#299 キャリア安全性・主体性を深堀る27ー金融資本と複業の関係
竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織づくり、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点で、ゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった。あるいは参考になったらフォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。
キャリア安全性・主体性について話をしています
いまですね、キャリア安全性・主体性についてお話をしております。「人的資本」「金融資本」「社会資本」という3つの資本でお話をしてきました。
これまでは、人的資本と社会資本の観点でお話ししてきました。
なぜ、金融資本についてお話をしてこなかったか? というと、金融資本というのは、いわゆる「金銭的な資本」ですよね?
キャリア安全性・主体性の話をする上で、僕がすごく意識をして話しているのは、「企業が」「社員のみなさんに対して」「どんな関わりができるか」という観点です。
その観点からすると、金融資本については、個人だったら「資産の増やし方」といった情報が役立つかもしれません。ですが、「企業が」「社員のみなさんに対して」と思った時、個人の金融資本を増やすためにできることは、あまりなさそうだな……って思ってたんですよね。
なので、金融資本についてはあまりお話してこなかったんです。
ですが、今日は「金融資本について、1つ話すことがあったな」と思ったんです。そこで今日は、キャリア安全性・主体性の観点で、「企業人のための金融資本」についてお話をしたいと思います。
よく考えたら「キャリア安全性と金融資本の関係」は大きい
キャリア安全性・主体性に関する金融資本について、「お話をしよう」と思った理由は単純です。
実は数日前に、ふと「キャリア安全性・主体性を高めるために、もっとも重要な事って何かな?」って思ったんです。キャリア安全性とは「きっと、将来大丈夫だと思えること」としたとき、それを「自分ごと」として捉えたら、「僕にとって、将来もこのまま歩んでいけばきっと大丈夫だ」と思えることの大きな要素として、「複数の収入源がある」ということが、最初に浮かんできたんですよね。
そう思ったとき、「そうそう、キャリア安全性を高める上で、やっぱり、金融資本……つまり、お金に関することは重要だよな」と思ったんですよ。
「複数の収入減がある」ことで得られる安心感
というのも、僕は複数の収入源があるんですよね。
しごとのみらいを経営することによって得ている役員報酬
サイボウズで複業することによる給与
個人事業主で得ている収入
僕、起業した時に個人事業主から始めているんですけど、個人事業主の屋号もあるから、しごとのみらいの業務ではない。でも、サイボウズの業務でもない……といったときに、「個人事業主で関わっておこう」みたいな感じで、収入源を上げると3つあるんです。
それぞれに対する顧客というのは全然違うし、自分自身の関わり方も全然違うので、どれがいいとか、悪いとかは全然ありません。
ただ、明らかに、僕が「将来もきっと大丈夫だ」と思える大きな1つの要素として、やっぱり「複数の収入源がある」というのは、結構大きなことだなって思ったんですよ。
「複数の仕事がある」ではない「本当の複業」とは?
この「複数の収入源がある」を考えたとき、よくフリーランスのかたが「複業しています」みたいな言い方をする時もあると思うんですよね。
フリーランスの方にとっての「複数の収入源」って。「顧客が複数いる」かもしれません。あるいは、「働き方が複数ある」かもしれません。
でも、「収入源」という意味で言えば、1つだと思うんですよね。個人事業主として得られる収入1つだと思うんです。
ですが、僕の場合、経営しているしごとのみらいの収入と、サイボウズではたらく企業人としての収入は、そこは絶対被りようがないんですよね。
だから、仮にどちらかがこけても、もう片方のほうで「とりあえずなんとかなる」みたいな安心感があるわけです。
なので、企業人が「複数の収入源がある」というキャリア安全性を高める上では、「異なる複数の収入源がある」ということが、結構「重要なポイントなんじゃないかな?」と思ったんです。
社員が「複数の収入減がある」環境を、企業はどうつくるか?
この「複数の収入源がある」という環境をつくる上で、企業はなにを取り組めばいいのか?……ここには、まだ多くの課題があると思っています。
たとえば、会社の中で「複業OK」にしたところで、そんなにすぐに収入を得られる人ばかりではありません。だって、収入を得ることって難しいもん。自分で、ゼロから立ち上げるのはホント難しい。少なくとも、僕は難しかった……。
会社に所属してみたいな働き方もちろんあると思います。そういった働き方は可能かもしれませんが、そういう環境を作るのも、そんなに簡単ではないと思うんですよね。
ですが、企業として、社員のみなさんの「キャリア安全性を高める」という目的を持った上で、複業を推進するみたいにしていくことは、社員のみなさんの「キャリア安全性を高める」という意味では重要なことだと思うし、それは企業にとっても相当メリットがあると思うんですよ。
これ以上話すとちょっとまた長くなりそうなので明日にしますが、キャリア安全性・主体性を高める上に上で金融資本を高める。その上で、収入源を複数にするのは大事なポイントだし、企業がここを支援できたらいいと思うので、これの続きについては、また明日、お話したいと思います。
じゃあ、今日の話はこれで終わりにします。じゃあね。バイバ~イ!