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恋の短歌紹介① 想いあっているのに結ばれない恋、したことありませんか?



結ばれない人を好きになってしまったことは、
ありますか?



私はありました。
一緒になれることはないと初めから分かっていましたが、どうしても気持ちが止められなかった。

気持ちだけでも知ってほしくて、想いのままを伝えたら、その人は応えてくれた。

それは、幸せなことでもあり、同時に残酷なことでもありました。

気持ちは通い合っているのに、傍にいられない。一緒に生きることができない。

「あなたがもう一人いてくれたら」と、何度願ったか分かりません。


そんな時に出会ったのが、
日本最古の歌集である万葉集の中の一首でした。



「磯城島の大和の国」とは、この国日本のこと。

この国に、愛おしいあなたが二人いたら、何を嘆くことがありましょうか。

そういう歌です。

この歌は"詠み人知らず"の歌で、誰が詠んだのか分かっていません。

万葉集ができた1300年前、天皇も農民も誰もが短歌に自分の思いをのせて歌いました。

この歌を詠んだ方もまた、結ばれることのない人に胸を焦がして生きた方だったのかもしれません。

振り向いてもらえない片想いなら、まだ諦めもついたかもしれない。

でも、出会うタイミングがもう少し早かったら。
違う関係性で出会えていたら。
もしかすると結ばれていたかもしれないと思えばこそ苦しくもなります。


でも、1000年以上前に生きていた人が、気持ちを代弁してくれるかのようなこの短歌に出会って、苦しさが少し和らぐような気持ちになりました。

この短歌紹介が、皆さんにとってもそういう機会になったらいいなと思い、これからちょこちょこ続けていきたいなと思います。


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