『スマホ脳』の要約
『スマホ脳』の紹介
この記事では「スマホ脳」の結論と要約を、分かりやすくまとめていきます。
この本は、「スマホ脳」をはじめ、「最強脳」「ストレス脳」の著者の最初の本であり、2021年一番売れた本として60万部を突破、オリコン年間BOOKランキング1位を獲得し、シリーズ累計では85万部を突破した人気の著者が書いた本であります。
この本の表紙にも書いてある、
「スティーブ・ジョブズはわが子になぜiPadを触らせなかったのか?」
ですが、平均で1日4時間、若者の2割は7時間も使うスマホでありますが、スティーブ・ジョブズを筆頭にIT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないといいます。
人間の脳をハッキングしてスマホを作った側の人間は、その危険性についてしっかりと理解していた。つまり、スマホの存在がわずかにでもあれば認知能力の容量が減り、近くにスマホがある状態で集中的な仕事ができるわけがなく、脳が弱ることを知っていたからです。
この様なことが、この「スマホ脳」には書かれております。
この本の結論
この本は、人間の脳はデジタル社会に対応していないということを解説している本であり、
・なぜ、これほど多くの物質的に恵まれているのに不安を感じているのか?
・孤独を今までになく他人と接しているのに、なぜ孤独を感じているのか?
などの問い答える本であります。
人間が地球に現れてから99.9%の時間を人間は狩猟と採集をして暮らしてきました。私たちの脳は、今でも当時の生活様式に最適化されており、現代のデジタル社会に対応していないということであります。
デジタル時代のアドバイスとして、
自分のスマホの利用時間を知ることが、変化への第一歩である
毎日1~2時間、スマホをオフに
チャットやメールチェックする時間を決める
友達と会っているときはスマホをマナーモードにし少し遠ざけておき、一緒にいる相手に集中する
あなたがスマホを取り出せば、周りにも伝染する
寝るときのスマホの取り扱いに注意する
ストレスの対処法を知っておく
どんな運動も脳に良い
以上のアドバイスが本の最後に書かれており、スマホが脳にどれだけの影響を与えているかが理解できる本であります。
要約ポイント
人類はスマホなしで歴史を作ってきた
人類が現代に適応できない理由を説明されております。
例えばアラスカの白クマが、普通の茶色いクマから生き延びるために白クマになるまでに1万年から10万年かけて白い毛皮のクマとなりました。
同じことを10万年前にサバンナに生きた人類と比較すると、なかなか手に入らない高カロリーの果樹が実る木で、1つだけ食べて満足するものと、おなか一杯食べて満足する人類がいたとすれば、後者の方が生存確率は高いはずです。
突然変異により、ドーパミンンという物質が高カロリーの食べ物を食べる満足感を感じさせるのである。これにおいては、現代においても脳の考え方は同じであると、書かれております。
よって現代においては、高カロリーの食べ物はすぐ手に入るので、たくさん食べると肥満という結果になってしまい、よって人間は現代社会に適応するようには進化していないわけであります。
ストレス、恐怖、うつには役目がある
人間は強いストレスにさらされると、脳の中で最も発達したはずの人類特有の部分を使わずに、進化の初期の原始的な部分へと退行する。つまり強いストレスにさらされると「闘争か逃走か」という選択肢しかなくなり、緻密なプレーをする余裕はなくなります。
人前で喋る恐怖というものもある。一番ストレスを感じる瞬間であり、スピーチ恐怖症という名前があるほどです。
スピーチに失敗し、集団から外されてしまう恐怖が遺伝子に組み込まれており、グループに帰属するのは安心感のためでなく、生存がかかっており独りになっては生きのびられないのです。
うつを引き起こす原因として一番多いのは長期にわたるストレスであります。
うつのリスクを高める遺伝子には、免疫を結成化させるものもある。うつは感染症から身を守るための手段なのかもしれません。
スマホは私たちの最新のドラックである
私たちは1日に2600回以上スマホに触り、平均して10分に一度スマホを手に取っているそうです。
脳は常に新しい物好きであり、進化の観点から見れば、人間が知識を渇望するのは不思議な事ではなく、パソコンやスマホのページをめくるごとに脳がドーパミンンを放出し、その結果、私たちはクリックが大好きになり、しかも実は今読んでいるページよりも次のページに夢中になっていることが分かっております。
スマホの「ヘビーユーザー」に多いのは、自尊心は低いが競争心が強く、自分を強いストレスにさらされている人たちである。
集中力こそが現代社会の貴重品
脳には、膨大な数の手順を同時処理するという信じられないほどすごい能力があるが、知能の処理能力には著しく限定された領域が一つある。それは集中です。
私たちは一度に一つのことにしか集中できない。複数の作業を同時にこなしていると思っていても、実際にやっていることは、作業の間を行ったり来たりしているだけなのです。
再び元の作業に100%集中できるまでには何分も時間がかかるということです。
スマホについても、サイレントモードにしていても私たちの邪魔をするので、本当に集中したい場合は、スマホは手元に置かず手の届かないところへ置いておくべきであると、著者は言っております。
「スマホが近くにある状態で、集中的な仕事ができるわけがない!」
とのことです。
スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響
極端なスマホの使用が、ストレスと不安を引き起こす。だが、何よりも影響を受けるのが睡眠である。
現代のデジタルライフとスマホはストレスを引き起こし、長期のストレスはうつになる危険性を高める。
睡眠前のスマホや電子書籍については、ブルーライト等により脳の興奮が収まらなくなり、良質な睡眠が出来なくなってしまう。
私たちの祖先にとってブルーライトは晴れ渡った空から降ってくるものであり、昼間活発に行動するためのものであったことから、私たちはブルーライトで元気になってしまうのである。
SNSー現代最強の「インフルエンサー」
SNSに時間を費やすからと言って、全員の精神状態が悪くなるわけではない。SNSのせいで心の健康が損なわれる危険性を示しているが、SNSのおかげで元気になる場合もある。
精神状態が「悪くなるような使い方」もあり、他人の写真みるだけで自分の写真をアップしなし議論にも参加しない消極的なユーザーは、積極的なユーザーよりも精神状態が悪くなる傾向にある。
バカになっていく子供達
タブレット端末やスマホのアプリを「学習タブレット」と呼んで2歳児に持たせ、何かを学んでくれと思うのは、希望的観測でしかない。
大人にとってアプリのパズルと本物のパズルに大きな差はないであろうが、2歳児にとっては本物のパズルをすることで指の運動能力を鍛え、形や材質の感覚を身につける。
そういった効果はiPadでは失われてしまう。
運動というスマートな対抗策
多くの人がストレスを受け、集中できず、デジタルな情報の洪水に溺れそうになっている今、運動はスマートな対抗策だ。最善の方法と言っていいかもしれない。
運動をすると集中力が増す、では、なぜ集中力が増すのか?
答えはおそらく、私たちの先祖が身体を良く動かしていたからだ。狩りをしたり自分が終われたりしたときには最大限の集中力が必要だからであるからです。
脳はスマホに適応するのか
ライフスタイルのデジタル化と並行して、多くの人が精神状態を悪くしているが、ほとんど全員が元気になれるようなコツがいくつかあります。
睡眠を優先し、身体を良く動かし、社会的な関係を作り、適度なストレスに自分をさらしスマホの使用を制限することです。
私たちはデジタルな道具を賢く使わなければならないし、それにはデメリットもある。
無意味なデジタルのカロリーに対処できなくなってしまい、スマホというテクノロジーが、人間を2.0バージョンにするよりも、むしろ0.5バージョンにしてしまうのだ。
おわりに
私たちは未知の世界にいる。
人間が進化し、適応してきたのとはかけ離れた世界であり、今でも私たちは狩猟採集民の脳を持っていて、そこらじゅうに危険を探そうとし、すぐにストレスを感じ、気が散り、同時に複数の作業をするのが苦手である。
デジタルな世界に生きているというのに。
その点にもっと配慮すれば、私たちはより健康に、健全に生きられるはずであります。
まとめ
この本は、スマホが脳にどんな影響を与えるかを科学的に分かりやすく書かれた本であります。
この本を読むと、自分がどれほどスマホに依存し悪い影響を受けているかが分かります。
もちろん便利なものなので、使い方にもよりますが...
「スティーブ・ジョブズはわが子になぜiPadを触らせなかったのか?」
も、この本を読むと納得できると思います。
また、うつにとって「運動はスマートな対抗策だ。最善の方法と言っていいかもしれない」ということを、「ストレス脳」でもいっております。
スマホが脳にどんな影響を与えるかに興味のある方は、是非手に取って読んで見て下さい。