アナ伝視聴しました。


※この記事は前田隆太朗目当てでアナ伝視聴したオタクが書いてます。なので半分くらいヘルシング教授のこと書いてる。それでもよければどうぞ。

観た人向けに書いてるのでネタバレ配慮もなにもないです。ご注意ください。
もし観てない方で、なんの因果かこの記事にたどり着き、読んでやってもいいぞという奇特な方がいたら(いないだろうけど)、ストーリーとか登場人物は公式サイトに載ってるので見てください。

公式サイト▶http://www.ana-den.com/

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アナ伝観ました。配信だけど。これが2年前と変わらない情勢だったら、軽率にチケット取って現場に行ってたんだろうなぁと思いながら配信チケット買った。私も現場でペンラ振ってキャーキャー言いたかった。


アナ伝、正直あんまり期待しないで観てたんですけど(2部はアイドルみたいなライブ形式だし)、とんだスルメ舞台だった。舐めてて大変申し訳ありませんでした。


アーカイブ見れば見るほど色々考えてしまう。何回も見てしまう。この3日間くらい、ずっとヴァン・ヘルシングのこと考えてる。
本当はもっとカールくんのこととか、ヴラドⅢ世のこととか、モリスのこととか、セワードのこととか、いっぱい考えたいことあるんだけど、ちょっとヴァン・ヘルシングのことで手一杯でそっちにリソース当てられない。無理。


いや、ヴァン・ヘルシング教授……深い……深いんだよ考え始めると……ボソボソTwitterで壁打ちしてたけど、検索してみるとこんなごちゃごちゃ考えて勝手にしんどくなってる人ひとりもいなくて笑った。そうかい私だけかい。知ってた。


愛する人がヴァンパイアになってしまったから、「せめて自分の手で楽にしてあげたい」と申し出るハーカー(主人公)に対して「それは自己満足だ、自分のために愛する者を手にかける罪を背負う覚悟があるのか」と問うヘルシング教授が、自身も家族をヴァンパイアにされ、自らの手で葬ったと過去を語る表情が切ない。いや、前田隆太朗演技上手いんだよ。マジで。



Twitterでもボソボソ壁打ちしてたけど、ヴァン・ヘルシング、「せめて自分の手で愛する人を楽にしてあげたい」という思いが自己満足であることに自身で気付き、それを受け入れ、「罪」として背負いながらもなおヴァンパイアを狩り続けているという、とんでもなく強い男だった。でも家族の仇であるミルチャに会ったとき「俺はこの日のために生きてきた」と笑う彼を見ると、やっぱり根底にあるのは復讐なのだな……としんどくなる。いや、だから前田隆太朗演技上手いんだよ。マジで。


あとこの台詞が人間サイドから出てくるのってこの時代において相当なことなのでは、と思ったり。いや、宗教史全然詳しくないのでわからないんですけれども。この時代、しかも一神教だったら神の存在を疑うことってないのでは? ヘルシング教授が「祈っても無駄だ、何の解決にもならない」(うろ覚え)って言うのはそれを実体験として知っているからなのでは、と思うとしんどくてな……。彼は普段ヴァンパイアハンターとして人ならざるものと対峙してるから、神の存在だって感じていても良いはずなんだけれど。人ならざるものと対峙してるからこそ、誰よりもリアリストというか。戦いの最中でも冷静に状況判断してるしね。まぁ、それは彼の今までの経験と、聡明さからそういうことが出来るんだろうね。

ヴラドⅢ世も同じように「祈っても無駄だ」と斬り捨てますけれど、それは教えに背いたジャスティナを地獄に落とすような神は信仰しないという考えがあってのことだろうし、彼は誰よりも神に、運命に翻弄されている人だと思うので、祈ったとしてもこちらの望むようなことはしてくれない、とわかっているからこの台詞が出てくるのかな。

ヘルシング教授のことに戻りますけれど、家族の仇をとり、さらにカールという唯一無二(だといいな)の助手を失ったとしても彼はヴァンパイアを狩り続けるんだろうな。大切な人をヴァンパイアにされた悲しみを知っているから。「罪」を背負うのは自分だけでいいと思っているのだろうか……。わからん。けどしんどいのだけはわかる。


まぁ、全部私の妄想なんですけれども。


たぶんこれ生で観てたら普通に「面白かった〜ヘルシング教授かっこよかった〜」で終わったんだろうな。配信だから何回も見てしまう。し、ぐるぐると色々考えてしまう。
オリジナルの舞台で、こんなに登場人物のこと考えたのはヴァン・ヘルシングで2人目だよ。

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リソース当てられねぇ状態だったけど数日経ってちょっとだけ余裕出来たので、千秋楽公演見ながら思ったことぽちぽちと。登場人物全員に言及してるわけではないです。ちょっとそこまでの余裕はなかった。

まず話の作りが普通に面白いよね。王道っちゃ王道なんだけど。最後まで見て、結末を知ってからもう一度見ると、伏線いろいろ張られてて面白い。


ジョナサン・ハーカー、王道主人公って感じだわね〜と思って見てたけれど、終わってみると一番しんどい状況になったのは彼なのでは……と思った。学生時代からの友とさらに愛する人を自ら手にかけ、新しく出来た友も戦いで失い、彼に残されたものは何なんだ……と呆然としてしまった。これからどういう人生を歩んでいくんだろう。ヘルシング教授と一緒にヴァンパイアハンターになったり……しないか。


ジョン・セワード、熱血王道主人公の隣にいる拗らせ男だ〜!拗らせの果てに闇堕ちするタイプね。嫌いじゃない。自分には持っていないものを持っているハーカーが眩しくて羨ましくて仕方ないんだな。わかる。ハーカーもそれに気付くようなタイプではないし、セワードも気付かせるタイプではないしね。闇堕ちしたのは彼の弱さだけれど、仕方ないというか……理由が理由なので、憎めないところはあるな〜と。

クインシー・モリス、ただのうるさい男じゃなかった。題材が題材だからか、暗くなりがちな雰囲気をパッと明るく変えてくれる。華やかさがある。それでいて熱い心があって、彼は一貫してブレない芯の強さもあって、見ていて安心できる人物だったな、と思った。


カールくん、紹介でマッドサイエンティストと謳われているくらいなので、変わり者なのはわかっていたけど、ヘルシング教授に認められて好きなことを好きなだけ出来ているのを見ると、彼が言う「幸せな変わり者ってわけ!」という台詞は本心なんだろうな、と。楽しそうでいいよね。身を挺してヘルシング教授を助けたり、「これからもおまかせください」って遺言残すあたり、彼にとってヘルシング教授の存在ってかなり大きいのだな……と思って泣きそうになった。いや、絶対自分で死ぬってわかってるでしょあの状況。その上であの台詞って、死にたくない、これからも教授と一緒にヴァンパイアハンターやりたいっていう彼の本心の現れよね。


ヴラドⅢ世、運命に翻弄された人だなぁという印象。世界を支配するだの、結構大掛かりなことしようとするけれども、言ってることはわりと的を得ているというか、進化論を出して人類の驕りを語るあたり、なるほどな〜と納得した。迫害に堪えられず反旗を翻すっていうのはいつの時代でも当たり前に繰り返されてきたことだしね。最期、ヘルシング教授の「なぜハーカーの血を飲まなかった」という問いに対して「もう一度あの男を信じてみたかった」という答えが彼の本心なんだろうなぁと思う。かつて国の未来を語り合った友とも言える男は、裏切られたとしても彼にとって大きな存在だったのだろうなぁ。

3日とも配信観ましたけれども、ヘルシング教授の「操り人形にすぎない」というセリフの言い回しと仕草は18日がいちばん好きだったな。洋画っぽくて。あそこのシーン、ヘルシング教授がどんな人物か見せなければいけないっていうのもあってか、全体的に芝居がかっていて好き。歌は意味わかんなかったけど。ヘルシング教授がかっこいいこととカールくんがかわいいことだけはわかった。

やっぱ舞台っていいね。次は生で観たいな。

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