見出し画像

漢詩「静夜思/李白」をより良く吟じるための"3つのコツ"

こんにちは、heyheyです。今日は李白の「静夜思」を吟じる上での3つのコツについてお話します。

この「3つのコツ」シリーズは、ある特定の詩を吟じる際に注意すべきポイントを3つに絞って解説するものです。今回取り上げる「静夜思」は、李白の有名な五言絶句です。

まず、詩の内容を簡単に紹介しましょう。

寝台の前に月の光が明るく差し込み、最初は霜かと思ったほどです。頭を上げて月を見上げると、ふと故郷を思い出して物思いに沈む、という内容です。

それでは、この詩を吟じる上での3つのコツを見ていきましょう。


1. 「床前」でシンプルな美しさを表現する

「静夜思」は五言絶句で言葉が少ないため、節調を聞かせるスタイルになります。特に「床前」の部分は、詩全体の雰囲気を決定づける重要な箇所です。

ここでのポイントは、余計なことをせず、シンプルな美しさを表現することです。最近お話した「引き算の美学」の考え方が当てはまります。

具体的には、「床前」の節調に複雑な音の変化をつけたりせず、できるだけシンプルにして、しかし力強い意志を持って吟じることが大切です(難しいことを言ってます!笑)。

2. 「月光を見る」で言葉の丁寧さを極める

「月光を見る」の部分は、言葉の丁寧さが最も問われる箇所です。ここでは以下の点に注意が必要です:

  1. 「っ」の発音を潰さない

  2. 2音目である「っ」からアクセントを高くとる意識をもつ

  3. 「を」の発音を潰さない(「こう」の後だから一層難しい)

  4. 2音・頭高のアクセントである「見る」の発音を丁寧に行う

このパートは、言葉の難しいポイントが一気に来るので、節調のことは考える余裕がないほどです。

逆に言えば、ここで言葉の丁寧さに集中して吟じることができれば、その後はもう大丈夫!きっと上手いくいきます😊

3. 二つの「頭(こうべ)」の違いを表現する

この詩には「頭」(こうべ)という表現が2回出てきます。1回目は夜空を見上げる動作、2回目は過去を偲ぶような動作を表しています。

この2つの「頭」を同じように吟じてしまうと、繰り返しの効果が薄れてしまいます。それぞれの「頭」がどのような状況を表しているのかをイメージしながら、違いを出すことが大切です。

ただし、あからさまに自分自身の頭を上げ下げするような動作は避け、声の表現だけで違いを出すよう心がけましょう。

まとめ

李白の「静夜思」を吟じる上での3つのコツは以下の通りです:

  1. 「床前」で節調のシンプルな美しさを表現する

  2. 「月光を見る」で言葉の丁寧さを極める

  3. 二つの「頭」の違いを吟じ分ける

これらのポイントを意識することで、「静夜思」の魅力をより引き出すことができるでしょう。ただし、これらを完璧に実践するのは非常に難しく、ベテランの先生でも何百回、何千回と練習を重ねて習得していくものみたいです(僕の師匠もそうでした…)

私自身もまだまだ未熟ですが、こうしたポイントを意識しながら練習を重ねていくことが、詩吟の上達につながると信じています。


今回の内容は以下のYouTubeからでも聴けます。
後半では実際に私が日替わりで漢詩を選んで吟じているので、良ければチャンネル登録お願いします♪

本日は以上となります。
今後も一緒に、コツコツと吟道を歩んでいきましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?