紙派の本好きが半年間Kindleで(いまさら)漫画を読んでみた


どうも、頑固ものです。


「漫画は見開きの衝撃ですわ」「ページめくったときのひと呼吸がないとね」と電子書籍の漫画に懐疑的だった僕が実際に半年間使用してみた結果をいまさらながらまとめてみます。

まず、簡潔に結論をいえば「最高」 です。

購入の挫折と漫画離れ

そもそもの話、Kindleデビューするまでの僕は「漫画離れ」の状態でした。

漫画大好きだったけど、引っ越しして漫画を整理しちゃった結果、何巻まで読んだかわからない。だから続きが買えない。

集めるかわからないし新しい漫画の一巻ばかりが本棚にあってもなあと躊躇してしまい、新作の発掘ができない。

そんなこんなで漫画から離れてしまっていた。

けどよく考えると、実は漫画以外の本はめっちゃ買ってる。

ということは、買わなくなったのは漫画だけだなと気づいて、理由を考えるといくつかに限定されるんじゃないかなと思いました。

①新刊が追いきれなくなる
②前巻の内容忘れる
③手元に置いておきたいかどうかという物理的なハードルで購入を考えるようになった
④打ちきりだとか中途半端な完結を恐れる

こんなところでしょうか。

わりとこうなってしまう理由は「人気が出たら長長期化、人気が出なければすぐ終了」という漫画の性質によるものだと思っていますが、そのへんには今回は深入りしません。

【持ってる端末でKindleデビュー】

そんな僕が思いきって漫画読もうと思えたのは、 「電子書籍ってタブレットとか専用端末なくてもスマホとかパソコンでじゅうぶん漫画読める」といまさら教えてもらったからでした。たぶんみんな当たり前に知ってるだろうし、僕も知ってたはずなんだけど、改めて教えてもらえたことが「漫画読みてえなあ」というタイミングとうまく重なって、重い腰をあげる気になったという。そんなこんなでKindleデビュー。

そうして2019年の1月から、月に5冊を絶対に買うというルールで漫画をKindleで購入しはじめたわけなんだけども、電子書籍での読者体験が、漫画離れを引き起こした問題を解決してくれました。

①新刊が追いきれなくなる
→通知など情報が入ってくる。しかも何巻まで買ってるのかを把握している必要がなくなった。

②前巻の内容忘れる
→すぐ読み返せる

③手元に置いておきたいかどうかという物理的なハードルで購入を考えるようになった
→手元に置かない。気になったらすぐ買える。

④打ちきりだとか中途半端な完結を恐れる
→手元に置かないので、案外割りきれる。

当たり前といえば当たり前なんですが、いつでもどの端末でも購入してきた作品が読めるというのはものすごく便利。電車乗るならスマホにダウンロードしておけばいいし、家にいるならでかいパソコンで見ればいい。買わなくなってしまった、という問題はどうやら解決できそうな気がします。

あと価格は紙と一律の印象がありましたが、ちょっと安い作品もちょこちょこあってお得だなと感じます。

【見開きの衝撃はどこへいくのか?】

で、あと大事なのは読み心地。

状況におうじて違う端末で見ればよいという話をしましたが、実際にはどの端末で読んでるかといえば、7割スマホです。体感ですけどね。 

パソコンだと見開きは見開きで再現されるし、ページめくりもちゃんとあります。が、結局スマホで見ちゃってるというのが実態です。

目が悪くなるとかはありそうですが、おそらく漫画と自分との距離感が紙の本に近いのがスマホの読み心地がよい理由なんじゃないかなと。

案外抵抗なく楽しく漫画を読んでいる自分に驚いています。購入のハードルも下がりましたから、月に5冊楽しんで買い続けている。

ただ、流し読みになってしまったり、見開き演出の効果を感じきれないんじゃなかといえば、正直否定できないところもあります。

本屋さんで好きな漫画の新刊を発見して大事に読む感覚はやっぱり代えがたいものでもあります。

せめてささっと読みにならないように、演出が気になったらパソコンで読み直す。気に入った作品は時間をあけて二回は読むようにする。など別途、読み込むようにしています。思い付いた空き時間にスマホひとつでできるので、読み返し性能は紙よりはるかに高いですね。

【紙の漫画は死ぬのか】

じゃあ紙の漫画はもうなくなるのか。それはわかりません。

が、少なくとも「もう紙で読むことはないだろうな」と僕は思いませんでした。

またそのうちアップするかもしれませんが半年間漫画を買ってみて一番好きだった、にくまん子『恋煮込み愛つゆだく大盛』という作品があります。

僕は、この作品がとても好きになったので、Kindleで買ったあと、紙で買い直してます。

本当に好きなものを自分の近くに置いておきたいというコレクター精神なのかもしれませんが、スマホで所有しているという感覚と大切な一冊が本棚にあるという感覚は、違うものだと僕は感じました。読み返すタイミングも結構違う。

あと、漫画離れ期にも唯一読んでいた高橋那津子『昴とスーさん』と宮崎夏次系作品については、今後も紙で買っていくつもりでいる。

・新しい作品
・長くなりそうな作品
・単純に楽しく読みたい作品
は電子書籍で。

・大切な作品
・信用している作品
・過去の名作
・仕様が凝ってる作品
などは紙の本で。

みたいな買い分けになっていくような気がします。

紙か電子書籍かは、極端な話でいえば日常的な読書体験なのか作品観賞なのかみたいな違いなのかなと思いました。

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