求人企業はホワイト訴求から脱しよう
職業選択もAIがダンドリしてくれる
自分でアレコレ検索しなくても、AIがマッチングして「アンタにはこれがオススメだよ」とお節介な情報をしてくれるんです。Amazonでのお買い物の話ではなく職業選択の話です。人材紹介エージェントも、求人サイトも、自分の希望さえ登録しておけば自分で探す必要がない時代がやってきました。
シンプルに登録して待つだけの仕事探し
求職者がネット上で入力する情報はとても明確です。希望する「職種」「勤務地」「勤務時間」「収入」「休日」、保有する「スキル・経験」「資格」。そこに「年齢」を入れる。どのサービスもだいたいそれだけですね。希望の条件にあった仕事(就職先・転職先)をあっという間にオススメしてきます。
企業はアピールする場で模索する
デジタルマッチングでの求人がどんどん進む時代、企業はより効果的な広報活動(宣伝)することに工夫をこらします。ただ単純に求人広告に募集要項とアピール情報を掲載するだけでは、優秀な人材が集まらない(魅力が伝わらない)時代になってきました。企業はこの時代にどう対応しているのか。
企業の空気アピールには素通り
たとえば商品広告で「こだわり品質」とアピっても、その空気のような情報に意味がないのは明らかです。でも求人では似たような広報のオンパレード。風通しのいい社風。高い技術。個性的な仲間。充実した制度。やりたいことにチャレンジできる…。見えない空気情報だらけです。
過剰なネガティブチェックで情報は無意味化する
ブラック企業だと思われたくない。口コミが気になる。炎上リスクのあるワードは避けたい。少しでも処遇がいいところを見せたい。と思うがあまりにメリットを感じさせる情報をスマートに伝える工夫をする。…だから、ダメなんです。月並みな発信しかできないんです。だから人が集まらんのです。
月並みな比較なら知名度有利
月並みな言葉の羅列であれば、なるべく条件のいい方に流れます。なるべく有名な方を選びます。アタリマエです。話は変わるけれど、行列のできる老舗ラーメン屋を思い浮かべるとわかる。出汁は烏骨鶏の鶏ガラと利尻の昆布、麺は十勝の小麦で…っていう細かすぎる理屈がファンを呼ぶんです。
解像度の高いストーリーを掘り下げる
職場の情報も同じです。働く人にどんな案件が舞い込んでくるのかを解像度高く見せることが大事。それがたとえ泥水をすすった苦労話でも構いません。そんな状況を一緒に楽しめる仲間を集めるための努力をするのです。そのストーリーに共感させることできれば、採用は必ずうまくいきます。
条件は不利でもあきらめず気骨の情報発信
仕事を紹介する仕事に就いて30年以上。たくさんの成功事例をみてきました。条件じゃない。人気度じゃない。規模じゃない。労働条件じゃない。給料じゃないんです。不人気業界の中小企業でも、仕事の見せ方です。しかもそれはピカピカの話じゃなくて、地味な日常の気骨を伝えることです。続く