ブランドの構築は、フィロソフィーの表出、再現、積層
ブランドはミルフィーユのように重なってやっとできます。
ただ、どうミルフィーユするか。
9年くらい前に僕が手がけているIoTルームディフューザー「Scentee」について、ドイツの香り学会で基調講演を頼まれて行ったんです。当時、Scenteeは携帯から香りが出るガジェットだったのですが、シャネルのパフューマーが「シャネルとScenteeでコラボしたい」と言ってくれました。
でも結局は、携帯電話からシャネルの5番の香りが出ることはブランドを価値が上がらないということで却下になりました。
なるほどねと。
ブランドはそうやって積み重ねるんだと認識した瞬間でした。
アトマイザーからシャネルの5番が出るユーザー・エクスペリエンスよりも、スマホからシャネルの5番が出るユーザー・エクスペリエンスが高くないとブランド価値が下がるんです。
なので、ブランディングというのは、お客さんが感じる価値を高めないといけないんです。
あるとき、SHIFTのブランドが上がると思って、よかれと営業の子が僕に公共の仕事の許可を得にきました。
僕は却下しました。理由は、SHIFTのポリシーに反するから。
その案件はコンペをし、値段を下げ、さらにITのわからない人が発注して、いじめるからです。
案の定、支払いは1年先でしたし、その案件をとらなくてよかったです。
公共をとる(ブランドが上がると勘違いする)。それはブランドじゃないんですよ。
下請けいじめをしない。1年間代金を支払わないというのは、自分の部下に、君の仕事はちゃんとやってるかもしれないけど、結果主義だから1年後に成果が上がったら給与を払うねって言っているのと一緒です。
そういう思考を受け入れないというのもSHIFTのブランド力を上げる一つです。
ブランドの構築というのは、フィロソフィーの表出、再現、積層だと思います。
みなさんのポリシーは何ですか?
それは、ミッションにも通じますし、世間として正義なのか、正義であれば、ぶっちぎればいいと思います。
他人のことなんて気にせずに。
他人は間違っている可能性が高いです。彼らの常識ですから。
正しいのは、正義ということです。
それを積み重ねていけば、ブレずにブランドを築け、強固な礎となると思います。