居場所、その解像度、ワーカーの在り方。
昨日は、『地方×中高生の居場所だっぴ』でした!
今回の企画に至った経緯は、牟岐キャリア支援センターの大学生たちが「徳島県牟岐町に中高生の居場所をつくるにあたって、既にその領域で挑戦している人たちの話を聞いて、これからの活動に活かしたい!」という依頼からでした。
今回ゲストは、東京・兵庫・岡山から3名の方々をお呼びしました!(ご協力いただき、本当にありがとうございました!)
今井 直人さん(尼崎市立ユース交流センター)
紀 奈那さん(子どもソーシャルワークセンターつばさ)
山本 晃史さん(文京区青少年プラザb-lab)
中高生の居場所で大切にしたいことって何?
今回中心テーマにおいたのは、「中高生の居場所で大切にしたいことって何?」ということ。
問い自体はざっくりしていて、どうとでもとれると思うのですが(笑)、まずはどうとでもとれるところから、多角的に対話を始めてみました。
■原体験を大切に
ゲスト3名に共通していたのは、
原体験を大切にしていて、且つ誰かに伝えられるレベルで言語化・省察されていた。
という点でした。
個別で言えば、山本さん(あっくん)は、学校外の場所で中高生が生き生きとしている場面に自分も身を置いた経験が、
今井さん(なおてぃー)は、自分と向き合い、どう生きていきたいかを考える場面をつくった経験が、
紀さん(きなな)は、子どもたちが親や先生以外の関係性・つながりの中で育ち直しをする場面に携わった経験が、
それぞれの原体験のようでした。
自分の中で軸となるもの、湧き上がる衝動の源泉となるものが何なのかを知り、それを礎にすることがまず大切なようです。
■自分の”素”で関わる
中高生と関わるとき、(ワーカーは)自分の素で関わるようにしている。
という話になりました。
それは、中高生との信頼関係を築くうえで、表層的な「つくられた立ち振る舞い」は関係構築に良い影響を及ぼしにくいということからでした。(「つくられたもの」だと見透かされるので)
ありのままの自分で接することが何より大事で、(中高生側の目線でもワーカー側の目線でも)自分に合う子・合わない子が存在するという前提を認めることも大事。
そのうえで、チームでキャラの役割分担を行う(なるべくワーカーのキャラは被らないように)ことで、相互補完性を高めているようです。十人十色のキャラという意味で、何かしらの趣味に特化した人がユースワーカーであるパターンはままあるそうです。
■そこはどんな居場所か
「(ワーカーが)素で居ていい」というのは、自分の好き勝手に立ち振る舞ってよいということではありません。その立ち振る舞いは、あくまでその居場所が目指す姿に沿うかたちに制約されます。
「どんな居場所を目指すか」という視点で、
居場所という言葉は、曖昧で便利だ。
という解釈も出ました。居場所という言葉がもつユニバーサル(対外的には万人向け)な印象の裏で、現実問題としてはターゲティングを行わざるを得ない。内側の人たち(ワーカー)が自覚的にもっておくべき居場所の解像度は、それよりもう少し高い方がよいということでした。
居場所の解像度を高める要素のまず1つは、地域属性。どこにある居場所なのか、(そこは)誰が来やすそうなのか。一方で、そうした地域ニーズに引っ張られ過ぎることなく、自分たちはどんな場をつくりたいのか(これは根源にある原体験から導き出されるもの)も大切な要素です。
自分たちのミッションを徹底的に理解し、感覚器官に染み込んでいった自分たちの哲学を以てして、自分の素で中高生と関わっていく。
当然ながら、まだ上手く言葉にまとまっていない感じがしますが、”こういう感じ”が大事なポイントなんだろうなということで、「兆し」っぽいものに触れることができた時間でした!
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「ユースワークって何なのか」については、(もしよければ)こちらのマガジンもご参照ください!