お前は頂点捕食者だ！【ホラー映画を毎日観る人】(197日目)「クロール-凶暴領域-」

「クロール-凶暴領域-」(2019)
アレクサンドル・アジャ監督

◆あらすじ
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大学の水泳部に所属するヘイリーは実家のあるフロリダに記録的なハリケーンが直撃することを知り、疎遠になった父を心配して実家に戻る。地下室で大怪我を負い意識を失った父を発見し、何とか病院に連れて行こうとするもそこに巨大なワニが現れ、ヘイリーも大怪我を負ってしまう。
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霊や怪物とは違い、ワニと洪水という現実的に起こりうる、“想像できる怖さ”があり非常に面白かったです。

ワニは惜しみなく何頭も登場し、排水管の中で大量のワニの卵を発見したときは「エイリアン」の某シーンを彷彿とさせる絶望感がありとても良かったです。
それに加え暴風と洪水で行動が制限されることで物語により緊張感が加わり見応えがありました。

パニック映画であると同時に父と娘の物語でもあり、必要以上に言葉は交わさないまでも徐々に関係が修復されていく様子、父を救おうと奮闘するヘイリーの姿、水泳指導に熱が入りすぎて娘達の独立を期に離婚してしまった不器用な父の愛に心を打たれます。

ですが父親の思考や教育方針が過激な部分もあり
娘が幼い頃に「お前は頂点捕食者だ！」と教えこんだり、終盤で「お前はワニよりも速い」と言ってどこにワニがいるかもわからないのにボートを取りに泳がせたりと中々にぶっ飛んでます。
それに呼応するかのように無事ボートに辿り着いたヘイリーが「私は頂点捕食者よ！」と言うあたり、似た者親子なのかもしれません。

90分程の尺でとても見やすく、最後まで気の抜けないとても面白い作品でした。