芸能の神に誘惑された…❣
ここは大川端か…❓ 彼方に言問橋の遠景が見える。川面が近い岸辺にはお約束の材木屋が…
柳の木の下に独りのあすびめ(遊女)が人待ち顔で立っているではないか…髪は崩しの島田…唇に真っ赤な紅をひいている。
左脇に抱えているのは、素巻きのゴザ。右手には笹の小枝。そこで気づく…ここは…!
突然、遊女が踊り出す! 踊り狂う! 客席の男たちがタンバリンを叩いて囃し立てる。…ここは…ストリップ劇場か!
そんな訳はないぞ。俺は今まで大川端の夜風に身体を愛撫されていたのだ。今、目の前で笹の葉をサラサラと打ち鳴らし、狂うように踊っているのは?
おお! アメノウズメノミコト! 「胸乳をなんとか…ホトになんとか…」
そうだ!そうだ!なんだっけ?なんだっけ?
ほら!天ノ岩戸の前で… なんだっけ? なんだっけ?なんだっけ? いっきに目が覚めてしまった!
最近読んだ古事記の一節…「胸乳を掻き出で、裳紐を番登(ホト)に押し垂れき…」と云うアメノウズメノミコトが謳い踊るセクシーな表現が頭にこびりついていたのかも知れないな。