「日本酒への扉」が開くかも・・・2021年9月10日
おはようございます。自称「広島の酒を応援する女」神垣です。
読んでから飲むか、飲んでから読むか・・・
今日、紹介するのは
広島県三原市にある酒蔵「酔心(すいしん)」の銘柄で知られる
山根本店の歴史をたどった
『三原唯一の酒蔵「醉心」から届いた手紙』です。
三原と言えば
今でこそ、タコの特産地として知られますが
港町であり、城下町。
2月には伝統的なだるま市としてにぎわう
神明市(しんめいいち)があり
現代においては三菱重工や帝人の拠点として企業城下町でもあった地。
存在や知名度は
観光地として有名な尾道に押され気味ですが
非常に“掘り起こし”甲斐のあるところなのです。
その三原に現在残る唯一の酒蔵が山根本店で
現社長で本書の著者である山根雄一氏は六代目の蔵元。
日本酒に興味がないというかたも
「マーケティング」「事業承継」という観点で
読むと興味深いと思います。
国内の日本酒市場が縮小する中
海外に活路を見出すべく、
蔵元の海外進出はすでに始まっています。
でも、国内で売れないから海外へ販路を変えても
消して成功しない理由が、本書で述べられています。
本書を読んで、改めて
「地酒=文化」の意味をかみしめました。
地酒を知ることは、その地の歴史、文化を知ること。
その上で味わう地酒は、また格別です。
コロナ禍で、全国の酒蔵、
それに関わる酒米農家、酒販店、料飲店が厳しい状況に
置かれています。
でも、だからこそ
地元の日本酒に目を向け、歴史や味を知る機会に
してもらえたら、と一日本酒ファンとして思います。
これからの季節、ぬる燗にしたお酒が味わい深くなります。
幸い日本酒は、冷酒でも、常温でも、温めても楽しめるお酒です。
うんちくとか、知名度とかは、脇に置いといて
地元のお酒で気に入った味の銘柄を探してみてください。
そこから「日本酒への扉」が開きます。
そのきっかけにしてほしい一冊。
日本画家・横山大観が愛した三原の日本酒「酔心」は
当初は「よいごころ」という酒銘とは
本書を読むまで知りませんでした。
「よいごころ」という言葉
好きだなぁ。
仕事をしてない時間は、ずっと酔っていたい
(そうでもしないとやってられない!)
と成人になってからずっ~と思ってます。
ちょっと酔って、現実を忘れて、また素面に戻って現実を生きる
というサイクルがいいのかも。
(2021年9月10日 VOL.3869 配信 メールマガジン あとがきより)