ライカとエルマーでスナップを
この写真はライカIIIfとエルマー50mmで撮りました。
日没前の難しいシチュエーションでした。逆光で、陽はどんどん山の端に沈んでいき、しかも雲が動くので適正露出は刻一刻と変化します。単体露出計と勘に頼りつつ頻繁に絞りとシャッター速度を変えながらの撮影でした。こんなときはエルマーの絞りレバーの位置と、バルナックライカのシャッターダイヤルの回しにくさがネックになります。このシーンはそれなりの枚数を撮りましたが、よいカットはほとんどありませんでした。
水面の反射を取り入れた画面構成としてイメージにあったのは、アンリ・カルティエ=ブレッソンの「サン=ラザール駅裏」です。
この写真もバルナックライカとエルマーで撮られたものです。
フィルムカメラ、とりわけバルナックライカのような操作に熟練を要するカメラは写真家のフィジカルとメンタルを鍛え、作品に深みを与えます。昔から一流と呼ばれる写真家たちがほぼ全員ライカを使ってきたのも、カメラやレンズの優秀さだけではない必然性があったのです。
とまあ大きなことを言っていますが、今の私の習熟度ではバルナックとエルマーの組み合わせは難しすぎます。現像したネガを見るたびに落胆が大きいので、しばらくは他のカメラを使おうと思います。
とはいえエルマーは別。うまく光を捉えたときの描写は圧巻であり、モノクロフィルムには最高の相性なので外すわけにはいきません。
というわけで、エルマーはM3に装着して使うことにしました。
明るくクリアな等倍ファインダー内に同時投影されるブライトフレームと二重像のおかげで、両眼を開けたままフォーカシングとフレーミングをシームレスに行うことが可能です。やはりM3は50mmの王者だなと再認識しました。
ライカメーターも使えるので、絞りは固定でシャッター速度を人差し指一本で変速させるという絞り優先的な使い方も可能になります。
Lマウント沈胴エルマーの華奢な鏡胴はM型の大きなボディには若干不釣り合いですが、銀河鉄道999に出てきそうなメカメカしい風貌となり、一種異様なカッコよさがあります。