『メルカリ』という映画の中で、ネオのように目覚めて、タイラーのように生きている。Episode 5
●障害者雇用枠
『従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。(障害者雇用促進法43条第1項)』
という、障害者雇用率制度は、
正直有難い。
『五体不満足』の乙武洋匡さんや、
フォレスト・ガンプのように、
障害者を超越する才能や、頭の良さを持っているわけでもなく、
ロバート・デニーロ演じる
映画『タクシードライバー』のトラヴィスのように、世の中を浄化させてやるという、
社会に対する歪んだ思想を持っているわけでもなかった僕が、
社会人としてまったりと生きていくためには、
何よりも有難かったルールが
障害者雇用枠だ。
ただ、この障害者雇用枠、
職場によっては、
結構肩身の狭い思いをしたりする。
いくつか渡り歩いてきた企業の中で、
面接官から
『今回は男性が欲しいと思っていたので、
応募してくださって嬉しいです。
これまで二人、障害者雇用枠で入社したのですが、
どちらも女性で、
いじめられて退職したんです・・・』
と言われたこともあった。
●ハワイ
いじめとかではぜんぜんないのだが、
一つ印象深い出来事がある。
ある職場で、
10人ぐらいの社員が、
ハワイ旅行の話で盛り上がっていた。
新婚旅行や家族旅行で、
10人全員がハワイに行ったことがあるという話だった。
その中の一人が、
『shigeさん、ハワイ言ったことあります???』
と聞いてきたので、
『行ったことないです』
と答えると、
『じゃあ、この中で、ハワイに行ったことないの、shigeさんだけですね!
障害持ってると、行けないですよね〜』
と大声で笑われた。
あれ?何かいま、バカにされたのかな??
と一瞬思ったが、
正直、ハワイに興味は無かったし、
普通に仕事中だったので、
僕はヘラヘラ笑って過ごした。
こんなやり取りは、
わりと日常茶飯事ではあったのだが、
この日の日常茶飯事を、
ある"出来事"のせいで、記憶に残すことになる・・・が、
その"出来事"は、もう少し先でお話しすることにしよう。
●ゼイリブ
1988年にアメリカで、ジョン・カーペンター監督
によって制作された、
『ゼイリブ』という映画がある。
大ヒットしたというわけではないが、
知る人ぞ知る傑作で、
初上映から30年以上経った今でも、
カルト的人気を誇っている。
ストーリーは、
エイリアンが人間に擬態していて、
実は地球を支配しているという、
B級の香り満載な内容なのだが、
この映画、
マトリックスやファイトクラブよりも、
10年以上も前に、
"自己破壊"を教えてくれていたりする。
『疑うことを、いつからやめたのさ?』
次回はゼイリブの話からスタート
(続く)