに聞ける人がだれも居ない状態(フリーアドレスで先輩は不定期出社が多かった)の時は一日中モンモンとしていた記憶がある。

コンサルタント業って、仕事のゴール定義がクライアント側から出てこないケースが圧倒的に多いのだ。だからシニアクラスのコンサルタントが、客先に成り代わってプロジェクトのゴール定義をすることが多いのだが、マネジメント負荷が増えて自分自身が客先にあまり顔を出せないので客先の温度感は掴みずらい。
なので常時客先と接触しているアソシエート・コンサルタントとの、コミュニケーションやレビューワークが必要なのだ。
だがしかし……リモート(=ビデオ会議とか)だとキツイなぁと感じる。
現時点の回線品質だと細かいニュアンスが伝わりづらかったり、部下へのロープレやトレーニングにならないことが多いからだ。

うちの会社は未来のイノベーション推進を支援してる仕事が多いので、本来ならば完全リモートで在宅勤務とかにしたいのだが、やっぱり部下の表情や振舞いがきちんと見えない会議はきつい。なので、やはり週数回は対面型の会議が必要だと感じるのだ。
この辺はシステム開発の仕事、Webの設計の仕事、ライティングの仕事、デザインの仕事とかとは大分違と感じる。これらの仕事は仮に経験やスキルの足りないメンバーがチームに居たとしても、その人が出すプログラムや記事や設計書やデザインワークのアウトプットを見れば、抱えてる問題や足りないスキルなどは一目瞭然でわかるからだ。

コンサルティングワークはそのような直接的なアウトプットよりも、
●相手の頭のなかに何がある、何か起こってるのか?
●ゴールや進め方のイメージを持っているかどうか?
が非常に大事なのだ。
そしてそれは書き出したアウトプットとか作業の記録からは読み取りにくい。
資料に落ちてなくても正しいイメージを持ってるスタッフはいるし、逆に資料は綺麗に書けていても、先が見えていないスタッフも多い。そこを掴むことがポイントになるのだ。

このような抽象的な業務でリモートワークするための方法論として考えてることを以下記載しよう。

①会議やレビューは対面で週2~3回は実施。

➁部下が(日報とかで)わざわざ報告しなくても、仕事のアプローチや進め方、煮詰まったポイント等が自然に見えるようなリモートシステムを構築する。

③上司やメンバーからの細かい指示とかじゃなくて、自分で学習したり研究したり、問題解決できるような道具立てやしくみを用意⇒プラットフォーム化する。

④たとえ個人ワークであっても、モチベーションが保てるようなコラボレーションのしくみ(リモートワークショップ的な発表や連携の場)を用意する。

①は普通にできるし、➁③もシステムや制度の問題。
しかし…難易度が高いけど、なんとか作りたいと思ってるのが➁だ。

どういうことをやれば良いかというと、
監視されてるような雰囲気やブラック感を出さずに、スタッフのリモートでの仕事ぶり(奮闘ぶり?)を映し出せるライブカメラを仕掛ける(笑)というようなイメージ。
これって喩えてみると
高齢の一人暮らしの父親または母親に対する見守りサービスや行動観察、生存確認サービスみたいな感じだ。
IoT機器やセンサーを使って、薬飲んだか?冷暖房の利用状況は?トイレの回数は?何時に寝て何時に起きてるか?などがスマホで確認できるようにするようなスマートホーム。
これにならい、たとえば以下のようなもんだ。

①自宅の書斎(あれば)の片側壁面に55インチの薄型サイネージをはり、オフィスの様子やこちらの様子がリアルタイムに共有できるバーチャル隣の部屋オフィス。

➁仕事の時(コアタイム)にはVRゴーグルを装着してもらい、そうすると360度のオフォス空間が周囲に出現して自由に会話もできる。

高齢者やスタッフ側からすると『やめてくれ!』という気持ちかもしれないけど、監視社会中国が必ずしも悪い事ばかりではない…と考えてる筆者としては、まあ、面白いし、それで自宅ワークやカフェワークが可能になるなら良いと思ってる。セルフマネジメントできる人間だったら上司は要らなくて、個人コンサルタントとかフリーランスで生活できる。そこまではできないけど、手助けを受ければ高度な抽象ワークができる人。この集団をリモートで運営できれば、そこにビジネスチャンスが生まれる。

このしくみを、この2年くらいで開発して浸透させたいのだ。