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前後を切断せよ! そして、誰も立ち入らせない。
ある本で、
「物理学者は、時間という言葉を使わない」
というフレーズを読んだとき、なんだか頭がグラグラしたものでした。
また、「時間が過去から未来へと流れている証拠は、何ひとつない」とも聞いたことがあります。
よく「今、ここに生きる」という言い回しを耳にすることもありますが、きっと、その場所とは、時間がないところなのだと思えてきます。
かつて夏目漱石がイギリス留学時、底知れぬ孤独と鬱病に
最後から二番目の‥‥
サブスクの動画配信サイトが増えてきたおかげで、十数年前のドラマを観ることがあります。
『最後から二番目の恋』
(フジテレビ系・脚本:岡田恵和)
鎌倉市役所に勤める中井貴一と、隣に引っ越してきた小泉今日子との掛け合いが軽妙でありつつ奥深く温かく、多くの賞を獲得したドラマです。
タイトルからもわかるように大人向け恋愛ドラマなのですが、ドラマ中、こんな台詞があります。
「人生とは、未来の自分に恋
名刺代わりの小説10選
Twitterで「名刺代わりの小説10選」を見かけ、自分でもやってみたくなって、数日かけて10冊を厳選してみた。
バルザックと小さな中国のお針子/ダイ・シージエ
敦煌/井上靖
クライマーズ・ハイ/横山秀夫
ダウンタウンヒーローズ/早坂暁
アルケミスト/パウロ・コエーリョ
忍ぶ川/三浦哲郎
野火/大岡昇平
後宮小説/酒見賢一
苦役列車/西村賢太
星の王子さま/サン=テグジュペリ
20代の頃に読ん
航空チケットの値段を書き換えたはなし
20年以上前は、海外行きの往復航空チケットを買うと、現地で帰路のリコンファーム(予約の再確認)が必要でした。帰国何日か前に、現地の航空会社のオフィスに出向くわけです。
当時二十歳過ぎの僕は1ヶ月のインド旅行の終盤に、このリコンファームに出向きました。通常、数分で終わるものなのですが、このときはやけに時間がかかり、僕のチケットが何人もの手に渡り、ついにはサリーを着た女性スタッフから、こう言われまし
旅の記憶、想像を絶する列車三泊四日
「想像を絶する」という言葉を聞くたび、個人的に思い出すのは、二十歳の中国旅行で、ただ切符が安かったから、ということで思わず二等列車に乗ったときのこと。西安からタクラマカン砂漠の入口の町コルラまでの三泊四日、固い座席に座りっぱなしでした。
じつは、座れるのはまだいいほうで、車内はまるで家畜小屋のように混んでおり、“想像を絶する”ことばかりの時間でした。
トイレはたえず使用中、しかも、ひとつの便器
時間があるということ
同じ意味の言葉である《時間》と《時》ですが、あえて使い分けていくことによって、人生がどこまでも豊かになる、ということを言っているのは、古代ローマの哲学者、セネカです。
セネカといえば、暴君の皇帝ネロの執政官としても歴史に名を残し、晩年は政治から離れて哲学に専念するも、謀反を疑ったネロから自殺を命じられ、自決するという最期をとげています。
《時間》とは、量。時計で示されるただの経過。
《時》と
オーディオブックの聴き放題サービス、聴いてます。
ここ1年あまりで、ガラリと変わってしまったことに、音楽、映画、ドラマ、本や雑誌までも、すべてスマホの定額視聴し放題サービスで楽しんでいます。
読書も、電子書籍だけでなく、オーディオブックの聴き放題が重宝しています。
ただ、まだまだ冊数は少なくて、成熟前のサービスといった感じで、ラインナップの多くは、19世紀頃に出版された成功哲学&自己啓発の名著であったりします。
ジョン・マクドナルド、カーネ
インドの果ての深夜喫茶
もう何年も外国へは行っていませんが、日々仕事と家庭の生活にひたっていながらも、二十歳過ぎの頃、幾度となく異国のへんぴな村を旅した記憶がよみがえってきます。
西インドの果ての村を目指して深夜バスにゆられ、ふと気付くと乗客は僕一人になっていました。深夜3時、訳のわからぬうちに下車させられ、バスは過ぎ去り、僕は真っ暗な道で一人、寒さをしのぐために毛布をかぶって突っ立っていました。
宿をさがそうにも、
最低でも3軒のカフェを希望
居心地がよいカフェが、最低でも3軒はある町に住みたい、といつも思っていました。
幸い、うちの近所には、ちょうどよいカフェがいくつもあり、そのうちのひとつの、店内に流れる、しぶいジャスに耳を傾けていると、よく、二十数年前に海外に行った頃のことを思い出すのです。
二十歳頃の僕は、若い頃にありがちな、世界と(勝手に)勝負しているイキリ具合で、あえて言葉も通じないような、アジアの辺境の地をうろついていまし
人生《最悪》の出来事に……
「信康」という歴史上の人物をご存じでしょうか?
信長と家康から一字ずつ名前を授かったこの名前から、想像がつくかもしれません。
お父さんは誰もが知っている天下の家康でありながら、歴史ファンくらいしか知られていない徳川信康は、悲劇の人でもあります。
徳川家の跡取りと期待されながらも、信長の娘である嫁の密告で信長の逆鱗に触れ、父の家康から自害を命じられるという異常な最期を迎えます。
日本の歴史上
HOW TO LIVEの思い出
さて新年度、中学、高校、大学と、さまざまな新入生のみなさんは、部活動や、サークル活動選びにワクワクしたり、体験入部などしている時期でしょうか。
かつて僕が通っていた公立高校では、毎週水曜日の最後の1コマだけ「クラブ活動」という、ちょっと浮いた時間がありました。
クラブ活動とは、いわゆる部活動とは似て非なるもので、野球部員とかサッカー部員などの本気の生徒たちは、そのまま放課後まで部活動に汗を流す
なりたいと思う人間になっているか
「もっとも尊敬する人物は?」という唐突な質問がきたとき、僕は「モリー先生」と答えることにしています。
じつは、会ったこともない、永遠に会えない人なのですが、『モリー先生との火曜日』という本でご存じの方も多いはず。
この本(実話)では、運動神経が機能しなくなる病ALSに犯されていく大学教授のモリーが、毎週火曜、元学生との訪問の際に人生、愛、生と死、家族について静かに語っていきます。
モリー氏は