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長野県の国宝(建造物)の探訪録

 まずは安曇野エリアである大町市にあるに「仁科神明宮」(にしなしんめいぐう)からです。

 仁科神明宮の創建時期は不明ですが、社殿が建立されたのは今から約900年前と推察されます。伊勢神宮領であったことから、内宮が勧請されたものとされます。したがって天照大神を祀っているのですが、御神体は神仏習合の影響により鏡板に仏の鋳物像をつけたもので、重要文化財となっています。

 こちらが国宝、本殿と(見切れてますが)中門です。建立後、伊勢に習い、20年ごとに式年遷宮(建替え)をしていたものの、1636年を最後に修繕に変えています。結果として白木を使用している神明造としては最古のものとなっています。


 長野県指定天然記念物、三本杉です。1本は45年前に倒木。高さ50m、樹齢800年とのこと。

 そこから西に30km、青木村にある天台宗の古刹、「大法寺」の三重塔です。

 山腹ある寺院で、菩薩像などの重要文化財を保有していますが、見どころは1333年に建立されたこちらです。純粋な和様建築とされていまして、例えば詰組は柱の上にしかないとか、垂木(屋根を下から支える建材が放射状ではなく、壁に平行であること、柱の周りを長押と呼ばれる木材でぐるりと囲って補強するなどの特徴が確認できます。

 当初は極彩色に装飾されていたそうで、見返りの塔と呼ばれるだけあって、山の緑の中で相当目立っていたのでしょう。

 そこから南に2km、上田市別所温泉にある曹洞宗「安楽寺」八角三重塔です。

 我が国最古(1290年代と推測)の八角三重塔であり、禅宗様を強く表したスタイル、しかも日本最古の禅宗様建造物と言われています。一層部分に見えるのは裳階と言われる建物のカバーのような構造です。華やか詰組と屋根のヒダヒダ感が魅力的です。言葉になりません。これが見られて本当に来た甲斐があります。

 上田市周辺は重文建造物の宝庫でもあり、東京からもアクセスがいいのも魅力です。

 さて一昨年に長野市と松本市に行った際に探訪した国宝建造物は次のとおりです。

 言わずと知れた長野市の「善光寺」の山門です。国指定の重要文化財となっており、江戸時代中期の建造です。

 おなじみの本堂、国宝です。300年以上前に竣工した非常に巨大な木造建造物でした。正面もいいのですが後ろ側から見上げた屋根の感じもなかなかでした。

 近年、国宝に指定された松本市にある「旧開智学校」です。が、耐震工事のためこんな感じで近付けませんでした。漆喰がいい感じです。

 ご存じ、国宝、「松本城」です。お子が小さいころに上高地に家族旅行に行って以来の松本。もっと巨大なイメージがありましたが、結構、小さくまとまっています。しかし、かっこいいですねぇ。1時間程度並ぶとのことで天守閣入城は断念。


 さて、国宝ではありませんが、探訪にあたって高山市から松本市に異動した際に安曇野市の奈川渡ダムを通りましたので、記念に撮ったものです。ダム上部が国道となっていて、お子が小さい頃、何度か上高地、白骨、乗鞍に連れて行く際に通ったところでした。

 高さ155mのアーチ式ダム、久々に覗き込むと手すりが低くて結構なスリルを感じました。家族揃って来ることはもうなさそうです。

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