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漢詩「汪倫に贈る/李白」をより良く吟じるための"3つのコツ"

こんにちは、heyheyです。今日は李白の「汪倫に贈る」という漢詩を吟じる上での3つのコツについてお話します。

この「3つのコツ」シリーズは、特定の詩を吟じる際に注意すべきポイントを3つに絞って解説するものです。今回は、中国の有名な詩人である李白の作品を取り上げます。

まず、詩の内容を簡単に紹介します。

李白が舟に乗って出発しようとしているところ、友人の汪倫が見送りに来ます。夕日に照らされた川面に花びらが散る美しい景色の中、李白は手を振って別れを告げ、長江の水とともに旅立っていくという内容です。

それでは、この詩を吟じる上での3つのコツを見ていきましょう。


1. 起句の頭高を丁寧に表現する

この漢詩の起句、「李白舟に乗って」は非常に言いづらい部分です。ここでの発音の明瞭さと頭高アクセントの丁寧さが、この詩全体の印象を左右します。

ここをさらに深堀すると、これだけ意識するポイントがあります。

  1. 「李白(りはく)」の一音一音を丁寧にする(とっても言いづらい!!!)

  2. 「李白(りはく)」の頭高アクセントも同時に丁寧に行う

  3. 「舟に」の頭高アクセントを丁寧に(「ふ」が最初だから言いづらい!)

  4. 「乗って」の小さい「っ」を潰さない。

  5. 全体的に1音1音をブレーキをかけるように丁寧に発音する

「りはく」の言い方のイメージとしては、「たん・たん・たん」と3つの丸い音が並んでいるような感じです。この部分をしっかりと表現できれば、聴き手に良い印象を与えられるでしょう。

2. 転句を美しく流麗に表現する

転句の「桃花潭水」の部分は、詩の中でも特に美しい情景を描写している箇所です。そもそも言葉が美しい…!
ここでは、言葉をシンプルに、かつ滑らかに表現することが大切です。

詳しい注意点は以下の通り:

  1. ビブラートを極力抑える

  2. 過剰な表現技法は極力抑える

  3. まっすぐに伸ばしつつも、緩急強弱で表現する

イメージとしては、達筆な筆で書かれた漢数字の「一」のような、まっすぐでありながら美しい線を描くような感覚です。

3. 2つの長音を使い分ける

この詩には「汪倫」「桃花」という、長音(=伸ばす音)が出てきます。これらの長音の扱い方を適切に使い分けることが重要です。

ポイントは以下の通りです:

  1. 「汪倫」の「おお」は、はっきりと2つの音として区別する(「おー」と伸ばさない)

  2. 「桃花」の「とお」は、滑らかなにつなげる(「と・お」と分けない)

長音の取り扱いを適切に使い分けることで、詩の内容や雰囲気をより効果的に表現できます。

まとめ

李白の「汪倫に贈る」を吟じる上での3つのコツを紹介しました:

  1. 起句の頭高を丁寧に表現する

  2. 転句を美しく流麗に表現する

  3. 2つの長音を使い分ける

これらのポイントを意識して練習することで、この詩の魅力をより引き出すことができるでしょう。ただし、これらを完璧に実践するのは非常に難しく、何度も練習を重ねる必要があります。

私自身もまだまだ未熟ですが、こうしたポイントを意識しながら練習を重ねていくことが、詩吟の上達につながると信じています。


今回の内容は以下のYouTubeからでも聴けます。
後半では実際に私が日替わりで漢詩を選んで吟じているので、良ければチャンネル登録お願いします♪

本日は以上となります。
今後も一緒に、コツコツと吟道を歩んでいきましょう!

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