父親の仕事ってみんな言えるの?
うちの父は一昨年まで仕事をしていて、2020年の末に引退した。
(父は現在70歳である)
私は父の23歳の時の子供なので、昔は若い父が誇らしかった。
特に父は人に対して語気を強めたりするような人ではなく
京都出身らしいひねくれたユーモアを持ち合わせていたため、
「優しくて面白いお父さん」という印象を抱かれることが多い。(北九州の子供には皮肉は通じない)
ところで皆、父親の仕事がなんであるか?何をしているのか?
きちんと把握している人はいるのだろうか。
かく言う私は作業着を着て仕事をしている父を見ていたが、
父が現場作業をしている人ではない(肉体労働者ではない)ことは知っていた。
だからと言ってホワイトカラーではないのも知っている。
真夏の事務所(プレハブ)の中、40度を超える熱気の中で図面を引いているという話を聞いていたからだ。
図面を引いているから、と言って建築士という訳ではない。
という訳で父の仕事を聞かれた際は
「建築関係で働いている。仕事をしているのは確かだが何をしているのか具体的には把握していない」と答えるようにしていた。
なんだか裏家業的な匂いがする言い方なので
笑われたことがあるが何と言っていいのかわからなかったのだから、仕方がない。
結局後になって父は
製図された図面から、実際建物に使う部品の大きさを決める仕事をしていることがわかった。
もう説明する必要も無くなってしまったが、いまだに私はその職業をなんと言うのか知らないのである。