「おもてなし」の功罪

東京オリンピックでクローズアップされた
日本の「おもてなし」なのですが、
良い面と悪い面があります。

まず良い面としては、西洋の「サービス」が語源の
スレイズ=奴隷やサーバント=召使が示すように
上下関係があり、上である客が主体なのに対して
日本の「おもてなし」は基本的に上下関係がなく、
もてなす側が主体で、かつ察する文化に基づいている、
という点が違います。

ですから、痒いところに手が届く、
真心のある「おもてなし」が可能となります。

逆に相手の心を察するということが
暗黙の前提となるために、逆に品質の
均一化やマニュアル化が不得意です。

技の伝承が一子相伝的なことにも
似ていますが、量産化や標準化、
マニュアル化の面では完全に
西洋文明の後塵を拝しています。
日本の企業の多くが、たぶん
マニュアル化すらできていないと
思います。

昔、日本は江戸時代に微分積分をし
からくり人形みたいな高度な技術を
持っていたにもかかわらず、
歯車の標準化すらできていませんでした。

ある程度、仕組みができたものを
きちんとするのは上手いのですが、
仕組みそのものを作るのは下手なのです。

こういうところにも「おもてなし」の功罪が
影響しているように感じます。

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