「チャレンジ!」の行方
日々移ろいゆく徒然をしたためんがため、noteを続けている。
昨年の7月初旬、母方の実家が取り壊されることになり、荷物を取りに行くことになった。
その際に、そこにあった何種類かのヴィンテージ・ボードゲームを持ち帰ってきた。いずれも、私が小さい頃によく遊んだことのあるやつばかりだ。
そのうちの一つが「ポンジャン」である。
「ポンジャン」とは、1976年にアノアという会社から出たゲームである。
この会社は現在は廃業しているが、流転を重ね、現在はタカラトミーがその商標権を持っているよう。類似商品に、ドンジャラと言うゲームが存在する。
手元のブツは、パッケージがボロボロではあるが、パイもボードもすべて揃った状態で残っている。
そして、このゲームは麻雀に似ている。
だだし、「子供やお年寄りまでもが楽しめる」と謳われているため、ルールは随分と簡単になっているようである。当然ながら、リアルマネーは使用しない。
麻雀のパイに相当するものがあり、それぞれ乗り物のイラストが3種類と3色にデザインされている。
特に、パイに描かれている飛行機・車・船のイラストが、それぞれいわゆるイギリス産業革命の頃のデザインになっているのが、またレトロな感じでいい。
特に車の図なんかはいわゆる19世紀ごろのクラシックカーのデザインだし、飛行機に至っては、ライト兄弟の作った実験機のよう。
私は麻雀をやったことがないので、本家のルールはよくわからない。
ただ、何種類か上がりの配列があったり、「リーチ」ならぬ「チャレンジ」宣言してコインを必ず提示したりするなど、なかなか複雑なのがわかる。
だけど、こういうゲームはやっているうちに自然とできてしまうもので、ルールを覚えたら意外に簡単にできる。
昔は、このゲームを祖母や叔父も交えてやっていたものだ。
10種類の上がり手があるのだが、私は、その中でも一番点数が低い上がり手にさえ到達できず、コインを取られてしまうことが多かった。実に悔しい。
「チャレンジ!」と宣言して10点出していたのにも関わらず、あと一歩のところで他の人に上られてしまうのである。
結局子供の時、このゲームで勝利したことは数えるくらいしかない。
私は、この種のゲームにはめっぽう弱いようだ。
それでも、プレイしている時は、みんな笑顔で口数が多くなり、大いに盛り上がったものだ。それはそれでいて楽しい時間だった。
今年の元旦にも、久しぶりに持ち出して、家族でプレイした。
肝心の私といえば、相変わらず負けっぱなしであった。
「チャレンジ」の行方はいずこへ。
それは勝利の女神のみ知ることである。
だけど、今も昔も変わらずボードゲームは面白い。
そんなことを思って悦に浸っているうちに、夜が更けていくのであった。
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