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#530 1on1を強制してもいい時間にならない

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。

音声はこちら。

今日のテーマは「1on1を強制してもいい時間にならない」という話をしてみたいと思います。

昨日、ある会社さまで、経営者層のみなさんに向けて講演をしてきました。講演の前に、関係者のみなさまと、会社の実情など15分ほど雑談させていただきました。

その中で、1on1の話になりました。

1on1ミーティングとは?

ひょっとしたら、みなさんも耳にしたことがあるかもしれませんが、 1on1ミーティングとは、1対1で対話をすることです。いま、結構流行っていますよね?

この、流行りがいいのか悪いのか、最近、ちょっと疑問もあります。ただ単に、1on1をやればいいのか? そういうものでもないような感じがするんですよね。

昨日も、お話を伺っている中で、それが人事なのかどこからなのかはわからないのですが、会社から「1on1をやれと通達があった」ということなんです。つまり「上から」みたいな感じでしょうかね。

「1on1をやれ」というので、やろうとは思っているのだけれども、そもそも「1on1の目的」であるとか、「どのようにメンバーと関わったらいいのか」がわからぬまま、「1on1をすること」が目的化してしまっているそうなんです。

「これ、問題じゃないかと思うんですよね」っていうご意見を伺って、「おっしゃる通り、問題ですね」とお返事したんですけどね。

「形だけの1on1」の問題

何が問題なのかというと、目的が明確でないまま、ただの体裁で「1対1で話せ」「対話をせよ」と言われても、あまりいい時間にはなりませんよね?

たとえば、初回に「会社から1on1をやれと言われたので、やることになりました」みたいな伝え方をしたら、される側も嫌でしょうし、目的も知らされぬまま、1対1で話すのは、話を聞く側にとっても結構なストレスなんじゃないかなと思います。それは、時間的なストレスもあるでしょうし、「何を話したらいいのかわからない」といった、気持ち的なストレスもあるでしょう。

1on1を有効な時間にするためには目的やスキルが必要

1on1をちゃんと機能させるためには、目的を明確に伝えたり、多少のスキルを習得したりすることが必要です。

ここでいう「多少のスキル」とは、たとえば、傾聴のスキルとか、質問のスキルとか、フィードバックのスキルとか、挙げればいろいろありますが、少なからず、「どういう気持ちのありようで話を聞けばいいのか」みたいなことを学んでおくことが必要です。

そういったスキルがないまま、ただ「1対1で話しなさい」と言われても難しいし、有効な時間にならない。それならば、やらない方がいい……というのは乱暴かもしれませんが、あまり良い時間にならない可能性が高いです。

もし、1on1をやるんだとしたら、ある程度のスキルトレーニングをしたほうが絶対にいいです。簡単なものでいいと思うんですよね。傾聴の仕方とか、関わり方とか、あり方みたいなところ。

そうした基礎的なことを学んでから、実践したほうがいいんじゃないかと思います。

関わるなら、ちゃんと関わりたい

対話の時間は重要だと思います。ですが、流行りものがあると「そうか」と。「じゃあ、うちも取り入れよう」と、なりがちかなと思います。

ですが、目的も示さぬまま、ただ形だけで真似するのは、あまりいい時間にならないし、むしろ危険かもしれません。やるんだったら、ちゃんと関わっていきたいものだな~と思いました。

じゃあ、今日の話はこれで終わりにします。

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