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マンション管理という仕事〜フロントとして生きている〜

なんだかでっかいタイトルになってしまったが、わたしは新卒で今の会社に入ってから、約10年間ずっとマンション管理の担当者、いわゆるフロントという仕事をやっている。

フロントって何?って人がいると思うので、ざっくり説明すると、分譲マンションに住む人たちは、マンションを維持管理するために管理組合という団体を作る。作るというか、勝手に作られて所属する。

その居住者たちの集まりである管理組合が主体となって清掃や会計や修繕や各種苦情対応等をするのは大変なので、一般的には管理会社と言われる会社にその業務をお願いする。

マンション毎にその管理会社の担当がつくのだが、それがフロント、組合と会社との間で板挟みになりながら問題や課題解決をすることを生業とするものだ。

都内でマンションを購入して住んでるよ、という人は石を投げたらすぐ当たるくらいに多いと思うのだけれど、フロントをやってるという人、中でも特に20代30代はかなり少ない気がしている。

世は分譲マンション大航海時代、幾多のマンションクラスタ界隈が湾岸のタワマンの話をしていようが、中古価格がぐんぐん伸びていようが、わたしたちの仕事はほぼ変わらない。

人と人の間でただひたすら揉まれ続けるだけである。

フロントのことはよく知らないなあという人や、なんであいつらあんなに連絡寄越さないんだろうと不満に思う管理組合の役員の人々、管理会社ってストックビジネスだし安定してそうだなという目線で就職希望の方に、ぜひこの仕事のいろんな面を知っていただき、1人でも多くのフロントが病まずに仕事できる未来を作る手助けをしたいと思う。

そんな心意気と仕事がパツパツすぎた上に理事長に呼び出しされて終バスを15分寒空の下待っているわたしの息抜きを兼ねて書き散らしてみる。

そもそもわたしはなんでこの会社に新卒で就職したかというと理由は明快で、就活していて一番早く内定をくれたからである。当時はリーマンショックの煽りを受けて就活が結構大変だった。(あまり意識はしていなかったけど)とりあえず運動部だったしバイトも掛け持ちしていたし、働ければなんでもいい、気合と根性と体力ならある!と半ばヤケになって就職した。マンションを買ったことも住んだこともない、ただの田舎から出てきて数年東京に住んだだけの大学生であった。

就活していたときには、

人と接する仕事が好きなので、この仕事を選びました! キラキラ

衣食住のうち住まいという人の1番大事な部分を担う仕事にやりがいを感じました!ピカピカ

と言いまくっていた。人と関わることもB to Cの仕事に興味があったのも本当だ。

そして、最初の数ヶ月、

担当の理事長からまたメール来ちゃってさ〜

漏水対応入っちゃって飲み会行けないわ、ごめん

などとドヤっていた。

しかしそんな新人は半年後もういない。

口を開けば、

人と関わらない仕事につきたい

ありがとうと言われる仕事につきたい

社用携帯の鳴らない仕事につきたい

口を開けば後ろ向きなことしか出てこない人間が出来上がる。そんな仕事である。

そもそもある程度の進学校から大学に行った人間からすると、人の悪意を浴び続けることに対して耐性がないのではないかと思う。幸い運動部かつ、コンビニや飲食で働いていたのでヤバい人々の対応には多少耐性があったけれど、それでも辛いものがあった。これがゆるゆるサークル、バイトは家庭教師みたいな人生だったらたぶん続かなかったと思う。

そもそも新卒だけでなく、フロントの退職率は高い。さらには退職までしなくても内勤に異動する人も多いから10年単位で続けている人間はかなり限られる。なお、自分がマンション管理を続けているのはやっぱり面白いからとかいいこと言いたいけど、簡単にいうと飽きてる暇がないからだ。やることをこなしてると数年経つ。恐怖しかない。なんなら日々トラブルしか起こらないし、落ち着いてる暇がない。昔から飽きっぽいのに、同じ仕事を10年も続けているなんて奇跡である。

せっかくこの仕事についたのでいい話や嫌な話、感動する話やちょっとだけ為になる話を書いていきたいなと思ったところで、バスが来たので今日はこの辺で。

次回、新米フロント初めての管理組合対応!水溜りに飛び込んでみなさい!お前、1円玉持ってる??

お楽しみに!



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