#278 キャリア安全性・主体性を深堀る6ー「3つの資本」で考えてみる
竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点で、ゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった。あるいは参考になったらフォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。
キャリア安全性・主体性について深掘りしています
いまですね。キャリア安全性・主体性を深掘りする、というお話をしてます。
これまでは、思いつきベースで、キャリア安全性についてお話してきました。
キャリア安全性とは、「将来きっと、このまま行っても大丈夫!」とか、「この環境にいてもやっていける! 成長できる!」と思えるような状況が、キャリア安全性だと思っています。それは自分で構築していく場合もあると思います。
加えて、個人で身につけるのも大事だけど、これからは会社としても、社員のみなさんを育てていくことも、大事なのではないかと思っています。
そこで、会社として、社員のキャリア安全性・主体性を高めていくために、どんなことをしていけばいいのか? という観点でお話ししています。
これまでのお話
これまでは、「社員を個人事業主化する」とか、「ロールモデルとなる先輩の存在」とかについて、僕の経験値に基づき、思いつきでお話してきました。
ですが、「もうちょっと体系的にまとめて、お話してみたいな」という気もしてます。
人が幸福になるための「3つの資本」
人が幸福になるためには、「3つの資本があるといい」みたいな話があります。
ここでいう「3つの資本」とは、人的資本、金融資本、社会資本の3つです。
1つ目の「人的資本」とは、「個人が持つスキル」とか、「知識」とか、「経験」とか、「教育」といったものですね。
2つ目の「金融資本」とは、個人が持つ「お金」をはじめとした金融的な財産、資源のことです。
3つ目の「社会資本」とは、「人とのつながり」とか、「人的なネットワーク」「信頼関係」「協力関係」といったものになるんだろうと思います。
「3つの資本」があると、確かに……
確かに、「人的資本」「金融資本」「社会資本」があると、「これだったら、オレ、やっていけるかもしれない」「いろいろあるけど、将来、何とかなるかもしれない」「きっと、成長していけるかも」って、まぁ、思えるんじゃないかな、とは思いますよね。
いままで話してきた「個人事業主化する」は、ある程度、自分で「稼ぐ力をつける」というのもあるでしょうし、「会社に依存せずに」という観点で言うと、個人事業主化はスキルの部分もあるので、人的資本にも関わってきそうです。
次の「ロールモデルとなる先輩の存在」や、「社内外の接点」については、社内だったら「先輩みたいになれば、きっと大丈夫だって思えたら、キャリア安全性は高まるでしょうし、さらに幅を広げて、社外の人との関係が広い人ほど、きっと「将来も大丈夫!」って思えると思います。これは、社会資本になるんでしょうね。
社内外を含めた関係性やネットワーク、また、「ああいう先輩みたいになれたら、自分は将来大丈夫!」って思えるか否かは、社会資本におけるキャリア安全性でしょう。
そう考えてみると、キャリア安全性を「人的資本」「金融資本」「社会資本」の3つで考えてみるのは、体系的にまとまる感じがします。また、企業の中で「何をするか?」を考えるにあたって有効な手段なんじゃないかと思います。
キャリア安全性を高めるために「手段」よりも「目的」から考える
つまり、キャリア安全性・主体性を高める上で、さきほどの「個人事業主化」といった手段を考えるのも、「複業」を制度化するのも、いろんな「スキルを身につける」のもいいんですけど、それが「何のために必要なのか?」を、ある程度体系立てて理解をする。
あるいは、会社として「この施策は、このためにやってるんだ」ということをひもづけて、視点を高くして、イメージを持ちながら取り組むうえでは、3つの資本を意識してみるのは、案外重要かもしれなくて。
なぜならば、僕がこれまで話してきた、「個人事業主化」とか、「ロールモデルとなる先輩の存在」とか、「世界を広げる社内外の接点」とかは、どちらかというと手段ベースの話だったので。
体系的に、「この手段をやると、人的資本が増える」とか、「この手段をやると、金融資本が増えそうだ」とか、「この手段をやると、社会資本が増えて、人とのつながりが増えそうだ」とか、案外、このような構造的、体系的な視点というんでしょうかね。
そのような、一つ上の視点でとらえることで、社員のキャリア安全性を考える上でも、会社の中でさまざまな取り組みをしていく上でも、重要かもしれないなと思いました。
リスキリングは、3つの資本の中のどれか?
そういう視点に立ってみると、たとえば、いま話題になっているリスキリング。これも、キャリア安全性・主体性を高めるために行われていますが、リスキリングが、人的資本を高めるのか、金融資本を高めるのか、社会資本を高めるのか……でいったら、人的資本の部分になりますよね。
確かに、人的資本を身につけることもすごく重要だとは思います。たとえば、「個人事業主化」の話をしたとき、個人事業主になると、自分でお金の管理をしたり、請求書や領収書を発行したりすることになりますが、これは、お金に関するスキルの部分です。
なので、キャリア安全性を高めるためには、人的資本を増やすこと重要ではあります。
しかし、単にスキルを身につけたところで、未来のキャリア安全性を考えたときには、人とのつながりがなければ、安全とはいいにくいですよね。それは、僕の経験からしてもそうです。さまざまな人との関係性の中で、安心感や主体性は育まれているものだと思います。
このように考えてみると、キャリア安全性・主体性を3つの資本から考えみると、「いま何が必要なのか」が見えてきそうです。
逆に、3つの資本だけだと、抽象度の高い話ばかりで、「まぁ、それは分かるけれど……」となってしまうこともあるかもしれないので、具体的なところについては、僕の経験値も含めて「こういうことを取り組んだら、こういう結果が得られた」ということをお伝えしていくと、いま、企業の中で何を取り組むべきか? ということが見えてくるような気がしました。
というわけで、これからは、キャリア安全性・主体性を深掘りする上で、3つの資本に当てはめながら考えてみたいと思います。
今日の話はこれで終わりにしたいと思います。じゃあね、バイバ~イ!