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茶道に学ぶ目に見えないものの大切さ①~メタ視点での予習・準備~

前回の記事で、昨年のアウトプットで一番刺激になったのはお茶会でのお点前だったと書きました。
一口に薄茶のお点前をするといっても、その裏には、ただお点前の手順を憶えること以外にも様々な物事が隠れているのです。


取り組む対象の全体をとらえる

茶道の稽古はすべて、茶事でお客さんをもてなすためにあります。

「茶事」とは、いわゆるお茶会のこと。茶事にもいろいろな形態がありますが、代表的、というか基本的なものに「正午の茶事」というものがあります。お昼に懐石料理を召し上がっていただき、濃茶(こいちゃ。抹茶のエスプレッソみたいなもの)と薄茶をふるまう、日中に行う茶事ですね。

要は昼メシを食って茶をシバく会なのですが、スムーズにいってもスタートからラストまで4時間程度かかる壮大なランチ会です。

私が担当させてもらったのは、会の流れのなかで最後にある薄茶の席なのですが、これをやるだけでも相当な準備が必要になります。

  • 着物を着る

  • 袴をつける

  • 抹茶を濾して棗に入れる(だけじゃなくて形も整える)

  • 茶碗を選んで温める

  • 茶碗に道具を仕込む

  • お菓子を出す

  • 道具の名前や由来などを憶える(あとでお客さんから訊かれる)

etc・・・

主体的に予習・準備をしよう!


これら以外にも、当然としてお点前の流れそのものをしっかり覚えなければなりません。
お点前そのものは普段の稽古でよくやっている基本的なお点前なのですが、改めてイメージしたところ、必要な前準備をほとんど意識できていなかったことに気づきました。

  • 着物の着付けがあやしい

  • 袴の着方はもっとあやしい

  • 当日の道具の作者とか全然知らない

  • 茶事自体が初めてで流れわからない

etc・・・

普段の稽古ではどうしても、先生が準備してくれた環境で目の前のお点前をこなせればOKになってしまう。
自分がやる立場で考えると、全体の中で今の自分に何が足りなくて何が必要かが明瞭に見えてくるんですね。

ということで、お茶会前の一週間は毎日、着付けやお点前を復習したり、当日の道具の蘊蓄を覚えたり、教則本を参考にしながら全体の流れを確認したりして準備をしました。

結果、当日は何とか大きな失敗もなくクリア。
お客さんからも「美味しいお茶をありがとうございました」と言っていただき(初心者に対するリップサービスかもしれませんが・・・)、準備しといて良かったなと思えました。

全体をとらえて必要な予習・準備をするということを学べた、意義のあるアウトプット経験でした。

ではまた次回。

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