日本病の病理

何を持って日本病というかは

人それぞれなので、

私なりの日本病という意味である。

日本病というのは

日本人の長所と短所の表裏一体である。

高度成長期において、

日本人は品質の優れた商品を世に出し、

世界を席巻してきた。

日本人が得意な分野は、

小さいとか、軽いとか、品質が良いとか、

誰もがすぐに理解できる物差しのものだ。

逆に、デザインとかITとか先端技術とか、

一部の人にしか理解されないものを

扱うのは非常に苦手である。

なぜなら集団で方針決定をする民族だからだ。

いわゆる空気で方向性が決まる。

世の中の知識や技術が進めば進むほど、

価値観が多様化すればするほど、

集団や空気で方向性を決めるシステムは

原理的にマイナスに働く。

先端的な話の決定はできなくなるし、

多様化する価値観のコンセンサスが取れなくなる。

そして、良いところを見つけるよりも、

マイナス面を見つけることに才能を発揮する。

それは優れた品質を維持するには

威力を発揮するが、先端のものを開発するには

足かせにしかならない。

ゆえに、日本人の優位点だけみて、

日本人のマイナス面を直視できない限り、

知識や技術がますます進み、

価値観が多様化する世界の中で、

日本はますます取り残されるであろう。

それは日本人がもっているマイナス面が

悪く働くからである。

ただし、

平安末期や戦国時代、幕末や大戦後のように

社会が崩壊して、空気が支配する環境が崩れる時、

優れた人材が活躍するチャンスが訪れる。

そういう意味では、大災害みたなもので、

日本というシステムが破壊されない限り、

日本は老衰死を迎えていくのかも知れない。

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