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2021年9月青森秋田旅行4日目

飲みすぎたからか嫌な夢で目覚める。
嫌なことが起きるというより、羨ましいと思っていた友人たちに悪いことが起こる夢で、自分の心のどろどろとしたところを目の当たりにさせられているようで不快だった。

気を取り直して、秋田市内のモーニングをしているカフェに伺う。
私はパン中毒なので3日ほどパンを食べてないと脳内でパン警報が鳴るようになっている。

カフェは嫌な夢をすっかり忘れさせてくれるくらい素敵なところだった。

本がたくさんある空間と可愛らしいコーヒーカップ、クラシック音楽。
店員さんのユニフォームもお洒落だった。

最高の喫茶店を見つけて誇らしい気持ち。

その後千秋公園で散歩した。
Google Mapsで見た時から私の好きなタイプの公園だろうと思ったらやっぱり気に入った。

それにしても秋田の秋と思えないほどに暑かった。

前日に、出会った人みんなが優しいと書いた。
この日あった人も全員がお節介で優しかった。
みんな歓迎してくれて、困ったことがあると助けてくれた。
車掌さんや飲食店の方もシステマチックな接客じゃなく、最初から最後まで話を聞いた上で、これがベストだと思うというのを丁寧に教えてくれた。

東京にいて、仕事があって、ふらりと旅行に来られるくらい恵まれているのに、1年以上在宅勤務をして、人にもあまり会わないせいなのか、
人の優しさに触れる機会が減っている気がする。

それとも、幼い頃から両親に余裕がなくてあまり相手にされなかったせいか、
私には人は優しいものだという確信が薄く、疑ってしまうようなところがあるのかもしれない。

逆に私が他人に対して、距離を取ってしまうことも少なくない。

だけどこの旅行中あまりにも周りの人が優しく、はじめてのおつかい(昔流行った子供がお使いをする感動ドキュメント)のように、見守られている感じがして、私はいつも人に助けてもらってきたんだなとしみじみと思った。

秋田から角館に移動して寄った喫茶店のマスターは、常連のお客様に焼きそばを作るついでに自分の分も作って一緒に食べていた。
それを一見さんの私がコーヒーをすすりながら見ていた。
私がリラックスして過ごせているか見守っていてくれているのを感じた。

その前に入った和菓子屋さんでイートインしようとしたら、開口一番「イートインは抹茶と大福のセットしかなくて1650円もするのよ、高いでしょう?こんなに大きい栗の大福なんだけどどうかしら?平気?」と言われた。

決して相手の足元を見るような言い方でなく気持ちいいお母さんだった。
単品で1,000円を超える栗大福は私の握り拳より一回り小さいくらいの大きさで、今まで食べた大福の中で一番美味しかった。

秋田から角館に移動するこまちという新幹線で、指定席券を買っていなかったので自由席に座ろうとしたのに全車両がグリーン車か指定席で自由席がなかった。

仕方なしに指定席に座っていたら、車掌さんが切符の拝見に来て、自由席が見つからなかったことを言うと、全席指定席だけど地元の方の利用のために自由席料金でも切符を発券していること、
その場合指定席に座って構わないこと、今私が座っている席には誰も予約がないこと、でもこの先もしこの席を予約した人が乗ってきたら周りの席に移って欲しいということを最初から説明してくださった。

私はいつの間にかなんでも早いことがいいことだと思っていたし、情報は全部伝えればいいわけでなく、要約するのが親切さであり知性だと思っていたけど、最初から説明され、途中で結末が見えても、最後まで聞くことが温かい気持ちになるんだなとわかった。
せっかちな私がこんなふうに思えるのも少し大人になったと言うことなのかも知れない。

角館から田沢湖に移動して(なぜか私はこの田沢湖という名前が覚えられなくて田尻湖とか田代湖と言ってしまい、駅員さんたちを混乱させてしまった)、今日の宿玉川温泉に向かう。

本当は乳頭温泉に行きたかったのだけどどこも空いていなくて、比較的近くで空いていた玉川温泉にしたのだけど、前日のバーのマスター(1軒目の一番若くて元気な感じの方)に、「結構強烈なところですよ〜」と言われて、ちょっとドキドキしていた。
日本でも有数に酸が強い泉質で、そのため末期癌や皮膚病の方が湯治として訪れることもある場所らしい。

ドキドキしながら田沢湖を経由して玉川温泉に向かう。
玉川温泉旅館は大きい旅館で、長期滞在用の棟もあり、自炊のためのスペースや野菜が売っている売店もあった。
でも陰気な雰囲気は全くなく、ちょっとデイケアセンターみたいな年齢層だったけど、若い人も一人の人もたまにいた。

大事な温泉は、露天風呂はなかったが、大浴場が木造のロッジのような建物で広くて気持ちよかった!
酸性の強い源泉100%と50%の湯船があり、100%の源泉湯船は浸かりすぎると体が痛くなってくるということだった。
実際に100%の方の湯船に浸かっている方は数分で湯船から出ていた。

ドキドキしながら湯船に浸かったけど、ちょうどいい温度で、いくらでも疲れる心地よさだった…。
全然どこも痛くならず、かかとの硬い皮膚がボロボロに剥けただけ。
肩こりも腰痛も婦人科系の持病もあるのに!と思ったけど、玉川温泉もお墨付きの健康な体ということなんだと思う。

健康的な夕食をたっぷり食べて、民宿みたいな和室の布団でたっぷり眠った。

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