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東京都の重要文化財(建造物)の探訪録(1) 国宝編
迎賓館赤坂離宮より55年以上前に国宝に指定され、それまでは東京都唯一の国宝の建造物であった正福寺地蔵堂にようやく行ってまいりました。東村山駅駅西口から徒歩15分の住宅街にあります。
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山門の向こうに地蔵堂がいきなり見えます。山門は1701年建造で、元々は茅葺屋根だったものを昭和の修復の際に銅板葺に変更したもの。当初は朱色に塗られていたと案内板に記載されていました。
東村山市指定有形文化財です。
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正福寺地蔵堂は1407年に建造された禅宗様造りです。禅寺らしく、地蔵堂もそうですが、境内もゴテゴテ感のない雰囲気があります。ただ、柿葺屋根の反り返りがめちゃくちゃ主張しています。
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同じく臨済宗の寺で国宝指定されている北鎌倉の円覚寺舎利殿にそっくりです。
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禅宗様の特徴が顕著に表れているされています。例えば、屋根の反りのほか、詰組と言われる上部の柱を支える木材の組み物がたくさん使われていること(寺院の屋根下にびっしりあるでこぼこした装飾っぽいアレです。)、正方形の平面構造、銀閣寺で知られている釣鐘っぽい花頭窓、塗装しない素木造、丸い柱などが確認できます。
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境内には専用の保存堂に貞和の板碑なるものがあります。梵字が掘られていますが、説明板によれば、近くの別の寺院にあったものが、後に橋として使用されて、修復後にこちらで保存されたそうです。
1349年に造られた都内でも緑泥片岩としては最大級の板碑とのことで、東村山市指定有形民俗文化財となっています。
東村山市街地では地蔵祭を宣伝するポスターなどがたくさん確認できましたので、地域に愛された古刹なのが良く分かります。
しかしながら、探訪したのが小雨降る日とは言え、日曜の午前中で見学者は自分だけ。24時間、間近でじっくり観察できる超貴重な国宝ですので、地域以外の多くの方にも堪能していただきたいと思いました。なんせ円覚寺舎利殿は年3回の公開時以外は塀の向こうで見えませんし、拝観料も発生しますが、こちらはいつでも近くで無料です。
所沢の西武ドームとか角川ミュージアムとかのついでに参拝するのがいいんでしょうか。観光寺と違って静かなのもいいものです。
迎賓館は別の機会に探訪します。