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医師のための読書不案内

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なにしろ不案内なもので
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2022年3月の記事一覧

【誤嚥性肺炎の主治医力】吉松由貴

ジェネラリスト必読のスゴ本感動して泣いた医学書はこれが2冊目である(ちなみに1冊目は、佐藤健太先生の『慢性臓器障害の診かた・考えかた』)。「はじめに」と「目次」だけで圧倒された。卒後10年目という若手で、呼吸器内科専門医の先生が、こんなに熱くジェネラルに誤嚥性肺炎の診療をしているなんて・・。弟子入りしたい。 主治医がいかに多職種と協働できるか、患者さんや家族の物語に目を向けられるかで、その後の人生が大きく変わってくる(患者さんの人生という意味もあるし、医師人生という意味もあ

#15 誤嚥性肺炎の主治医力|吉松 由貴

吉松先生のAspiration〈熱望〉がこもった渾身の一冊大病院の呼吸器内科専門医が、誤嚥性肺炎の主治医だと…… 若干の違和感も持ちながら読み進めたのですが、とんでもなく良書でした。 誤嚥性肺炎には総合診療のエッセンスが詰まっている、という認識ではいましたが、これまでの診療の取りこぼしの多さを突きつけられてムセました。 多彩なエキスパートへのインタビュー記事もかなり読み応えがあります。 10万部くらい売れてください。

【大切な人を亡くしたあなたに知っておいてほしい5つのこと】井手敏郎

哀しみを一人で抱え込んでいる人に対話形式で進んでいき、グリーフサロンに参加しているような気持ちで読むことができます。病院に行くほどではないけれど、日常生活のなかで身の置き所がない感覚をもっている方には、自分の心や身体と丁寧に向き合えるような居場所や仲間が必要です。 割れた陶磁器を修復する『金継ぎ』のように、傷を愛でてその人の一部にしていくサポートが、グリーフケアなのだと学びました。