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細かすぎるバルナックライカの便利技

バルナックライカは操作に独特な手順があり、現代の基準からみるとやや使いにくい面があります。
その代表的なものは回転式のシャッターダイヤルです。フィルムを巻き上げるとシャッターダイヤルが回転し、シャッターを切った瞬間も高速で回転します。問題なのは、このときシャッターダイヤルが正しいシャッター速度の位置で止まらないことです。
つまりフィルムを巻き上げる前はシャッター速度を確認したり変更したりすることができません。
文章では伝わりにくいので、画像で説明します。

フィルムを巻き上げる前はシャッター速度が指標の位置に合っていません
巻き上げた段階でシャッター速度が1/1000であることがわかります

そこで今回は、何らかの理由(後述します)で、フィルムを巻き上げる前にシャッター速度を確認したり変更したりしたい場合のちょっとした小技を紹介します。
※シンクロ機能のあるf型(If・IIf・IIIf)にしか使えません。

f型には、シャッターダイヤル基部にフラッシュ用のシンクロガイドというパーツがあります。

シャッターダイヤル基部にあるリング状のパーツがシンクロガイド
その下に刻んであるコンタクトナンバーに合わせるための切り欠きと指標がある

一度フィルムを巻き上げてシャッター速度を確認してからシャッターを切り、その数字が止まった位置にシンクロガイドの指標を合わせておきます。
すると、フィルムを巻き上げる前でもこの指標の位置に止まっている数字を読めば正しいシャッター速度が確認できるようになります。

この場合は1/1000秒です

この小技がどんなときに役立つかというと、例えばアクセサリーシューに外付けファインダーや露出計を取り付けるなどして、シャッター速度指標が読みにくい場合です。

外付けファインダーでシャッター速度指標が見えません

こういう場合は巻き上げた後の確認が難しいので、巻き上げる前に上記の方法で確認しておきましょう。
ちょっとしたひと工夫ですが、この問題で困っている人には意外と便利な小技ではないでしょうか。
以上、細かすぎるバルナックライカの便利技でした。

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