「一日」(尾形亀之助著、西尾勝彦編『カステーラのような明るい夜』より)
君は何か用が出来て来なかったのか
俺は一日中待っていた
そして
夕方になったが
それでも 暗くなっても来るかも知れないと思って待っていた
待っていても
とうとう君は来なかった
君は一緒に話しながら食おうと思った葡萄や梨は
妻と二人で君のことを話しながら食べてしまった
尾形亀之助著、西尾勝彦編『カステーラのような明るい夜』収録
発行:七月堂
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