#84 複業人材を受け入れる企業・団体が知っておきたい「報酬・契約形態」
竹内義晴です。この番組は組織づくりやコミュニケーション、キャリアデザインなどの人材育成、複業やテレワーク、多拠点ワークといった「これからの働き方」についてゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった、あるいは参考になったらフォロー、コメントなどいただけると嬉しいです。
今日は6月23日、金曜日ですね。はい、今週も1週間お疲れ様でございました!
複業人材を受け入れる企業が知っておきたい報酬・契約形態
いまですね、「複業人材を受け入れようとする企業が、何をすればいいのか」ということについてお話をしています。
昨日と一昨日は、ボクが「複業する側」としての契約形態についてお話をしてきました。最初は業務委託契約で働き始めて、その後に社員になれるかどうかを確認して、社員という契約形態、雇用形態に変えたという話でしたね。
今日はですね、複業人材を受け入れる企業とか団体が、複業人材を受け入れる際に、どのような形態があるのかということについてお話をしていきたいと思います。
複業人材を受け入れる際の「報酬形態」と「契約形態」
まずですね、企業や団体が複業人材を受け入れる際、考える形態は、大きく分けると2つあるんです。
1つ目は「報酬形態」。2つ目が「契約形態」。複業人材を受け入れる企業が、最初に考えることとして、「報酬」と「契約」の形態があるということを、まずお話しします。
3つの「報酬形態」
「報酬形態」について、何があるかと言ったら、大きく分けると3つあります。
1つ目が「お金で支払う」という報酬の形態ですね。
2つ目が「現物で支払う」というか、現物を提供するという方法。
たとえば、現物っていうのは何かって言ったら、宿泊施設を経営されているところだったら、宿泊施設の業務を手伝ってもらう代わりに、「宿泊できる権利を与える」とかですね。
あとは、野菜を作っている会社さんだったら、「野菜を提供する」とか。そういう感じです。
3つ目が「なし」。なしっていうのは、いわゆるボランティアのような形です。
この3つが、報酬による形態の違いです。
3つの「契約形態」
報酬の次に、「契約形態」の違いがあります。契約の形態の違いは、大きく分けると3つあります。
1つ目は「雇用契約」。いわゆる、正社員とか、パートとか、アルバイトとか、非正規の社員とか、そういう感じの雇用契約。
2つ目が「業務委託」。業務委託というのは、「こういう業務をしてください」とお願いする契約です。
具体的な進め方は、基本的に働く人に任せるのが業務委託。
3つ目が「プロボノ」。プロボノっていうのは、業務をやってもらうけれども、対価がお金ではなく、経験が価値。その代わりにお金が発生しない関わり方だと思ってもらえるといいのかなと思います。
まとめると……
複業を受け入れる側には、
報酬形態:「お金」「現物」「なし」
契約形態:「雇用」「業務委託」「プロボノ」
これらの違いを考える必要があるということですね。ここまでいいですかね。
複業人材を受け入れる企業の「大切なポイント」
ここからが大切なポイントです。
実際に仕事をしていただく上で、いろんな関わり方はあると思うんですよ。「お金」で支払うとか、「現物」で支払うとか、「なし」みたいなものもあるとは思うんです。
ただ、「働く」っていう、労働の代価というものは、ボクはきちんとお支払いした方がいいのではないかなと思っています。金銭で。もちろん現物でもいいと思います。でも、長く関係性を構築するという意味では、「お金で支払う」ことを前提にしておくとよいでしょう。
報酬が「お金」の場合の選択肢
報酬形態を「お金」としたとき、契約形態は大きく分けると「雇用契約」か「業務委託契約」の2つで捉えていいかなと思います。
では、雇用契約と業務委託契約のどちらを選ぶかといった観点に立ったとき、もっとも手っ取り早く、あまり難しく考えないのであれば「業務委託契約」が一択です。
なぜならば、業務委託契約は業務に対して……たとえば、情報発信という業務をお願いしたいと思うんだったら「このホームページの、あるいはSNSの発信をお願いします」。本当はもうちょっと具体的にした方がいいと思いますけど、極端な話、それだけでいいっちゃあいいんですよ。
業務内容を具体的にする
ここで、「もうちょっと具体的にした方がいい」というのは……
たとえば、業務としてお互いが「これだけやりましょうね」というを認識を合わせるためには、「1ヶ月に〇〇を何本」とか、そういった、具体的な数字で認識を合わせた方がいいと思います。
業務委託契約の場合、そこに雇用は発生しないので、労働条件とか細かな制約はありません。また、雇用契約すると、雇用をやめるみたいなことが発生したときに、いろんな制約があるじゃないですか。一方、業務委託の場合は、業務が終われば終了というような形になるので、複業人材の受け入れを始めるんだったら、もっとも簡単なのは業務委託なのではないかと思います。
また、業務委託契約の場合、最初の一定期間(3か月など)は、業務委託にしておいて、その後、「もうちょっと一緒に仕事がしたいな」みたいな形になれば、業務委託契約を更新すればいいし、柔軟に対応していけばいいと思います。
そういう意味も含めて、もし、企業側が複業人材を受け入れようとするなら、まずは、業務委託がいいのではないかなと思います。実際、ボクもサイボウズで複業をし始めたとき、最初は業務委託契約でした。
もっとも、ボクが複業をはじめた2017年は、まだ、複業という働き方自体が全然メジャーじゃなくて、どういうふうに働けばいいのか、ボクも分かっていなかったところもありました。そのような中で、もっとも早く仕事を、業務を優先するんだったら「業務委託がいいのかな」と思ったので、業務委託契約から始めたという経緯があります。
というわけで、今日は「複業人材を受け入れる企業が、どんな契約形態で始めたらいい」のか、についてお話をいたしました。
週末ですね。1週間お疲れ様でした! 週末、どうぞゆっくりお休みください!
では、今日の話はこれで終わります。バイバイ!