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災害におけるアレルギー疾患の対応(その4)
災害時に起こりうる問題から、災害への備えを考えよう
今日は「アレルギー疾患のための災害への備えと対応」について、解説します。
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災害時には次のようなことが起こりえます。①普段使ってる薬がなかなか手に入りません。②緊急性の高い外傷などが優先されます。③住環境がいつもと変わりますから、アレルギーの症状が悪くなりやすくなります。④風邪を始めとして、感染症が起きやすくなります。⑤避難所生活はストレスが多いため、それがアレルギーに影響します。⑥いつも行っている治療や薬剤の情報、服薬の記録などがわからなくなります。これらの問題点を解決する方策を考えていきましょう。そうすると平時から、どのように災害に備えておくべきかが、見えてきます。
災害に備えて準備するもの
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このパンフレットは、非常用持ち出し袋に入れておくべきものを示しています。感染予防だけでなく、砂埃予防にも役に立つマスクは必須です。お薬手帳のコピーを入れておくと、治療経過が大体わかるので便利です。名前や住所、病名や緊急時の対応方法、かかりつけ病院の連絡先等の情報を書いたカードも役に立ちます(参考:そなえるブック)。飲み薬や塗り薬、3日分程度のアレルギー対応食、アレルギー用ミルク、哺乳瓶、水などもいつでも持ち出せるようにしておくと良いでしょう。前の記事でも書きましたが、アレルギー対応ミルクの自治体による備蓄は、行われていない場合があります。また、薬剤師を始めとした医療従事者へのアンケートでは、お薬手帳が便利であるとコメントした方が多数おりました。緊急時には、お薬手帳を見て薬剤を処方するということもあり得るでしょう。私も使っていますが、スマートフォンアプリのお薬手帳は便利です。
家庭備蓄
次のパンフレットは、家庭備蓄についてです。気管支ぜん息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどの疾患ごとに、家庭内で備蓄しておくべきものを記載しています。スペーサーがないときに紙コップやペットボトルでスペーサーを作る方法や、
シャワーの代わりとしてペットボトルを使えるようにするペットボトル用シャワーキャップ、体を洗うための泡を作ることができる見える袋などなど細かなお役立ち情報についても記載されています。詳細は省きますが、それぞれの疾患をお持ちの方は、目を通しておくと良いと思います。
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今日は以上ですが、「アレルギー疾患のための災害への備えと対応」に関しては、その5、その6でさらに解説していきます。
アレルギーポータルのリンクです。