#275 キャリア安全性・主体性を深堀る3ーロールモデルとなる先輩の存在
竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリア、デザイン、副業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった、あるいは参考になったら、フォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。
キャリア安全性・主体性を深掘りしています
いま、キャリア安全性・主体性についてお話をしています。ここでいう「キャリア安全性」とは、「この会社にいても、将来大丈夫だ」とか、「このまま働いていても、きっと社会に通用できる」という感覚じゃないかと思います。
今日は、僕が社会人になって、最初にキャリア安全性について考えたきっかけと、きっかけや経験値から、自分の未来を想像した時に「こういう未来だったら、大丈夫そうだ」って思えるために必要なことについて、お話をしたいと思います。
僕がキャリア安全性をはじめて考えたきっかけ
まず僕が、自身のキャリア安全性を考えた時、最初に「この会社にいても大丈夫なのか?」「将来、どこにいっても通用できるのか?」ということに対して、疑問を持った経験についてお話します。
それがね、「いつだったか?」というと、僕、結構早くて。
僕は18歳で社会人になったんですけど、日産の企業内高校を卒業して、最初、日産自動車に入社したんです。
日産の職場では、同じ仕事をする先輩方は、僕含めて5人のチームでした。その、先輩の年齢層がちょうどバラけていて、僕が18・19歳でしょ。すぐ上の先輩が25歳ぐらいで、その上の先輩が多分32、33ぐらい。その上の先輩が多分42、43ぐらい。その上の先輩が多分50代だったと思うんですけど、ちょうど年齢的にバラけている先輩と同じ職場だったんですよ。
で、その先輩の姿を見た時に、「僕の5年後はこんな感じ、10年後こんな感じで、20年後はこんな感じ。30年後はこんな感じだ」って思ったんですよね。まあ、身近にロールモデルがいたわけですが、そのときに、「僕の人生、これでいいのだろうか?」って思ったんですよね。先輩方には失礼かもしれませんが(笑)
でも、良し悪しは置いておいて、事実として、そう思ったんですよ。
そこで、僕は高卒だったこともあって、「もうちょっと、なんか力はつけた方がいいな」と思って、当時、日産自動車の中に「テクニカルカレッジ」という短大があったので、そこに入学する選択をしたんです。
このように、自分の未来を考えた時に「このままで大丈夫なのだろうか?」と思う。これが「キャリアの安全性がない状態」だと思います。
これを逆説的に捉えて、キャリア安全性を考えてみると、「こういう未来だったら、きっと大丈夫そうだ」と社員が思える状態というのが、会社の中に「キャリア安全性がある」ということだと思います。
キャリア安全性に必要なものはなにか?
このように考えた時、僕自身がそうだったように、キャリア安全性を高める要素の1つに「先輩の言動」や「先輩の仕事ぶり」というのが、あるのではないかと思います。
だけど、キャリア安全性を会社の中で高めていくために、「先輩の言動」として何が重要なのか? っていうと、これ自体が難しい問題ですよね。
先輩自体が「自身のキャリア」に悩んでいる
というのも、いま、40代~50代の先輩方は、20年ぐらい前に新入社員になっているわけですよね。その時代がどういう社会だったかというと、バブル崩壊した直後ぐらいです。就職氷河期が始まったぐらい。
その頃って、まだなんとなくバブルの空気もあったし、若い世代が教育を受けるのは、その上の世代の人たちから教育を受けるから、いわゆる、右肩上がりの時代の「みんな同じ考え」「同じ価値観」「一致団結」みたいな仕事のあり方や、価値観、働き方ですよね。
あとは、「生涯ひとつの会社でずっと働く」といった働き方が「正しい」と思っていた時代です。
そういた教育を受けて40代~50代になっているから、先輩自身も「今後、どうなっていくのかな」って思うと不安があると思うんですよね。
また、若い頃は言われていなかった「人生100年時代」なんて、急に言われるようになってきていて、「こうすれば、きっと自分の未来は大丈夫」と思っていた未来ではなくなってきています。
そう考えると、先輩世代も「今後、どうしていけばいいんだろう?」と悩んでいる……
つまり、ロールモデルとなりうる先輩自体も悩んでいるから、「どういう振る舞いをしたらいいのか?」というのは、多分わからないんじゃないかと思うんです。
人事の方もそうですよ。どんなに「これからは、キャリア安全性が大事だ」のように思ったとしても、「じゃあ、何をすればいいのか?」というのは、結構難しい課題だと思うんですよ。なぜなら、自身も経験がない、正解を持っていないわけだから。
先輩も不安な中で、会社のキャリア安全性を高めるためには?
そういった状況の中で、若い世代が「先輩のようになりたい!」まで行かなくてもいいとは思いますが、なんだかんだ言って、先輩の影響ってあると思います。「あんな風になりたい」「ああいう形だったら、確かに社会に出ても通用しそうだな」みたいな。「ここの会社にいても大丈夫だ」と思えるみたいな。
そういった、先輩の言動とか、いわゆるロールモデルの存在というのは、おそらく、若い社員に大きな影響を与えると思います。
会社の中で、キャリア安全性を高めていく要素の1つとしては、「社内で活躍している」人や、「社外との接点や交流がある人」、「話をしていると成長できると思える先輩の存在」とか、「あの先輩に相談すると、社外の人との繋いでもらえる」とか、そういった先輩の存在は、キャリア安全性を高める上で、結構重要じゃないか、と思いますよね。
実は僕も、よく……よくってほどでもありませんが、「キャリアの相談に乗ってください」と言われることがあります。「こういう風なことが不安なんですよね」っていう、若い社員の不安を聞いて「確かに不安だよね」と話を聞きながら、質問には答えたり。
あとは、相談者が取り組もうと思っていることにたいして、「客観的に見ると、こんなふうに見えるよ」「そういう行動をとっていくと、将来こんな風な接点とか形になっていくんじゃないかな?」とフィードバックしたり。
なので、会社の中でキャリア安全性を高めていくためには、社内の先輩の言動や、ロールモデルとなりうる先輩の存在が重要な1つ要素なんじゃないかと思います。
ということで、今日は会社の、キャリア安全性を高めるためにはどうすればいいか?ということで、先輩の言動という話をしてみました。明日も引き続き、キャリア安全性を高めていくために必要なことについてお話をしてみたいと思います。
じゃあ、今日の話はこれで終わります。じゃあね、バイバ~イ!
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