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【業界初】詩吟をDTM音源にすることの難しさと面白さ

実は最近、詩吟で新しいことを始めています。
それは「詩吟をDTM音源」にアレンジすることです。

Web3業界の縁でつながった「Senju DAO」というコミュニティに入ったことで、この企画が始まりました。

自信をもって「業界初」といえる取組みですが、業界初ゆえに完全に手探りで行っています。

吟じる対象は、日本人の多くが知っている「百人一首」。
そこから有名なものをピックアップして、DTM用にアレンジして吟じるというもの。

作った音源は、作曲家の方々にフリーで提供して、自由に曲を作って頂く流れになっています。

企画自体がまだ駆け出しで、実際にどのような音楽が仕上がるのか分かりませんが、今回は「収録する立場」から感じたことを記録します。


難しさ①:リズムに合わせて吟じるということ

音楽をリズムに合わせるのなんて言うまでもなく当たり前のことでしょう。

しかし「詩吟をリズムに合わせる」のは恐ろしく異常なことです(笑)

他の伝統芸能に共通することですが、詩吟は「間合い」で進行します。

一定のリズムではなく、吟の流れや表現、息づかいから適切な「間合い」を考えて、吟じるのです。これを崩すことが恐ろしく大変でした。

スマホにメトロノームアプリを入れて、運転中ずっと流しながら、頭の中で組み立てていきます。

詩文の読みのリズム、節長の音の動きのリズム、これらをメトロームを聞きながら組み立てていきます。

最初は僕自身も違和感しかありませんでしたが、延々とメトロノームを流しているうちに、少しずつ詩吟を崩していくことができました。

しかし、リズムに合わせるだけでは不完全で、「拍子に合わせる」のも忘れてはいけません。僕は途中まで完全に忘れていました(笑)

リズムと拍子に合わせてアレンジをする。それも格好悪くないようにアレンジする。これが最初の大きな壁でした。

難しさ②:正確な音程とリズムで吟じる

正確な音程とリズムで歌うのなんて当たり前と思うでしょう。

それはそうなんですが、詩吟の大会でリズムを求められることは皆無ですし、音程に関しても1/4音レベルでズレていなければ問題ないとされていました。

しかしDTM音源にする場合は違います。

作られた音源は他の楽曲と合わせられたり、音程を変えて和音にされたり、めちゃくちゃに加工されます(多分)。

その時に僅かでも音程が悪ければ、あっという間に不協和音になってしまいます。

僕もゴスペルをやっていたからわかるのですが、一声だと気にならなかったとしても、三声になるとちょっとした音のズレでも気になるものです。

だから、収録する際は何度も何度も撮り直して、音程とリズムの正確さにひたすら気を配りました。

多分まだまだですが、今後製作していく上で、もっと「音程とリズムが正確な詩吟」を練習する必要がありそうです(こんな練習しているのは世界でも僕だけでしょう笑)

難しさ③:正確さと情緒さを両立させる

難しさの3つ目は、リズムや音程の正確さと、詩吟本来の情緒さ(詩情表現)を両立させることです。

リズムと音程に意識がいくと、それこそ機械になった気持ちで吟じることになります。しかしそれでは無機質な吟になってしまうだけ。人の心には何も響きません。

詩文(今回は百人一首の和歌)が持っている奥ゆかしさや美しさ、情景などを表現できなくては、詩吟をやる意味がありません。

ですが、詩情表現は本来「緩急強弱や間合い」を駆使して表現するものです。

これと「正確なリズム」を両立させるのが本当に難しかった……。
詩情表現するための武器の半分を失った形で表現するようなものだからです。

とはいえ、最初から詩情表現を意識すると完全にリズムから崩れてしまうので、まずはリズムと音程、次に詩情表現という順番で組み立てていきました。

吟自体は1分もない短いものなのですが、20テイクはゆうに超えました。
収録って大変ですね涙。

面白さ:詩吟が(良い意味で)音楽の世界に溶け出していると感じる

難しいことは多々あれど、やはりやる価値は大きいと感じます。

三味線や尺八などの和楽器は今風の音楽に合わせることはできますが、詩吟はそうはいきません。クセが強すぎるんです。。。

それゆえに詩吟は、音楽という大海原にポツンと孤立していたのですが、DTM音源としてアレンジしていく過程で、ようやく凝り固まった角が取れてきたように感じます。周囲との境界が少しだけ曖昧になって、混ざりやすくなった気がします。

詩吟のDTM音源からどのような曲が作られるのかまだ想像つきませんが、この過程全てが、新しい吟道を作っている感覚があります。

「詩吟本来の良さが無くなる!」と業界内の人は言うでしょうが、このような「まがい物」をどんどん生み出していく中で「本当の詩吟らしさ」が見えてくるのだと僕は信じています。

音源はDiscordコミュニティ「Senju DAO」にあります

「音源無いのかよ!」と思われた方、申し訳ありません。まだコミュニティ内の活動なので、ここで完全公開することは避けています。

私の活動に少しでも興味がある方はぜひDiscordコミュニティ「Senju DAO」へ来て見てください😊

Senju DAOの詳細は、ファウンダー(リーダーみたいな存在)である久さんのXを見てもらうのが一番です。下のは連続ポストになっているので、読み進めて頂ければ分かりやすいかと思います。

Senju DAOのDiscord内に「フリー音源」の部屋があり、僕の音源を聞いたりダウンロードできます。

とりわけ、作曲が趣味の方は、ぜひぜひお待ちしております!!!


最後は自然に宣伝みたいな感じになりましたが(笑)今日書き残したいことは全て書けたのでここまで。

今後の活動に乞うご期待ください!(自分でプレッシャーをかけてみる笑)
おわり。


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