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きもの、はじめました。

きもの、はじめました。
2022年10月から着付けを習い始めたのでまだ初心者です。

フリーライターなので、外出予定がない時は家でも着ています。でも外に出かけることは滅多にありません。きものを着て外出したのは、今年(2023年)のお正月中だけ。それも近所の立ち飲み酒屋さんと犬の散歩でおしまい。理由は単純、自分の着付けに自信がないこと、外出先で着崩れたら直せないこと、きれいに帯を結べないこと、の3つです。

おそらく側から見たら「きものの人がいるなー」くらいなのでしょうけど、きものを着るとちょっと自意識過剰になってしまいます。どうもこれ「初心者あるある」らしいです。

先ほど「家で着ている」と書きましたが、オンラインで打ち合わせがある時は普段着に着替えます。きものを着ていると「なんできものなんですか?」と聞かれそうで。

もちろん聞かれて困ることはなく、「好きだから」「着たいから」が直接の理由なんですが、「なんできものが好きなんですか?」とか「なぜ着たいんですか?」とか尋ねられたら、ながーく説明することになってしまう……というよりうまく説明できないんですよね。

なぜなら「なんとなく」だから。

なぜきものをはじめようと思ったのか。ここで覚書ていどに、その決意の過程を綴っていきたいと思います。

adobe stock / adobe express

なんとなく、きもの

大正生まれの祖母は普段からきものを着る人でした。私も子どもの頃に祖母から着付けを習いましたが、着るのはお正月とか夏の浴衣、親戚の結婚式のような何か大きなイベントだけ。きものは文字どおり「晴れ着」でした。

大人になり、近年きものに興味を持つようになった背景には、いくつか理由が重なっています。まず2016年に発刊された『きもの文化と日本』という本を読んだこと。この本はタイトルにある「きもの文化」論というより、どちらかというと呉服業界の悪しき慣習にノーを突きつける内容なのですが、「戦前までの人々のほうが現在よりも楽に自由にきものを着ていた」ということがいろいろな角度から語られており、なかなかおもしろかったのです。

ではなぜこの本を読もうと思ったのか。それは当時わたしが「洋服に限界を感じていた」からです。だからなんとなく、きものに興味を持つようになりました。

洋服の限界?

当時わたしは40代を超え、似合う服が少なくなっていることに気が付いていました。太った、姿勢がわるくなった、老けた等々、外見の変化がもちろん大きな要因ですが、それ以上にファッションやおしゃれに対する感度がどんどん低くなりました。

べつにファッションセンスが高いわけではないのですが、20代、30代の時はウインドウショッピングや雑誌を見て(いまほどSNSが発達していなかったので)、「この服いいな」「こういう色を着てみたいな」と思うことがありました。40代になり、それがなぜか一気になくなってしまったんです。

……洋服の限界か……?

スカートでもズボンでもTシャツでも、デザインや色の違いこそあれ、「あーはいはいTシャツね」「寒くなってきたからセーターね」くらいの感じで、なんか「ときめき」がなくなったというか。「どこまで行っても洋服は洋服でつまらないなあ」と感じるようになりました。

コロナ禍の断捨離

という事情を抱えたまま洋服を着続けて4年後。コロナがやってきました。

時間ができたので、これ幸いと断捨離に挑戦。上にも書きましたが、例の「ときめき」メソッドで洋服を整理したところ、半分くらいが「もう、いいや」という感じでした。量もかなり多かったですし。

そこへ持ってきて、押入れにあった茶箱のなかから亡くなった祖母が母に残したきものがたくさん出てきたんです。

当時の状況(たとう紙に包まれたきものがたくさん出てきました)

デザインは共通、着付けや柄や帯の組み合わせで変わるきもの

改めて見ると、きものってデザインはどれも同じ。洋服のように流行があるわけではなく、なんなら100年以上前から変わっていません。

さらに乱暴に言ってしまえば、きものは男性用・女性用でデザインが極端に違うわけでもありません。ジェンダーフリーです。

だからきものは着付けの仕方で雰囲気が変わったり、柄と柄を組み合わせて世界観を作ったり(蝶のきものに花の帯を合わせるなど)、半衿や帯揚げの色や柄で変化を出したり、帯留に凝ったり、洋服とは違うおもしろさがあります。

「服なんか何だって着られりゃいい」という考え方もあるでしょう。でもまあ、残りの人生、どうせ服を着るのならば、ちょっとでもおもしろかったりときめきがあったりしたほうがいいなーと思って。

ということで、きもの、はじめました。

今年の目標は「きものでお出かけ」

そしていまさらですが2023年の目標です。それは「きものを着て普通にお出かけ」することです。

とはいえ、近所のスーパーとかコンビニとかにきもので行くのは勇気がいります。なんか噂になりそうで(←初心者の自意識過剰)。あと「きもの警察」が多数いそうなところも避けたいですね。歌舞伎座とか。

そういう条件を排除して「きものでお出かけ」が今年の目標! その過程も綴っていきたいと思います。

#このデザインが好き

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