LDKという住まいのテンプレが少子化の一因ではないかという仮説の走り書き

どっかに論文とか無いですかね

きっかけ

家事効率化事例を収集していて、とにかく食事に関連することが多いなと。まぁわかる。家事時間に占める料理関連の割合は高い。私は自炊のほぼソロ生活ですけど50%ぐらい。それで、ふと考えてみた。私の現状の台所環境で、何人分の食事を支えられるか。

ワンオペキッチンで支えられる人数を規定する要因

たぶん2つ。大量生産による規模の経済と、私が管理可能なタスク数の上限。

料理で1食分を作る労力を1とすれば、2食分を作る労力は1.1ぐらい。レシピや機材にもよるけど、効率の悪いレシピを使わず、適切な機材も揃えるとする。2食分作るのに1.2以上の労力をかけていたら何かが悪い。投入する労働力を増やすほど単位製造コストを下げる努力をする。

日常的に抱えて完遂し続けられるタスクの数には上限がある。例えば1時間の中に2のタスクを抱えている状態でタスク数+1されるのと、10のタスクを抱えている状態で+1されるのとでは後者のほうが圧倒的にしんどい気がする。脳からタスクをお漏らし始めたら、そこが料理の生産規模を大きくする限界。

現状の確認

台所のスペック。一昔前のシステムキッチン3口ガスコンロ、グリル1、オーブンレンジ1、最大5合の炊飯器1、シンク幅1m+、冷蔵庫470L

食事は外食無しのほぼ自炊。栄養バランスはあすけんのボディメイクコースで100点取れる水準。お昼の元気な時間に作り置きすることで朝晩に火を使わない。作り置きのメインは野菜スープ(10~12食分)と茹で鶏胸肉(皮なし・8食分)。お昼だけ焼きたての肉を食べたいという私の要望から生鶏肉と野菜をまとめて調理。毎食野菜スープ、朝晩は茹で鶏胸肉。間食でシリアル系。ごろグラ糖質オフ好き。きなこもチョコも。

最も時間がかかるのは野菜スープ。野菜を切りながら鍋に放り込みながら加熱し続けてシステムキッチンのタイマーを仕掛けてしまえばあとは待機時間。手を動かしている時間は30分未満。1食あたり3分未満。買い物など諸々の準備と片付けを含めると、料理の時間コストは1食平均10分前後。

野菜スープの具だけで生鮮食品1.5kgあるため買い物の時間と肉体コストが結構重い。

日々の食事は上記で固定。私は毎日同じものを食べても幸せでいられるタイプです。スープの出汁を洋風にするか和風にするかとか野菜に旬の手に入りやすいものを使うだとかやってますけど亜種に過ぎないので。

現状をスケールさせる想定

単純に人数を増やすとどうなるか

4人なら作り置き野菜スープ12食分が1日で消費される。規模の経済を考慮せず、コストと成果が比例するなら
10分x4人x3食=120分の料理コスト/1日
実際に大量生産方法や買い物、片付けを現状と同じやり方のままにすればこうなると思う。

料理だけで120分。これを家事時間全体の50%とするなら1日の家事時間は240分となる。そしてこの240分は、構成員が私と同様の大人である場合の話。子供が含まれるのであれば子供特有の諸々が追加される。同じものを食べ続ける前提ですら、4人家族をワンオペで支えるには4時間/日のコストが必要。

比較してみよう。例えば完全週休2日制で9時-17時の勤務なら7日間の平均は約5.7時間/日となる。

家事の4時間/日は、日常的に行う家事のみの話だ。2週に1回とか月1回とかを含めていない。

ついでに5人の場合を考えてみよう。10分x5人x3食=150分が家事全体の50%となるので300分が日々の家事コスト。ホワイト勤務を超えましたね。専業でも危ない。余力がなさすぎる。

伝統主義的家事効率化と規模の経済

冷蔵庫2、炊飯器2、大型食洗機2、大型自動調理機械、食材の宅配サービス。コンロも4口は欲しいですね。これぐらいあれば最低2倍の料理効率を実現できると思う。設備投資!

5分x5人x3食=75分
150-75=75分の短縮。これは料理だけなので、1日あたりの平均家事時間は
300-75=225分

6人なら
10分x6人x3食=180分
家事全体は360分
料理効率2倍で90分の短縮
360-90=270

7人なら
10分x7人x3食=210分
家事全体は420分
料理効率2倍で105分の短縮
420-105=315分

私が家事ワンオペで支えられるのは、計算上、6人まで。これより設備を増やしても管理し切れる気がしない。見積もりが雑な自覚はある。持病で定期通院が必要なので7人は多分無理。

LDKのKの大きさが養える人数上限を決める

私の知ってるLDKのKに冷蔵庫は1つしかない。炊飯器も1つ。食洗機も1つ。

家事専業者が配偶者1人と子供3人または4人を支えるには、Kではなく、KKとでも言うべきほぼ2倍のキッチンインフラを必要とする。そりゃ子供作れないよ。世帯人数が4人になった時点で、そもそもセックスの時間を捻出するのが難しくなってくる。

共働き共家事で子を3人以上授かろうとするならLDKKで2人とも料理をするのが適切だろう。

これの問題は、設備投資の額とタイミング。無理筋。金銭的に最頻値付近の夫婦に適用可能な手段ではない。

新技術主義的家事効率化はどこにあるのか

多産を前提とした早期の設備投資は無理筋。では、どうするか?

わからない。

LDKという最低限のK設備のまま料理(家事)コストを減らすには、社会的な家事インフラを充実させねばならないというのはわかるが、具体的にどうしたらいいかはまるで見当がつかない。パッと思いついて実行可能ならとっくに解決してるでしょうね。

工業化の時代には解決できなかったのだから、情報化の時代で何とかならんだろうか。どんな情報があればいい?

例えば、家事の大規模化を安価に家から外部化できればいい。たぶん輸送が問題。輸送コスト最小化のための情報?

家事ロボット?安価で供給されるなら良いのだけど。せめて軽自動車ぐらいの価格とライフスパンで。

ところで、ここまで書いてみたけど、私自身が家庭を作るほうが少子化解消より難しい気がしてきた。職なし職歴なし資格なし、定期通院の必要な自己免疫疾患と猛毒実家持ち中年男性です。よろしくお願いします。

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