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シブヤごはん散歩No.3 裏渋の名店「ひしゅうや」で宮崎グルメを堪能する(前編)

渋谷駅から徒歩8分、京王井の頭線 神泉駅から徒歩2分。個性的なお店が点在する裏渋谷通りの名店、宮崎料理専門店の「ひしゅうや」。窓一面に貼られた筆文字のメニューに見覚えのある人も多いのでは?

今週は、ひしゅうやさんの魅力をたっぷりお届けします!


宮崎の郷土料理をカジュアルに楽しめる

宮崎の郷土料理やお酒をリーズナブルに提供しているひしゅうやさん。店内に一歩入ると、ずらりと並ぶ焼酎の瓶に目を奪われます。

メニューを見ると、「宮崎地鶏の炭火焼き」「チキン南蛮」など、宮崎ならではの料理がずらり。料理に使う食材も、可能な限り宮崎から運んでいるのだそうです。たとえば、郷土料理の「おび天」は、イワシのすり身を揚げた練り物の一種。ひしゅうやのおび天は、宮崎から運んだイワシをお店ですり身にして揚げているのだとか。

「魚に限らず、鶏肉、牛肉、野菜、果物に至るまで、宮崎には特徴的な食材がたくさんあります。」
と教えてくださったのは、ひしゅうやを経営する株式会社日州舎の代表取締役 川野祐嗣さんです。

「鶏や宮崎牛など宮崎の特産物はもちろん、にんじんなどの一般的な野菜も甘さが違ったりするんですよ。そういうものをお出しすれば、お客さまも喜んでくださる。輸送費などのコストはかかりますが、これぞという食材は、可能な限り宮崎から運んで使っています」

ときどきは、地元の農家さんから届いた珍しい野菜が店頭に並ぶこともあるのだそう。ひしゅうやの「ひしゅう」とは「日州」、つまり日向国(ひゅうがのくに=宮崎県の旧国名)のこと。渋谷にありながら、宮崎と強く結びついたお店なのです。

これぞ宮崎!ひしゅうやのチキン南蛮

宮崎といえばやっぱりチキン南蛮!ひしゅうやさんでも、常連さん、初めて来店する人問わずよくオーダーされているというチキン南蛮をいただきました。

チキンが見えないほどたっぷりかかったタルタルソース。あっさり味なのでチキンの味とよく調和しています。

チキンは箸ですっと割れるやわらかさ。とろーっと流れ込んだソースがよくからみます。

揚げたての鶏肉を甘酢にくぐらせ、おぼれるぐらいのタルタルソースがかかったチキン南蛮。もも肉を使うことでジューシーにしつつ、甘酢もタルタルソースもさっぱりめなのがひしゅうや流です。ご飯はもちろんのこと、お酒が進んでしまいそうです。

ところで、なぜ宮崎といえばチキン南蛮なのでしょうか?川野さんに伺ってみました。

「宮崎は養鶏が盛んです。モモ肉に比べると余ってしまいがちなムネ肉を使って県内のお店が始めたのがチキン南蛮。チキン南蛮といえばタルタルソースのイメージが強いと思いますが、実はそこは必須ではなく、県北の方はタルタルソースがないタイプのものが多いですよ」

とのこと。ひしゅうやのチキン南蛮はタルタルソースのあるタイプ。卵の風味と玉ねぎのシャキシャキ感が、マイルドなコクを与えてくれています。

宮崎においしいものが多い理由

宮崎といえば海の幸も山の幸もバラエティ豊かに味わえる食材の宝庫。その秘密はやはり、豊かな自然にあるようです。一年を通して温暖な気候で、日照時間も長いためおいしい野菜が育つ、と川野さんも話します。

「メニューをみて、『これは何ですか?』と聞いてくださるお客さんも多いですよ。おび天なんか知られていないですからね。チキン南蛮や地鶏は他でも召し上がったことがある方がほとんどだと思いますが、それでも「やっぱりうまいね」と言っていただけると嬉しいですね。」

また、ひしゅうやさんを訪れたらぜひ楽しんでいただきたいのが焼酎。ひしゅうやさんの焼酎はすべて宮崎のメーカーのものなのだとか。宮崎は、沖縄を経由して入ってきたとされる焼酎づくりが盛んです。気温が高いため、発酵の温度管理が必要な日本酒の代わりに焼酎が根付いた、という経緯があるようです。

「焼酎はリーズナブルで気軽に飲めるのも魅力です。また、一般的な焼酎は25度のものが中心ですが、宮崎の焼酎は20度。アルコール濃度が少し抑えられている分、量も進んじゃいますけどね」と川野さん。

宮崎の焼酎、おすすめの楽しみ方は?伺ってみると、

「少し上の世代はお湯割りが主流でしたが、僕らより下の世代は、ロック、水割り、お茶割り、ソーダ割り、と好みにあわせてなんでもありです。

うちは決してオシャレ系ではなく、むしろ昭和系の店です(笑)。料理もお酒も、肩肘張らずにカジュアルに楽しんでいただければ」(川野さん)

店舗情報

ひしゅうや
住所:東京都渋谷区円山町18-2 藤田ハイツ 1F
予約・問い合わせ:03-3463-0075
営業時間:
月・火・水・木・金
 ランチ:11:30 - 13:30(L.O. 13:00)
 夜:17:30 - 23:30(L.O. 22:00)

 夜:17:30 - 23:30(L.O. 22:00)
日・祝日
 定休日

ライタープロフィール

八田吏(はった・つかさ)
シブヤ散歩新聞副編集長。ライター/ディレクター。産前産後の家庭と産前産後の家庭とサポートのプロをつなぐマッチングサイトMotherRingディレクター。自宅から一番近い繁華街が渋谷なので、映画に行くのも友達とのお茶も、本や洋服などの買い物も、だいたい渋谷区内で完結しています。

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