「ジェームズ・ボンドが乗っている」という広告手法
ミーハーだからか、映画とかドラマの中に登場する商品とか、主人公が使った商品とかに憧れます(笑)
分かりやすいところでいくと、『007 スペクター』でダニエル・クレイグが乗っていた『アストンマーティン DB10』がやたらカッコ良かった・・・。
「スペクター」に限らず、007シリーズでジェームズ・ボンドが乗っている車は「ボンドカー」と呼ばれるなど、注目されますよね。
「ジェームズ・ボンドが乗っていた」というだけでカッコイイ。ファンになる。
まずは映画をきっかけにして知り、その後の生活動線上でもアストンマーティンとの接点が出てきます。
例えば、都会の道路を歩いていると、アストンマーティンが実際に走っているのを見かけることがあります。あとは、アストンマーティンが駐車されていたり。
その時、「あ、ダニエル・クレイグが乗ってたクルマだ!」とテンションが上がります。
更に、その時一緒に歩いていた人にも、「あれは007でダニエル・クレイグが乗ってたクルマでさぁ」と話したりなんかします。
ついでに、そのアストンマーティンから降りてきた人がカッコイイ人だったりすると、ますますカッコ良く見えますよね。
つまり、
街・道路・駐車場・・・すべてがメディアになっていると言えます。
街がショールームになっているとも言えるかと思います。
しかもメディア費・プロモーション費はタダ!
ところで、アストンマーティンが日本でマーケティング活動を大々的にやっているかと言うとそんなこともないと思います。
テレビCMもそんなに流していないと思うし、屋外広告とかのテレビCM以外の広告もあんまり見たことがありません。
それでも日本市場で、ブランド認知率がきちんとあって、ブランドへの好意度も高いと思われるのですが、これには、ボンドカーとして登場したことも一役買っているような気がします。
広告をうたなくても、消費者はこれだけ勝手に育つという・・・。
普通は、企業が出す広告って、忌み嫌われるものです。
CMの間にそそくさとトイレに行ったりするし、youtube広告も見たくないからyoutube premiumに入ったり。
しかし、こういうふうに映画やドラマの中に商品を登場させる手法なら、嫌われるどころか好感をもってもらえるんじゃないか?と思います。
映画やドラマの制作側にはフィーをいくらか支払えば、制作サイドも予算が増えてWin-Winだし・・・。
ときに、この手法は画期的なんじゃないか?!
この手法をメインにした広告代理店があったら面白いんじゃ・・?
とかとか思ったりもしたのですが、成熟した世の中ですから、あの手この手は既に尽くされている訳で・・・。
既にフツーにそういう手法があるらしいです(笑)
「プロダクトプレイスメント」という手法のようです。
wikipediaによると、アメリカではプロダクトプレイスメントを専門とした広告代理店があるらしいです。さすがマーケティングの発祥の地・最先端の地という感じです。
プロダクトプレイスメントの他の例も考えてみます。
例えば、私は、「白い巨塔」(唐沢寿明版)の中で財前五郎がデュポンのライターでタバコに火をつけているのを見て、「カッコイイーー!」と感激していました。
(実際、調べたら高価すぎて購入する訳にはいきませんでしたが・・・。)
あとは、キムタクが「HERO」で着ていたダウンジャケットも爆売れしたらしいですね。
プロダクトプレイスメントのいいところの一つは、広告感が無いことだと思います。
押しつけがましくなく、それでいてストーリーやシーンにマッチしていれば、商品が一層よくみえる・・・。
プロダクトプレイスメントを拡大して考えてみると、
「商品」×「映画、ドラマ」だけではなく、
「商品」×「楽曲」
「商品」×「小説」
などなどバリエーションがありそうですね。
聖地巡礼とかも、プロダクトプレイスメントと近しいカテゴリーかもしれません。
(例)「君の名は。」で、四谷の階段が聖地になったり・・・。
今後も、色んなプロダクトプレイスメントのケースを採集してみたいです。
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