noteの販売手数料がバカ高いと思ったので他のオンライン決済サービスと比較してみた
こんにちは、しちゃうおじさん(以下、「しちゃおじ」)です。
noteでコンテンツを販売したときに引かれてしまう手数料って「バカ高い」と思ったことありませんか?
noteの場合「コンテンツを販売する際に引かれる手数料」として「決済手数料」「プラットフォーム利用料」「振込手数料」の3つが必要になってきます。
例えば、有料記事を販売したときの手数料率としては、クレジットカード決済で15%、携帯キャリア決済で25%にも及びます。
※追記:2022年3月より「クレジットカード決済」「携帯キャリア決済」に加えて「PayPay決済」が追加されました。「PayPay決済」の手数料率は7%となっていますので、有料記事を販売しているクリエイターからすると(もちろん「しちゃおじ」も)「PayPay決済」は大歓迎という形になります。
どうしても高く感じてしまうのが「プラットフォーム利用料(10%・20%)」の分です。
これはnoteが他の類似サービスとは異なり、広告というビジネスモデルを採用していないことによるものです。
note株式会社のビジネスモデルは、「広告モデル」ではなく「クリエイターのコンテンツ販売による手数料モデル」となっています。
note株式会社が、クリエイター視線で考えクリエイターに寄り添いクリエイターを最大限にバックアップしている理由は、クリエイターの創作活動こそがnote株式会社の生命線だからです。
ですので、noteが好きでnoteを書いていてnoteでコンテンツ販売をしている人は、『販売手数料がバカ高い!』と文句を言ってはいけません。
また、ウザったい広告なしで気分良くnoteを書いている方は、コンテンツ販売をしてnoteを影で支えているクリエイターさんに感謝してください!
というわけで、noteの割高な「プラットフォーム手数料」については、なんとなく納得できたかなと思います。
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さてここからは『別にnoteが好きなわけでもないし、バカ高い手数料を徴収されるくらいなら、他の決済プラットフォームへ行くわ!』という方のために書きたいと思います。
noteの記事から自分のホームページなどへリンクを飛ばして、そこで決済する形をとればnoteの割高な販売手数料を免れることが可能です。
「Brain」とか「インフォトップ」とかは、特殊な感覚を持った方々の専用プラットフォームなので省きたいと思います。
ここでは、2021年6月現在での「PayPal」と「STORES」を「note」と比較していきます。
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note(ノート)
まず、比較しやすいようにnoteでのシミュレーションをします。
コンテンツ販売で、月商「10,000円」「100,000円」「1,000,000円」のケースにて、販売手数料を差し引いて実際に手にすることができる入金額を試算していきます。
サンプル数が少ないのであまり参考になりませんが、このnoteでの有料記事の決済種別は「クレジットカード決済:2/3」「携帯キャリア決済:1/3」です。
一応この比率(5%×2/3+15%×1/3)を使って「決済手数料」は8.3%としておきます。「プラットフォーム手数料」は有料記事の10%とします。
noteの計算式は、売上-8.3%(決済手数料)-10%(プラットフォーム利用料)-270円(振込手数料)=入金額です。
月商10,000円の場合
10,000円(売上)-830円(決済手数料)-917円(プラットフォーム利用料)-270円(振込手数料)=7,983円(入金額)
月商100,000円の場合
100,000円(売上)-8,300円(決済手数料)-9,170円(プラットフォーム利用料)-270円(振込手数料)=82,260円(入金額)
月商1,000,000円の場合
1,000,000円(売上)-83,000円(決済手数料)-91,700円(プラットフォーム利用料)-270円(振込手数料)=825,030円(入金額)
実際に試算してみると、想像していたよりも販売手数料が嵩んでいます。
noteでの販売手数料は、月商10,000円で20,17%、月商100,000円で17,74%、月商1,000,000円で17,49%に及びました。
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PayPal(ペイパル)
さて、次はPayPal(ペイパル)です。
2021年6月10日現在、PayPalの「決済手数料」は国内取引で3.6%+40円/回です。「振込手数料」は5万円未満250円、5万円以上無料です。
noteで言うところの「プラットフォーム利用料」はありません。
PayPalの場合、決済回数ごとに40円の手数料がかかります。
試算するにあたって、売上金額だけでなく決済回数が必要ですので、売上は全て1,000円の有料記事と想定します。月商10,000円の内訳は、1,000円×10記事になります。
PayPalの計算式は、売上-(3.6%+40円/回)(決済手数料)-0 or 250円(振込手数料)=入金額です。
月商10,000円の場合
10,000円(売上)-(360円+400円)(決済手数料)-250円(振込手数料)=8,990円(入金額)
月商100,000円の場合
100,000円(売上)-(3,600円+4,000円)(決済手数料)-0円(振込手数料)=92,400円(入金額)
月商1,000,000円の場合
1,000,000円(売上)-(36,000+40,000円)(決済手数料)-0円(振込手数料)=924,000円(入金額)
PayPalでの販売手数料は、月商10,000円で10,1%、月商100,000円以上で7,6%となりました。
PayPalでの決済手数料のポイントは、40円/回の部分です。
ですので、単価が安ければ安いほど売上に対する「決済手数料」が割高になり、単価が高ければ高いほど売上に対する「決済手数料」が割安になります。
上記は、単価を1,000円の有料記事としましたが、単価10,000円でしたら以下になります。
月商10,000円の場合
10,000円(売上)-(360円+40円)(決済手数料)-250円(振込手数料)=9,350円(入金額)
月商100,000円の場合
100,000円(売上)-(3,600円+400円)(決済手数料)-0円(振込手数料)=96,000円(入金額)
月商1,000,000円の場合
1,000,000円(売上)-(36,000+4,000円)(決済手数料)-0円(振込手数料)=960,000円(入金額)
単価10,000円の場合の販売手数料は、月商10,000円で6,5%、月商100,000円以上で4,0%となりました。これはとても魅力的な数字です。
高額決済であればあるほど、PayPalを導入したくなります。
なお、PayPalでの決済方法はクレジットカードかデビットカードのみです。noteで利用可能な「携帯キャリア決済」はできません。
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STORES(ストアーズ)
最後に、STORES(ストアーズ)です。
STORESには、「フリープラン」と「スタンダードプラン」の2つがあります。
2021年6月10日現在、「フリープラン」は月額料金が0円で「決済手数料」が5%です。「スタンダードプラン」は月額料金が2,178円で「決済手数料」が3.6%です。「振込手数料」は1万円未満550円、1万円以上275円です。
STORESも、noteで言うところの「プラットフォーム利用料」はありません。
まず、「フリープラン」から試算してみましょう。
STORES「フリープラン」の計算式は、売上-5.0%(決済手数料)-275円(振込手数料)=入金額です。
月商10,000円の場合
10,000円(売上)-500円(決済手数料)-275円(振込手数料)=9,225円(入金額)
月商100,000円の場合
100,000円(売上)-5,000円(決済手数料)-275円(振込手数料)=94,725円(入金額)
月商1,000,000円の場合
1,000,000円(売上)-50,000円(決済手数料)-275円(振込手数料)=949,725円(入金額)
STORES「フリープラン」での販売手数料は、月商10,000円で7,75%、月商100,000円以上で5,27%、月商1,000,000円で5,02%となりました。
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次に、「スタンダードプラン」での試算です。
STORES「フリープラン」の計算式は、売上-3.6%(決済手数料)-275円(振込手数料)-2,178円(月額料金)=入金額です。
2,178円の月額料金は売上から引かれるわけではないですが、他のシミュレーションと比較するために差し引いて実質の金額を把握します。
月商10,000円の場合
10,000円(売上)-360円(決済手数料)-275円(振込手数料)-2,178円(月額料金)=7,187円(入金額)
月商100,000円の場合
100,000円(売上)-3,600円(決済手数料)-275円(振込手数料)-2,178円(月額料金)=93,947円(入金額)
月商1,000,000円の場合
1,000,000円(売上)-36,000円(決済手数料)-275円(振込手数料)-2,178円(月額料金)=961,547円(入金額)
STORES「スタンダードプラン」での販売手数料は、月商10,000円で28,13%、月商100,000円以上で6,05%、月商1,000,000円3,84%となりました。
『えっ?安い!』
しかも、決済手段は「フリープラン」であっても「クレジットカード」「翌月後払い(Paidy)」「コンビニ決済」「銀行振込」「PayPal」「キャリア決済」「楽天ペイ」があります。
「スタンダードプラン」になると、上記の決済手段に加えて「代引き」と「Amazon Pay」も加わります。
STORESは、UX(ユーザーエクスペリエンス)的に物販サイトに最適化された決済サービスかと思いますが、それを気にしないのであれば「PayPal」も含まれているし、今のところベストな選択肢なのかも知れません。
ちなみに、STORESでは月商20万円を超えてくるあたりから「フリープラン」よりも「スタンダードプラン」の方がお得になります。
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「Brain」と「インフォトップ」
省くと言っておきながら、「Brain」と「インフォトップ」について少しだけ言及しておきます。
ネットビジネス初心者の方は、「なんでこんなにも怪しいプラットフォームを使うのだろう?」と訝しがるかも知れません。
画面を開いた瞬間に『お、おぅ…』と普通の感覚をお持ちの方ならひいてしまいますよね。
これらのプラットフォームには、アフィリエイトという拡散機能が備わっています。
販売者がアフィリエイト料率を高く設定することで、アフィリエイターが精力的に販売者の商品・サービスを他人に紹介してくれるのです。
アフィリエイト料率は50%が基本だと思ってください。
昔のインフォトップではフロントエンド商品をアフィエイト料率100%に設定していた販売者もたくさんいました。
100%に設定してしまったら売上の全てがアフィリエイターの取り分になってしまいますが、販売者はバックエンド商品で利益を確保するので問題ありません。
ビジネスは集客がもっとも難しいので、アフィリエイト機能によって集客ができることは販売者にとって魅力的なことなのです。
また、これはこういったプラットフォームを利用している販売者自身が「自覚しているのか?無自覚なのか?」は不明なのですが、彼らはターゲッティングが上手です。
彼らのターゲットは、「情報弱者」であり「ノウハウコレクター」です。
販売者が自覚してやっているとしたら「儲けのためなら手段を選ばない人」であることの証明ですし、無自覚でやっているとしたら「感覚がズレてしまっているアレな人」であることの証明です。
世の中には、「そういった販売者が存在し、そういったものを求める購入者がたくさんいる」という現実を知るために、これらのプラットフォームを利用してみるのは良いかと思います。
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さて、決済サービスの比較に戻ります。
先述の試算にて「note」「PayPal」「STORES」での各売上金額に対する入金額がわかりました。
ただ実際には、単純な各種手数料の多寡だけでは決済サービスを選択することはできません。
例えば、noteの記事から決済サービスを導入した自分のサイトなどにページ遷移してもらうだけでも、必ず一定の割合で読者は離脱してしまいます。
それはつまり、CVR(成約率)が落ちてしまうことを意味します。
販売手数料が安価になったとしても売上自体が下がってしまうのです。おそらく10%は下がるでしょう。
このことまで考慮して、独自の決済サービスを導入するべきでしょうか?
あなたのnoteの月商を12倍して、各種決済サービスごとの入金額を試算してみてください。
おそらくですが、noteから独自決済サービスへ移動することによる読者の離脱を考慮すると、独自の決済サービスを導入するメリットを感じることは少ないでしょう。
間違いなく月商10万円・20万円のレベルで悩むようなことではありません。
独自の決済サービスを考えるのであれば、その分noteで販売するコンテンツの価格を10~20%ほど見積もって価格設定しておく方がスマートです。
あなたのブランディングが成功してコアなファンがたくさんついてきてくれたなら、それこそnoteブランドに頼る必要はなくなります。
高額の商品・サービスを展開するタイミングにて、独自の決済サービスの導入を検討するのが良いのではないでしょうか?
note有料記事の「販売価格設定」については、以下の記事を参考にしてください。
noteでの有料記事の書き方につきましては、以下の記事を参考にしてください。
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以上 - noteの販売手数料がバカ高いと思ったので他のオンライン決済サービスと比較してみた – でした。
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