2022年の元旦には、あけましておめでとう、と言おう。
この数日ずっと、お笑い番組ばっかり観ていた。
12月30日、公式YouTubeにはアップされていないけれど、今年のM-1のアナザーストーリー的番組をやっていた。2020年、最後に泣いた番組だった。
M-1グランプリ2020でマヂカルラブリーが優勝してから、熱が冷めない。
漫才への熱ではなく、熱く生きるということを渇望する気持ちが冷めない。
あれから、マヂカルラブリーのネタも観ているけれど、野田クリスタル氏のインタビューをひたすら観、M-1に対する愛憎入り交じる言葉を追いかけている。
今日は暦の上では、2021年1月1日だった。
元旦。
元旦の午前0時は「西暦における年が変わる瞬間」としてとりわけ有難がられる。その瞬間には全国のお寺というお寺で、釣り鐘が108回も鳴らされる。煩悩の数だというけれど、呑気に耳を傾けて最初はその音を数え、そのうち飽きて知らないうちに終わっていた。
紅白歌合戦という、物々しい超長寿音楽番組がある。
このご時世に、女性を紅組に、男性を白組に分けて点数を競うという、なかなかにいろいろな意味において時代を錯誤しているルールが設けられている。どちらの組が勝ったのか、一応番組の最後に確認されるが、その頃視聴者は、ゆく年くる年のあとにどの番組を観るのかを考えている。
紅白歌合戦の勝敗の結果に興味があるのは、毎年の紅白歌合戦の各組の代表をつとめるタレントさんと、男尊女卑を引きずったアンシャン・レジームの残党だけだと思う。
星野源氏は今年もピンク色の上着を着用していた。
ときどきお気持ちを設けられるサブちゃんこと北島三郎氏は、一言で表すと「時代は変わってるけど、今も昔もみんな頑張ってていい」という旨を、さまざまな言い方で何度も答えていた。サブちゃんは尊かった。
ゆく年くる年。紅白歌合戦のあとの、日付が変わる瞬間の初詣の様子を中継する短尺の番組。急にトーンが変わる。
今年のメイン神社仏閣は深大寺だった。想像以上に参拝客が集っていた。
「参拝客の密集を避けるために警備員を増員している」とのことで、日本語としては正しいけれど理解するのに時間がかかるような状態だった。
朝、初日の出を拝んだ。日の出を待つ人々。
梅沢海岸というところで、富嶽三十六景にも出てくる。
昔からここで人々は初日の出を拝んでいたんだろう。
マヂカルラブリーがM-1で優勝してから、毎日、少なくとも朝起きてすぐ2回は観ている。
この動画。
ヤなことで終わったらヤだからでしょ。
ヤなことがあったまま終われないでしょ。
野田クリ氏のこの言葉が鼓膜にこびり着いて離れず、元旦を迎えても、年が明けても、初日の出を拝んでも、富士山を拝んでも、「あけましておめでとう」とも言えないし、そんな気持ちになれない。
喪中だから「あけましておめでとう」と言えないことにしているけれど、言えない本当の、もっと大きい理由は、「ヤなことを跳ね返した」自覚がないまま、心は夜明け前の只中で、「あけましておめでとう」と言う気にはどうしてもなれてないから。
激動オブ激動の2020年。「頑張った」という自覚はあっても、「成し遂げた」という自覚は微塵もない。頑張った自覚があるだけに、無茶苦茶に悔しい。
2021年は成し遂げる一年に。
2022年の元旦には、あけましておめでとう、と言おう。
「やれば、絶対なんとかなる」ってみんな知ってるとは思うんですよ。
それに対して「やっぱそうだったよ!!」って言いたかった。
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