筋肉アンチエイジング〜運動するなら朝?夜?
運動が体にいいのはわかってるけど、
いつ?なにを?どのくらい??
すればいいかのはっきりしたガイドラインはないですよね。
"朝と夜どっちにした方が良いですか?"
という質問をよく受けるので、今回は
運動が生活リズムに及ぼす影響について
機能性医学機構からのニュースレターに加えて、最近の論文をピックアップしてご紹介します♡
見慣れない単語が多いので太字で項目の最後で解説しているので、先に読んでもらうと理解しやすいですよ♡(ؔᵒ̶̷ᵕؔᵒ̷̶)
<今日のテーマ>
0.はじめに
1.運動が概日リズムに及ぼす影響
2.運動は朝or夜どっちが効果的?
3.睡眠ホルモンと概日リズムの関係
0.はじめに
座りがちな生活習慣では心血管および死亡のリスクが高まることは有名である。(座位時間が長いほど寿命が短くなるの、ご存知ですか?)
運動をすることによって、
・幸福感の向上とうつの改善
・体力の向上
・慢性疾患の予防
・脳神経系機能の改善
・抗炎症作用
・創傷治癒の促進
などなど、、
多くの確立された健康上のメリットがある。
⬅︎沢山あるのでまた別記事にて解説しますね!
アメリカ心臓協会によると、
・適度な有酸素運動
・レジスタンストレーニングによる筋肉の強化
・座りがちな行動を減らし毎日の動きを増やす
・身体活動に強度を加える
ことは成人の心肺機能を強化するための推奨事項の一部です。また特定の運動習慣と活動の利点は、心血管の疾患予防と改善に対するそれぞれの影響を決定するために引き続き研究されています。⬅︎どの運動をどのくらい?というのはまだ研究段階です。
1.運動が概日リズムへ及ぼす影響
*骨格筋には時計遺伝子の広範なネットワークがあり、その分子時計の調節不全は有害な代謝機能低下につながる可能性がある。
*体力と骨格筋ミトコンドリア機能は午後遅くにピークに達するが、低エネルギーに敏感なシグナル伝達は朝にピークに達します。⬅︎朝は力が出ないけど、夕飯前の時間帯は体が動きやすいですね。それぞれの臓器は時計遺伝子に支配されているのです。
*運動は骨格筋時計の堅実なZeitgeberであり、運動することで分子概日時計をリセットすることができ、睡眠パターンの乱れによる悪影響を効果的に改善する。
*運動のタイミングを最適化することは、概日リズムと相互作用し代謝性疾患の管理のための既存の治療的介入を助けることができる。⬅︎運動を適切なタイミングで行うことで体内時計も整うし、糖尿病や高脂血症など筋肉に関係する代謝疾患の改善も期待できるんですね。
*研究によると、運動のタイミングを患者のクロノタイプに応じて調整することで、運動の健康上の利点を最適化できる可能性がある。
概日リズム:サーカディアンリズムともいい、一般的には体内時計のこと。
クロノタイプ:生物の睡眠/覚醒サイクルの初期または後期、あるいはこれら2つの極端な状態の間の素因を指す。⬅︎ざっくり言うと時計遺伝子が朝型か夜型か、てこと。
zeitgeber
<ドイツ語>ツァイトゲーバー、同調因子◆体内時計・概日リズムなどを同期させる外的因子。明るさの変化・食事など。
時計遺伝子についても知りたい人はこちらが面白いです⬇︎https://ruo.mbl.co.jp/bio/product/circadian/article/index.html
2.運動は朝or夜〜どっちが効果的?
*2018年の体系的なレビューでは、運動が最適な健康とパフォーマンスをサポートするタイムキューとして時間生物学的ホメオスタシスを促進することが示唆された。
*運動介入は、覚醒時間と就寝時間の遅延/進行として定義される位相シフトを通じて体内概日リズムに影響を与えた。
⬅︎寝る前にブルーライト浴びて寝つけなくなったり、深夜勤務後に日中の眠気にあらがえなくなったり、、こういうのが位相シフトしてるってことです。
*ある研究では、座りがちな26人の成人を対象に5日間の朝または夕方の運動前後にdim light melatonin onset(DLMO)の測定を行った。その結果、朝の運動が夕方の運動よりも大きな位相前進シフトを誘発したことを示した。
⬅︎朝の運動の方が生活リズムを変えるのにより大きな影響があったということですね。前進、てことなので入眠時間も覚醒時間も早まったと言っています。
*さらに、研究者は、夜型クロノタイプは朝または夕方の運動どちらからも概日リズム調整の利益を得る可能性があるが、夕方の運動は朝型クロノタイプにとってはむひろ概日リズムのずれを促進する可能性があると結論付けた。
ポイント
・朝型になりたい人:朝、夜どちらの運動も○だけど、朝トレがより効果的
・朝型を維持したい人:朝トレが○。夜トレすると早朝覚醒したり就寝時間が遅まる可能性あり
具体的な結果を知りたい人はこちら⬇︎
朝の運動は、夕方の運動からの位相シフト(–0.02±0.18時間、P = 0.01)よりも有意に大きい位相前進シフト(0.62±0.18時間)を誘発した。クロノタイプも時限運動の効果に影響を及ぼした。後期クロノタイプでは、朝と夕方の両方の運動が位相の進みを誘発した(それぞれ0.54±0.29時間と0.46±0.25時間)。対照的に、初期のクロノタイプでは、朝の運動から位相が進み(0.49±0.25時間)、夕方の運動から位相が遅れました(–0.41±0.29時間)。
結論。
後期クロノタイプ(最も深刻な概日リズムのずれを経験する人=ひどい夜型の人)は、朝または夕方の運動によって誘発される位相の進みの恩恵を受ける可能性があるが、夕方の運動は、初期のクロノタイプの概日リズムのずれを悪化させる可能性がある。したがって、クロノタイプに基づいた個別の運動療法のタイミングにより若年成人の概日リズムのずれを軽減できると思われる。
クロノタイプについてもっと知りたい人はこちらが面白いです。夜型人間は鬱になりやすい?http://chronobiology.jp/journal/JSC2012-2-068.pdf
3.睡眠ホルモンと概日リズムの関係
睡眠ホルモンといえば、メラトニン
メラトニンは、藻類から人間までのすべての生き物に見られるホルモンである。高等動物では、メラトニンは脳の松果体のによって生成される。松果体はエンドウ豆とほぼ同じ大きさで、脳の中心にある。
*メラトニンはアミノ酸のトリプトファンから自然に合成され概日リズムの調節に役立つ。⬅︎トリプトファン→セロトニン→メラトニンの順で作られるのでセロトニンもちゃんと作れてないとメラトニンまで行きつかないのです。ストレスたまる→セロトニン(幸せホルモン)作れなくなる→メラトニンも作れなくなるの悪循環ですね、、、
*松果体によるメラトニンの生成は、視床下部の視交叉上核(SCN)の影響下にあり、視床下部は毎日、網膜から光と闇のパターンに関する情報を受け取る。⬅︎目から入る光の情報によって昼夜の認識をし、メラトニンが作られるんですね♬
メラトニンは、イネなどのさまざまな植物によっても合成される。摂取されたメラトニンは、体内で生成されたメラトニンとほぼ同様の効果があります。⬅︎人により効く効かないあります。
⬅︎メラトニンを含む食品を摂って睡眠が改善した、というのはケーススタディレベルでしかありませんが参考までにこちらの海外サイトをどうぞ⬇︎
メラトニンを含む食品https://www.webmd.com/diet/foods-high-in-melatonin
人体は、薄暗い照明の中では、就寝時刻の2時間前から独自のメラトニンを生成する。この自然な作用は「薄暗い照明下のメラトニン開始」(勝手に訳しました)(DLMO=dim light melatonin onset)として知られており、体を定期的な睡眠覚醒スケジュールに保つのに役立つ。今日、DLMOは、メラトニンレベルと概日リズムを測定するための利用可能な最良のテストである「ゴールドスタンダード」と見なされいる。⬅︎カナダの睡眠クリニックのドクターの意見です。
*したがって、DLMOテストを受けることは、人間の体内時計の乱れを発見して理解するのに非常に役立つ。
DLMOは、個人が24時間の明/暗サイクルに同調(同期)しているか、自走状態にあるかを判断するのに役立つ。 また、明るい光による影響や外部メラトニン治療などの治療に最適な適用時間を特定するのにも役立つ。⬅︎ブルーライトによる影響や、メラトニンの内服や外用剤を使用する際に就寝の何時間前に飲めばぐっすり眠れるか、というのを個々に特定できるということですね。
*通常、メラトニンの生成は光によって抑制され、暗闇によって促進される。このため、メラトニンは暗闇のホルモンと呼ばれている。
*メラトニンの分泌は深夜にピークに達し、夜の後半に徐々に低下する。わずかな光でさえ、メラトニンの生成をある減少させる可能性がある。
⬅︎だから、寝室は真っ暗にして寝ましょう♪
参考までに
DLMOテスト手順:
DLMOテストは睡眠ラボセンターで行われ、通常は午後8時から午前3時まで行われる。試験中、患者は薄暗い照明にとどまるように求められ、1時間ごとに綿球で噛んだ形の唾液のサンプルが収集される。
その後、サンプルのメラトニン濃度が測定されるが、テスト中、患者は各サンプルが収集される30分前に飲食することはできない。また、電子機器の使用は基本禁止。これらの機器はテストの結果を変える可能性があるため。 (たとえば、iPodの照明付き画面がテスト結果に影響を与えるとしたら、残念な結果になります。テストに費やした時間とお金はすべて無駄になるでしょう。とのこと)
研究全体を通して、患者はオレンジジュース、バナナ、カフェイン入り飲料を飲むことは許可されず、試験を受ける数日前から2週間前に、特定の薬が中止される可能性もある。
とのこと。マニアックですが興味深いですね。⬇︎
http://www.sleepontario.com/pamphlets/melatonin.pdf
最後に・・
患者の概日リズムを理解することは、臨床医が運動への介入やその他のライフスタイルをパーソナライズして、CVDの危険因子や慢性心血管疾患に対処するのに役立つ可能性のある1つの要素にすぎない。心血管・代謝の健康と、パーソナライズされた効果的で持続可能な治療戦略に関する最新の研究については、IFM(機能性医学機構)のAdvanced Practice Module(APM)で機能医学の専門家から詳細をご覧ください。
とのことです。引き続きIFMからの専門家情報を皆さんにシェアしていきますね♬
本日もお読み頂きありがとうございました!
Shie(●♡ᴗ♡●)
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