制限されるから自由になれる:詩吟における「引き算の美学」とは?
こんにちは、heyheyです。今日は、詩吟における「引き算の美学」というテーマに着目してお話ししたいと思います。
落語から学ぶ制限の意味
「あかね噺」ってマンガ知っていますか?
落語を題材にしたマンガで、僕が今愛読しているものの一つです。めちゃくちゃ面白いです!!
その中の最近の話で、落語家が正座をする理由について興味深い解説がありました。いわく「落語家が正座をするのは、下半身を不自由にするため」なのだそうです。
下半身を制限することで、使えるのは上半身だけになります。そのため、上半身だけでいかに面白く、相手の心に刺さるように話を伝えるかを考えることになるんです。
つまり、制限があるからこそ、残された部分でより自由な発想ができるというわけです。これは「引き算の美学」とも呼ばれています。
詩吟における制限と自由
この考え方は、詩吟にも当てはまります。詩吟における制限には、主に以下の2つがあります:
吟じる時の姿勢
技巧の制限
1. 吟じる時の姿勢
詩吟を吟じる時、基本的に直立不動の姿勢を保ちます。体や顔もなるべく動かさず、朗々と吟じるのが良いとされています(流派によっては違うかもしれませんが)。
この姿勢の制限によって、逆に吟じることに集中せざるを得なくなります。体を自由に動かせないからこそ、声に対する集中力、表現力が高まるんです。
2. 技巧の制限
私は最近、先生から技巧を制限するよう何度も何度も指導されています。
ビブラートやしゃくり、過度の緩急や強弱などを控えめにし、よりシンプルな吟詠を心がけるようにと口酸っぱく言われています。
これは一見、表現の幅を狭めているように思えますが、実はそうではありません。技巧を制限することで、詩吟の本質的な部分により集中できるようになるんです。
引き算の美学を実践する
詩吟の基本的な要素である発音、発声、アクセント、音程をしっかりと作り込んだ上で、だからこそ、必要最小限の技巧を加えるだけで十分になるのでしょう。
これは「引き算の美学」そのものです。余計なものを削ぎ落とし、本質的なものだけを残すことで、かえって相手に伝わる、感動を呼ぶ吟詠になるんです。
表現方法においても、沢山加えるのではなく、一つ二つに絞る。それ以外は行わないからこそ、技巧に対する集中力が高まるし、表現の奥行きも鍛えられていくのでしょう。
実践への道のり
もちろん、これを実践するのは簡単ではありません。私自身、まだまだ無意識的に体が動いてしまったり、余計な技巧をたくさん入れたくなったりしてしまいます(本当に…)。
でも、この「制限されるから自由になれる」という「引き算の美学」を意識し続けることで、より本質的で心に響く詩吟ができるようになるはずです。
一緒にコツコツ頑張っていきましょう!
まとめ
制限は創造性を高める可能性がある
詩吟における主な制限は姿勢と技巧
姿勢の制限により、声への集中力が高まる
技巧を制限することで、表現力が高まり、奥行きが生まれる
心に響く吟詠には「引き算の美学」を意識しよう!
今回の内容は以下のYouTubeからでも聴けます。
後半では実際に私が日替わりで漢詩を選んで吟じているので、良ければチャンネル登録お願いします♪
本日は以上となります。
今後も一緒に、コツコツと吟道を歩んでいきましょう!