STRAY SHEEP雑感(前編)
まさかの米津玄師がサブスク解禁したので新アルバム「STRAY SHEEP」の雑感をサッサカと。
カムパネルラからパプリカまで。
・カムパネルラ
宮沢賢治の銀河鉄道の夜の登場人物からきてるんだよねカムパネルラって。そういえば水曜日のカンパネルラって最近なにしてんだろうね。
米津さんって日本にある音楽の「型」に自分の世界をねじ込んで自分の型にしちゃう人なんだなって思う。カムパネルラは昭和ポップスな感じがする。昭和歌謡って表現嫌いなんだよね。山口百恵って歌謡では無いでしょ。いや、イメージだけど。
・flamingo
「何じゃこの曲すげぇな」の一言に尽きる。沖縄民謡というか、演歌というか。これもそういう「型」に米津玄師をねじ込んだ感じよね。これは声という楽器を多用してる。ボイパとか咳払いとかチャッチャチャとか。なるほど、こういう方向性で壊してくるのか…という。こういう手法を思いつくのは、やっぱこの人は才能が凄い。聴くたびに楽しい曲。
・感電
この曲が無かったらこのアルバムは聴いてないだろうな。僕が米津さんに惚れた一曲。MIU404が面白いドラマで良かった。米津さんの楽曲はというと綺麗で繊細で宵闇で、みたいな印象だったんだけど。その印象をぶっ壊してめちゃめちゃカッコいい「米津式ジャズ」に仕上げられている。ドラマのファンなせいでもあるけど「男の友情みたいな関係性」の尊さがこの一曲に全部詰まってる。傷だらけのオープンカーで男2人、真夜中の首都高を爆走してるのが目に浮かぶ。良い曲だなぁ。
・PLACEBO+野田洋次郎
PLACEBOは偽薬って訳されるけど、プラセボ効果となると「これは効果がある!」って思うと効いてくるという効果のこと。それを考えるとこの曲は面白い。「気の迷いじゃない嘘じゃない思い、思い込みじゃない、嘘じゃない思い」という歌詞も深みが出てくる。
それにしてもRADの時の野田さんとは全然印象違うなぁ。
・パプリカ
これには驚いた。「本人が歌うパプリカは全然違うぞ」と噂には聴いていたけど、ここまでとは。
Foorinが歌ってた時は「子どものユートピア」みたいなイメージだったんだけど、米津さんが歌うと、「大人が故郷を訪れて、昔の情景を段々と思い出していく」というストーリーが連想される。
人は髪型で変わるというけれど、音楽もアレンジでここまで変わるとは。恐れ入った。